2005年10月31日

沖縄にこだわる理由

 辺野古のことを2回連続で書きましたが、僕がなぜ辺野古に、沖縄にこだわるのかをちょっと書いておきたいと思います。

 辺野古の自然が素晴らしいもので、また貴重であるのは勿論です。ジュゴンもいますしね。しかし、それ以上に沖縄には何かしなくてはと感じるのです。そう思うようになったのは、海軍豪跡を訪れてからです。

 海軍壕跡というのは、那覇市南部にある沖縄戦の最後の日本軍司令部のあったところです。沖縄は太平洋戦争で唯一地上戦があり、その惨状はひめゆり部隊の話などでご存じの方も多いでしょう。しかし、いざ沖縄に旅行に行くとなれば、修学旅行生でもなければ、ひめゆりの塔ですら、なかなか訪れないのではないでしょうか。

 米軍が本島に上陸し、追いつめられた日本軍は、那覇市南部にある海軍壕という細く長い壕の中に退却。しかしついに、これ以上の戦闘は不可能と悟ります。海軍部隊司令官の大田実少将は6月6日にここから海軍次官に「…沖縄県民斯ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」という電報を打電した後、6月13日に自決したそうです。きわめて異例な内容の電文です。それだけ、大田少将も沖縄県民の犠牲を肌身に感じていたということでしょう。
Kaigugo.jpg

 そして戦後、「日本」は沖縄に何をして来たのでしょうか。長い占領が終わり、1972年にようやく米国から返還された後も、県のなんと25%の面積には米軍が居座ったままです。住民の生活は様々な場面で抑圧され、一方的に被害を受け、しかし、その状況はほとんど改善されることはありませんでした。大田少尉の切なる願いは、海軍にも、後世の政府にも、一切届いていないように思います。

 環境破壊も、米軍に従属した戦争加担も本当にいい加減にして欲しいけれど、それ以上にこのまま沖縄にだけ負担を押しつけるのは止めて欲しい。歴史に疎い僕は、沖縄戦の具体的な中味は、しばらく前まで正直言って知りませんでした。しかし、平和の丘やひめゆりの塔など訪れ、海軍壕跡で大田少将の電文を読んだ後、沖縄の人々の苦労を労うどころか、基地を押しつけて知らん顔の「日本」を、とても恥ずかしく感じました。それを知らなかった自分のことも含めてです。

 もっと具体的に何か沖縄に貢献したいと思いますが、まずは辺野古で起きていることを知らせたいし、海軍壕も紹介したい。(まだ行ったことがない方には、次に沖縄に行かれたときには、是非訪問なさることをお薦めします。)それがブログを通しての、ささやかな一歩です。

 こういう話はあまり興味はないという人もいらっしゃるでしょうし、持続可能性とは関係ないだろうと思われるかもしれません。でも、本当にそうでしょうか。力関係の弱いところに負担を押しつけることは、とてもフェアであるとも、持続可能であるとも言えません。もちろん、戦争は最大の環境破壊ですし、社会破壊です。公平で安心できる社会を妨げるあらゆる障害について、一つひとつ考え、発言し、行動することが、持続可能な社会を作るためには必要なはずです。残念なことにそのいずれもが、今の沖縄を巡る状況には実現されていないし、報道すらなされていません。だからそれを伝えるのも、サステナ・ラボのコンテンツに相応しいと考えています。長々と説教臭いことを書いてすみませんが、どうぞお許しください。

参考リンク
大田実少将の電文 (ひらがな表記)
http://tana.pekori.to/tear/log/0465.html
http://karasong.blog2.fc2.com/blog-entry-119.html

旧海軍指令壕
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/kaigunngou.htm

沖縄戦
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%96%E7%B8%84%E6%88%A6
posted by あだなお。 at 23:27| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | 平和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
辺野古の事、私もこのところずっと気になっています。
海軍壕は行ったことがありませんが、高校生のころ、同じように戦争中に利用されていたアブチラガマ(糸数壕)の闇とサトウキビ畑の平和な明るさのギャップには衝撃を受けました。そして、ヤマト人である自分を強烈に恥じた経験でした。

戦争をメシの種にしているお金持ち、およびその権力に動かされている国には迎合したくありませんよね。でも改憲の方向性もなにやら怪しく右に傾いていて、どうしようもなく巻き込まれてゆく感じのある時代。不安を煽られている部分も多いように思います。(例えば、なにをしでかすか分からないということを強調する一部の北朝鮮関連のジャーナリズムなど)

情報の氾濫の中で、価値基準を持つことが必要ですね。判断の軸として、「持続可能性」は特に重要だと思います。(あとは、エレガントかどうか、とか 笑)だから、あだなおさんが沖縄のことを取り上げてくださっているのはわが意を得た思いです。


Posted by あつこ at 2005年11月01日 11:16
あつこさん

お久しぶりです。コメントありがとうございました。同じように感じてくださる方がいて、ちょっとホッとしました(笑)

沖縄の人たちは、僕たちに過去の繰り言をいったりせずに、素敵な笑顔を見せてくれます。だからこそそのギャップをしっかりと受け止めたいですよね。

エレガントかどうかですか、なかなかいい基準ですね。あつこさんにピッタリだと思います。僕は似合わないと笑われそうですが、これからは美学を追求したいと思います(笑)
Posted by あだなお at 2005年11月02日 00:51
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