以下の動画を見ると、農業資源を保存することにかなり重きを置いているようですね。生物多様性は農業にとっても重要な資源です。映像の中では触れられていませんが、アグリビジネスの寡占化によっても、多様性は急速に失われつつあります。
詳しく見てみましょう。
こちらがその構造の図解です。
以下のサイトはさらにインタラクティブなガイドになっています。
■"Seeds of Our Future"(インタラクティブなガイド、英語)
とても立派な施設なのですが、これは安心したり、喜んだりするニュースではないと思います。なぜならこれは苦肉の策の、とても不完全な防衛方法でしかないからです。
例えば、「現在地球上に存在するとされる種類の2倍に当たる450万種の種子を保存できる。」といいますが... すべての植物の種子を採集することはほとんど無理でしょう。だって、私たちはまだその存在するはずの「すべての種」を見たことすらないからです。
また、「施設内の温度は常にマイナス18度に保たれており、仮に冷凍システムが故障しても、永久凍土層のおかげでマイナス3.5度を上回ることは決してないという。」といいますが、種子の中には低温で保存すると発芽能力を失ってしまったり(^^;)、そもそも休眠性を持たないものもあります。そういう種は、残念ながらこの施設をもっても保存することはできません。(あ、それにそもそも脊椎動物など、植物以外の分類群はスッポリ抜けていますし...)
気候変動、病害虫の大発生、さまざまなリスクに備えてこうした施設を作ることは必要でしょうし、頑張っているとは思うのですが、残念ながら植物種だけでも完全には保存できないことは明らかです。
技術で危機を乗り越えようというだけでなく、危機が現実のものとならないよう、もっと自然の摂理を尊重することも必要だと思います。
そもそも遺伝子配列のデジタルデータではなく、種子そのものを保存しなければいけないことが、「私たちは生命そのものは作ることができない」という厳然たる事実を示しています。
《参考リンク》
■"Svalbard Global Seed Vault”(Wikipedia)
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ご紹介のあった施設やkewの標本庫があるから大丈夫というような意識になりはしないか、こういうニュースが広がることにある種危機感を覚えます。
コメントありがとうございます。
そうですね、実は「種」って結構危ういものですよね。特に植物はそう感じます。
僕もまったく同じ危惧を抱いてこの記事を書きましたが、世の中にそういうことが伝わっているのかどうか... どうも多くのニュースは「これで安心」みたいなトーンに読めるのが気掛かりです。