2005年11月27日

牛タンを食べて考えた

 久しぶりに牛タンを食べたのですが、高くなりましたね〜 量は前より少ないのに、値段は1.5倍、実質的には2倍になった感じです。それでも経営は大変なようで、牛タンの本場仙台では、廃業したお店もあると聞きます。

 これはもちろん、BSE(牛海綿状脳症)のために米国産の牛肉が輸入できなくなっているためです。このお店でも、牛タンはオーストラリア産、牛肉は国産でした。

 さて、その米国産牛肉の輸入が、いよいよ解禁になろうとうしています。とは言っても、安全を確保する体制が出来たからではなく、米政府に押し切られた形ですから、なんとも嫌な後味です。

 輸入再開へ秒読みが報道されると、牛丼の吉野家は、輸入再開が決まれば1カ月半程度で牛丼の提供を再開するとの方針を示しました。12月中に決定されれば、来年の2月頃には吉牛復活です。「米産牛以外では伝統の味を再現できない」のだそうです。

 一方、「すき家」と「なか卯」で豪州産牛を使っているゼンショーは、「米産牛が世界の消費者に信頼されるには、全頭検査が不可欠」として米産牛の使用は再開せず、「特定危険部位が完全に除去されているかを日常的にチェックする体制を整えるとともに、取り除いた部位の完全焼却を実施してほしい」と社長が要望しています。味や品質、価格を評価しながらも、安全性を優先する姿勢です。

 またスーパーでも、マルエツは輸入再開と同時に販売を再開するのに対し、イオンは様子見のようです。もっともイオンはオーストラリアに直営牧場を持っているということもあるのでしょう。「消費者の要望」と「消費者への安全性」、CSR的にはどちらを高く評価すべきでしょうか?

 いずれにしろ、不透明な議論の中で輸入が再開されようとしていること、消費者への安全性とビジネスに関する経営判断が企業ごとにわかれていること、この二点は注目すべきでしょう。日本政府や各企業の判断をどう評価するか、私たち市民や消費者は行動で示すことができるはずです。

 ちなみに問題の牛タンですが、たとえば米国産牛肉の輸入が再開されたとしても、生後20か月以下の牛だけでは輸入停止前の需要の5%程度しかまかなえないかもしれないそうです。しばらくは、牛タンの値段は高いままのようですね。牛丼はあまり興味はないのですが、できれば牛タンはもう少し気軽に食べたいなと...

<参考リンク>
 ■「米産牛肉」輸入再開へ期待と懸念
 http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/news/20051022gr03.htm
 ■BSE&食と感染症 つぶやきブログ
 http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2


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posted by あだなお。 at 23:45| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 食べ物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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