あえてセンシティブなことに触れるとすれば、例えばカソリック的な倫理観からすれば避妊はダメなわけですが、地球環境の持続可能性を考えれば、果たしてそれは合理的な価値基準と言えるのか? そこまで極端な話をしなくても、旧来の価値観だけでは、問題が解決しないのは明らかです。
いま「エコエティカ ー生圏倫理学入門ー」という本を読んでいます。この本で、今道先生は、新しい倫理、エコエティカが必要であることを唱え、その具体的な内容について説明しています。これはまさに、倫理も時代によって、社会によって進化する必要があるからです。しかし残念ながら今までの倫理は、私たちが自然環境の中だけで生活することを前提にしたものであり、高度な技術に依存して、人工的な環境の中で生活することは想定していないのです。だから、旧来の倫理では無理があるし、それがないがしろにされてしまう面がある。それでも、どの時代にもなんらかの倫理は必要で、今の時代に対応する新しい倫理、エコエティカが必要だという主張です。(ここでは詳しい説明はしませんが、エコエティカはいわゆる環境倫理とはまた別モノです。「生圏倫理学」と呼ぶべき、さらに広く、ユニバーサルな概念です。)
この今道先生にもご参加いただくシンポジウムが、来週の火曜日にあります。当初参加費が5000円だったのですが、無料!になったそうです(ただし事前申込が必要です)。ご興味のある方は、以下のアドレスで詳細をご覧の上、お申し込みください。
http://www.gri-fj.org/news/2005/new200510_01.html
企業活動が利益を追求すること自体は否定するつもりはないのですが、少なくともそれがある一定の価値観で許される枠内での活動であることは必要でしょう。その枠が、法令よりもより広いものだとするのが、CSRなのだと思います。さらに、企業活動が私たちの価値観における徳目を増大させることに役立てば、それはきっと持続可能なビジネスになるのではないかと。そんなことを考えながら読み進めています。CSRや持続可能性を明確に定義するためにも、新しい倫理を早く作り上げたいですね。
#今日はこれから長野に出かけ、明日は昼前に東京に戻って午後からシンポジウムです。もうネットにアクセスできないかもしれないので、ちょっと早めの投稿です。
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