2005年11月17日

ボージョレ・ヌーヴォー 強さのヒミツ

 今日17日はボージョレ・ヌーヴォーの解禁日でしたね。最近では一番の出来だそうです。早速試された方、お味はいかがでしたか?

 さて、ボージョレ・ヌーヴォーの解禁日は法律(!)で毎年11月の第三木曜日と決められており、産地のフランスだけでなく世界中で統一されています。時差の関係で、日本は本国フランスよりも8時間早く楽しめ、日本のワイン愛好家の皆さんも毎年楽しみにしているようですね。

 残念なことにお酒に弱い僕はこの日を待ちに待っているわけではないのですが(^^;)、ワインの好きな方は、毎年今年はどんなお酒に仕上がったのか、楽しみでしかたがないことでしょう。そうなると一日でも早く飲みたいのが人の常、そんな飲ん兵衛につけ込んでインチキなヌーヴォーを供する酒屋もあったそうです。

 そんなわけで、フランス政府は1951年に11月15日を正式な解禁日としたそうです。ただフランスでは日曜日はほとんどの酒屋やレストランがお休みとなるので、15日が日曜日になっては困るということで、1984年以降は毎年11月の第3木曜日に変更になったのだとか。

 つまりボージョレ・ヌーヴォーの解禁日は、きちんとしたヌーヴォーを味わうために、法律で決められたものなのです。ワインにそこまでこだわるのはさすが、食の国ですね。

 フランスではワインの質を管理するための法律は、これに限りません。高級なワインにはA.O.C.ワインと分類されるものがあります。このA.O.C.とはAppellation d'Origine Controlee(原産地名統制呼称)の略で、どこで作られたのか、原産地の呼び方を管理するための制度です。作られた場所だけではなく、製法と品質に関して厳しい検査をパスして初めてA.O.C.ワインを名乗ることができるという、大変厳格なものです。これも原産地呼称統制法(1935年)という法律に基づいているそうです。(もっともベースになる法律は1919年の「原産地保護に関する法律」)

 A.O.C.はワインだけではなく、バターやチーズ、生クリームなど、さまざまな農産物にも適用されています。僕は下戸でもチーズは大好きなので、チーズに関してはA.O.C.のお世話になっているかもしれません(笑)(本当は、ワインも楽しめないと、チーズの楽しみも半減なのでしょうが...)

 例えばチーズの場合、生産地、製造方法、熟成方法、大きさ、その他様々なことが細かく規定されており、びっくりします。(ご興味のある方は例えば「チーズ図鑑」(文藝春秋、1993)をご参照ください。この図鑑、チーズ好きの方にはオススメです(笑)) そしてこれだけ厳しい規格があるため、数千種はあるであろうフランスチーズの中で、A.O.C.に登録されてあるものはわずか40種強です。

 さて、なぜ今日は長々とこんなことを書いたかなのですが、かように厳格なA.O.C.あるいは新酒に関する法律があってこそ、おいしいワインとチーズが守られ、高く評価されているのではないかと思うのです。ご存じのようにフランスは農業国で、先進国でありながらも、農業は非常に重要な産業となっています。しかも、その高品質なワインやチーズは、付加価値が高く、世界的な安売り競争の中でも、A.O.C.であれば別格です。なにせ他の場所では作ることができない、代替のないものなのですから! おそらくA.O.C.という制度ができたのは、おいしいものを食べたい、飲みたいというフランス人の気持ちも強かったのでしょうが(笑)、伝統的な食品を守っていこうという考えや、気概も作用していたのではないでしょうか。そして、そうしたこだわりが、結果的には商品の差別化、ブランド化を成功させたわけです。

 日本でも、最近は原産地等についてだんだんと表示が厳しくなってきているようではあるのですが、まだ正直言って「本当かなぁ」と疑問に思うものも少なくありません。つまり、食品の質について、きちんとした信頼関係ができていないということです。安全でおいしい食品を確実に手に入れるためにも、地域の農牧業や水産業を守るためにも、A.O.C.制度に学べることは多いように思います。持続可能な農水産業のヒントもありそうです。

 さあさあ、能書きはこの辺にしておくことにして、食事もお酒も、ホンモノをおいしくいただくのが一番。今度の週末は、家族と、友だちと、恋人と... ゆっくり今年の秋の恵みを味わってみてはいかがでしょうか。

参考URL:
今年は当たり年
http://nikkeibp.jp/style/life/topic/trend/051115_wine/index.html
http://www.suntory.co.jp/wine/special/kaikin05/bn_knowledge.html

ボージョレの歴史
http://www.aeon.jp/contents/wine/history.html
フランスワインの分類
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~urase/drink/yokuwakaru/france-aoc.htm


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皆さんのご意見、お待ちしています。



posted by あだなお。 at 23:42| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 食べ物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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ボージョレヌーボー 2005
Excerpt: 今年は出遅れましたが久々にワイン堪能しました。土曜日にデ・ラ・セーニュ ボージ
Weblog: メカオンチ。
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