2008年04月13日

どのマーガリン、それともバター?

 マガーリンなど植物性脂肪を使った製品に含まれることが多いトランス脂肪酸は、循環器系の健康に悪影響を与えることが知られています。WHOは既に2003年3月に、一日の摂取量を摂取エネルギーの1%未満に抑えるように勧告していますし、ニューヨーク市では外食のすべてのメニューにおいて、一食あたりのトランス脂肪酸の量を0.5g未満に抑えるよう、2008年7月から義務づけています。これは外食産業にとっては、事実上のトランス脂肪酸の使用禁止です。

《参考記事》
■「マーガリンは健康にいいの?
■「NYの英断:トランス脂肪酸の追放

 わが家ではもう何年も前からマーガリンは止めてバターに切り替えているのですが、カロリーが低めという理由で、マーガリンをお使いのご家庭もまだ多いと思います。そんな方にちょっと有用な、そしてショッキングな記事を見つけました。
 マーガリン等に多く含まれるトランス脂肪酸は心疾患の原因となることが指摘され、NY市が外食店での実質使用禁止に踏み切るなど、欧米では規制が進んでいる。だが食品・外食業界のコスト増となるため、生活者よりも企業の立場で政策決定する日本では規制ゼロ。主要メーカーに取材すると、ワースト製品は「雪印Sマーガリン」でパン2枚に塗るだけで摂取し過ぎだ。生協製品も軒並み高かったが、ワースト企業は、学校給食用にも卸しているマリンフードで、情報公開すら拒んだ。
■「最悪商品は雪印製、最悪企業はマリンフード 心疾患招くトランス脂肪酸の含有率」(My News Japan、2008年4月8日)

 どのマーガリンにも同じような成分かと思っていたのですが、実はかなりバラツキがあるのですね。この記事では日本の主要メーカー7社の家庭用マーガリン59種類について調べているのですが、一番高かった「雪印Sマーガリン」(料理用)の16.0%から、含有率1% 未満の製品まで、メーカーによって、製品によって、かなり差があるのです。

 個人的には人工的な製法で作られたマーガリンよりは自然な製法で作られたバターを食べたいと思いますが(第一、バターの方がおいしいですしね(笑))、それでもやはりマーガリンがいいという方は、この記事などを参考にして、トランス脂肪酸の含有率を低い製品を選んだ方がいいかもしれません。

 この記事に書いてある「ワースト上位の商品ならば、多めにぬればパン一枚で基準値オーバーだ。平均的な食べ方でも、2枚食べたら優に過剰摂取となってしまう。」というのはちょっと計算が違うのではないかと思いますが(^^;)、毎朝パンにマーガリンを塗るだけでも、勧告上限値の数分の1を摂取してしまうというのは気持ちの良いものではありません。

 そしてさらにびっくりしたのは、コープ(生協)の製品もかなりトランス脂肪酸の含有率が高いことと、学校給食向けのマーガリンを販売しているというマリンフードという会社に至っては、数値を一切開示していないということです。

《参考》
生協のマーガリンのトランス脂肪酸含有率(生協)

 家庭で食べるものについては、マーガリンでなくバターを選んだり、あるいは含有率を低い製品を選んだりと自衛できますが、子どもたちが学校で食べるものが正体不明では困ってしまいますね。この記事も指摘しているように、これでは消費者に対する説明責任を果たしているとは言えません。しかも唯一データ非開示の企業が、よりによって給食向けの製品を作っているというのが、なんとも不安です。

 っていうか、トランス脂肪酸の含有量って表示義務があったのでは?と思ってもう一度調べてみたら...  「食品の栄養成分表示欄に飽和脂肪酸、コレステロール に加えてトランス酸の含有量も明記することが義務付けられ」たのはアメリカでした(^^;) 米国連邦政府保健福祉省食品医薬品局(HHS FDA)の2003年7月11日付けの規則により、2006年1月1日からの義務化です。
出典:「「トランス脂肪酸」について 」(日本マーガリン工業会)

 日本ではまだ表示が義務化されていませんので、自分で情報を集めるか、情報が開示されていないものは選ばないようにするか、まずはそうやって自衛するしかなさそうです。

今日も読んでくださって、ありがとうございます。
自然なものを食べているのが一番の気がするのですが...
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posted by あだなお。 at 23:17| 東京 ☁| Comment(4) | TrackBack(1) | 食べ物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そのバターが,最近品薄で困ってます.
スーパーでも入手困難につき,という表記が.
国内の牛乳需要低下による減産と,飼料の高騰が原因とか.
必要な物が簡単に手に入らないということの怖さを
味わいました.今後このようなことが増えていくのでしょうか?
Posted by kinoko at 2008年04月14日 00:04
マーガリンもそうなのですが、
パンや菓子類にも使われる、

ショートニング

がどうやら危険視されているようです。
実際に成分表示を見れば分かるのですが、
ショートニングは、バターやラードの代用品として、食品の広く使われています。
普段あなたが食べているパンも、ショートニングが入っているかも?

トランス脂肪酸との関係について、以下wikipediaから抜粋。

>水素添加の処理時に脂肪酸が一部トランス化し、トランス脂肪酸が生成される。このトランス脂肪酸が心臓疾患・アレルギーを中心とする様々な健康被害を引き起こすとして問題になっている。

>日本の製造者たちは、バターやラード及びその他の油脂が持つトランス型でない脂肪酸及び中性脂肪・コレステロールによって受ける健康被害の方が、トランス脂肪酸の害よりもはるかに高いと主張している(中性脂肪はトランス型でない脂肪酸のトリオのことである)。しかしこれは肥満やLDLコレステロールの増加による心臓や血管の病気だけについて言っており、またグラム当たりの害や平均的な日本人の食事一回の摂取量辺りの害などについての科学的なデータを元に主張しているわけでもないという問題がある。
Posted by viron at 2008年04月14日 00:26
アメリカのスーパーでは、普通に「0 Grams Trans Fat((トランス脂肪酸フリー)」のショートニングが棚に並んでいますから、技術的に不可能という訳ではないと思うのですが・・・。
なぜ、日本ではトランス脂肪酸フリーの商品を作らない(or 作れない?)のでしょうね?
Posted by くるみ at 2008年04月14日 02:23
>kinokoさん

そうみたいですね。実は今回マーガリンの話を書いたのも、「バターがない。マーガリンは嫌だからどうしよう...」という友人の嘆きがキッカケでした。僕はバターを配達してもらっていたので実感が湧かなかったのですが...

>vironさん

ショートニングもそうですね。それにショートニングには家庭ではなく、お店や工場で原料として使われるので、余計怖いですよね。

>くるみさん

そうみたいですね。でも、トランス脂肪酸はゼロになっても、それえもマーガリンやショートニングは信じられないような気が...

ご存じかもしれませんが、カフェインフリーのコーヒーの中には、有機溶媒でカフェインを溶出したものもあるそうです。そんなことするぐらいだったら、カフェインが入っていた方がマシなようにも思うのですが... そんなことを思い出しました。
Posted by あだなお。 at 2008年04月17日 23:17
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「売れる商品を作る」か「消費者によい商品を作る」かの理念
Excerpt: たまの読んでいるサステナ・ラボでマーガリンとバターの話しがあった。 どのマーガリン、それともバター? http://suslab.seesaa.net/article/93260731.html  ..
Weblog: ヨーロッパから環境事情 (オックスフォードの環境博士の日記)
Tracked: 2008-04-15 02:24
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