昨日、狂牛病のことを少し書きましたが、その背景を短時間で理解するのに良いのが本書です。これは名著「ファストフードが世界を食いつくす」の著者が、「ファストフード」発表後に世界中を恐怖に陥れた狂牛病に焦点を当てて書いた本です。前作のように現場をリアルに掘り起こす迫力には欠けますが、日本の事情についても、かなりのページが割かれています。
狂牛病の直接の原因は、草食動物である牛に、牛を餌として与えるという不自然な育て方です。そして、こうした事態が発生したより本質的な原因は、前作でも示されたように、食品の工業化と、それを支配する巨大な食品ビジネスの存在です。著者は狂牛病だけでなく、雪印事件などについても触れ、無責任な企業の姿勢を厳しく追及しています。
本書はまた、本来は国民の健康を守る義務のある各国政府が、農業関係者の短期的な利益を優先し、消費者の利益をまったく守ろうとしなかったことも暴いています。飼料の危険性がわかってからも、アメリカの食品医薬局は5年以上、畜牛を禁止飼料から遠ざけることができなかったのです。一方、マクドナルドはこれをわずか数週間で実行しました。これこそ、企業の素早さと、実行力の大きさを示す好例です。
もちろん、著者は大企業による食べもの支配には本質的に反対の立場で、僕もそれに同意します。その意味で、保健相と農業相を辞任させ、新たに農業保護より消費者保護を優先する農業栄養消費者保護相を誕生させたドイツ政府の取り組みは評価したいと思います。
ファストフードそのものが抱えるさまざまな問題、特に企業がいかに農業や労働者に悪影響を与えているかについては、やはり前作の「ファストフードが世界を食いつくす」がオススメです。これはまた次に紹介しましょう。
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