しかし、もしかしたら私たちは想像以上に早く、食料不足に直面するのかもしれません。というのも、途上国を中心に、最近世界各地で食料の高騰が深刻な問題を引き起こしていることが報道されるようになって来たからです。
米の価格が一気に2倍になったのでは、とても生活はできないに違いありません。単純に政府のせいとは言えないのでしょうが、不満を爆発させたくなる気持ちは理解できます。
もちろんこれはハイチに限ったことではありません。既に何ヶ月前から世界中でこうした抗議デモが起きています。
この記事の中でも指摘されていますが、エンゲル係数が高い貧困層の場合、食料価格の上昇が生活に与える影響は日本とはまったく比較にならないものでしょう。
経済成長による食料需要の増加、干ばつや悪天候、石油価格高騰による輸送費の増加、バイオ燃料需要の急増による食料生産の低下、あらゆる要因が複合的、相乗的に作用して、食料価格を押し上げています。下手をすると、いやかなりの確率で、この高価格は固定化されてしまうかもしれません。となると、これからさらにどのような影響が出てくるのか... 心配です。
これに対して、国際世論も対応を考え始めています。
ワシントン(AP) 世界銀行のゼーリック総裁は13日、世界的な食糧価格の高騰が各地で飢餓や暴力などを引き起こしていると述べ、各国政府はただちに対応する必要すべきだとの認識をあらためて示した。国際通貨基金(IMF)との合同開発委員会後の記者会見で語った。出典:「世銀総裁、食糧価格高騰への対応を呼び掛け」(CNN.co.jp、2008年4月14日)
世銀の概算によると、世界の食糧価格は過去3年間で2倍近くに跳ね上がり、途上国などで貧困が深刻化している。ゼーリック総裁は会見で、「短期的にみても重大問題だが、次の世代が犠牲になることを防ぐことも重要だ」と強調した。
お恥ずかしながら日本の食料不足だけ考えていたのは、考える範囲が狭過ぎたようです。考えてみれば、いつでも弱い立場の人々、貧しい人たちが、最初に被害に会うのです。日本も先進国の中では食料自給率は低いのですが、途上国の中には日本程度の国もかなりあります。そしてそれだけでなく、途上国の人々は、きわめて価格変動の影響を受けやすいことを、うっかり見落としていました。
しかし、ここで再度注意しなければいけないのは、最初に問題が顕在化したのは途上国ではあっても、これは世界的な問題だということです。つまりこれはごく一部の途上国の問題ではなく、世界が急激な食料不足という深刻な問題に巻き込まれ始めたと認識すべきなのではないでしょうか。
食料自給率の低い日本が影響を受けるのは、もはや時間の問題でしょう。短期的にはどう輸入量を確保するかを緊急に考える必要がありますが、根本的には、どう自立するか、どうやって自給率を大幅に向上させるか、そのことを真剣に考えなければならない問いが来ているように思います。
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