2010年06月05日

宮崎で起きていること

 ふだん肉を食べるときには、それが生きている牛だったり、豚だったり、鶏だったりしたことを私たちはあまり想像することはありませんよね。もちろん、毎回そんなことを想像していたら、とても食べられなくなってしまうかもしれませんし...

 それでも、やはり私たちは命ある生きものを食べて生き長らえていますし、そのために、その生きものを大切に育ててくださる方々もいるのです。

 なにせ生きものですから、育てる際には様々な苦労がつきものだと思います。元気かなと毎日心配しながら、休みもなく世話をして、そしていかに丹精込めて育てても、最後は出荷する。本当に大変なお仕事だと思います。

 その手塩にかけた存在を、目の前で殺さなければいけないとしたら... 

 正直に告白すれば、口蹄疫の被害が広がったニュースを聞いたとき、僕は「これは大変だな」と思うだけでした。被害額の大きさや、殺処分された家畜の数に、むしろ圧倒されていたのかもしれません。本当の意味、そこで起きていることまでは想像が及びませんでした。

 しかし、その現場で実際に何が起きているのか。それを読んで、言葉を失いました。文字で読むだけでも辛くなって、涙が出てきます。ましてやその現場に居合わせたら、自分で育ててきたものにそのようなことが起きたとしたら... 自分だったら、とても正気では居られないのではないかと思います。

 以下、川南町のひじりさんという方がmixiに書かれた日記を、ご本人の承諾をいただいて全文転載します。目を背けたくなるかもしれませんが、ぜひお読みください。
「殺処分」と簡単に言うけど・・・

 5月9日、とある養豚農場で働く友人に会うことができ話を伺うことが出来た。
(もちろん、お互いに防疫対策を施したうえでだ)

口蹄疫感染の疑いが出て全頭処分が決定した農場である


彼は本当に豚さん達と真剣に向き合って肥育していて、口蹄疫問題が発生するまでは、いつも面白おかしく豚舎での話を聞かせてくれていた。


「ちょっと巻き毛の母豚がいてな…俺には懐いてくれちょっちゃけどよ。

一度マジ切れしてさ、思いっきり拳で殴ったら、自分の手は怪我したのに母豚は平然としやがってよ「ちくしょーー!(笑)」

ただ、こいつがさ、なかなか上手に水を飲めないやつでな、いっつも俺が飲ましてやっててさ、時々、俺のひざに頭をのっけて休むんよ (笑)200kgもある母豚やかい、頭だけでも重いっつどぉ(笑)。


ただなぁ、こいつになかなか子供が授からんでなぁ、何度も仕込ませてみたんやけど…
なんでかこいつだけ子供ができんかったっちゃわぁ。


「お前どうしたっかぁ。ごめんなぁ俺が悪いんかもなぁ。女の幸せをあじあわせてやれんなぁ。子供産んでみたいやろう。次こそ頑張ろうなぁ。」言っ て、首に抱きついてあげたりしてたんだわ


でもよ!

先月ついに受胎したことが分かってな。「やったーやったー!よう頑張った!!!やっとお前も赤ちゃんが産めるな(^^)」って喜んでその母豚カー ドにでっかく「成功」!って書いたばっかりやったのによ




・・・・もう殺さにゃいかんとよ。


自分の赤ちゃんを産ませてあげられんやないかい!!


どうすっとかい! (泣)



・・・・ごめんなぁ。言うしかなかった



せめて今だけは、腹いっぱいエサ食えよ。って大量に準備してあげてるっちゃが。






感染した子豚たちの蹄からは出血が始まり、上手に歩けなくなってビービー泣いている
母豚は乳首のところがただれ始めて真っ赤になって血を流しているのもいる。それでもむしゃむしゃエサ食うやつは食うんよ。

また、明日そいつらの所に行って、声かけてあげにゃいかんちゃろうけどよ。どんな顔して、なんて声かければいいっかえ!」(泣)




数千頭の豚を養っているこの農場では、この時はまだ埋め立て地が決まらず殺処分はされていなかった。


防疫のための消毒活動を徹底的にやっていた彼。
自分の車の中まで消毒液を振りまいていた彼。
毎日毎日石灰を道路に撒いていた彼。。。

必死に目に見えない敵と戦い、守ろうとしてきた家族を失う彼。


「やれるだけやって出てしまったもんは仕方ない。はっきりしたことは、来月から俺は職を失うってことだ。ただ、急いで処分をしないと、他の農場に 迷惑かけちゃうな。」


お腹に赤ちゃんを宿した母豚にすがり泣く彼のことを思うといたたまれないのですが、その感染を確認した豚舎では日に日に症状を示す豚が増えてき て、エサが食べられなくなったり、亡くなったりしてきて、豚舎内が消石灰をかけられた死体置き場へと変わっていき、腐敗していく。


5月6日に口蹄疫感染の疑いが出た養豚場です。その時点で全頭処分が決定していたわけですが、埋設処理が始まったのは・・・5月14日です。すで に9日が過ぎています。ここまでの数日間、彼はどんな光景を見てきたのだろうか。どんな思いで、豚舎を見て回っていたのだろう。。。


殺処分の様子は、本当に地獄絵図のようでした。



「 何十人と獣医師が来たけどよ。かき集められた経験の浅い獣医師たちは母豚を怖がってまともに注射も打てんちゃが

首筋の静脈に注射を打たにゃいかんのによ、柵の外から身を乗り出してお尻に打とうとするわ、バカじゃねーか!豚だって生きちょっし痛いから、ひょ いとお尻を動かして逃げるわな。

しょうがねーかいよ、俺が柵に入って豚の首をガシって押さえつけてやる始末。
危険やっちゃけど仕方ないわ


ただ、集められた獣医師は豚専門の獣医師ばかりじゃないし静脈の場所はわかりにくいからしょうがないっちゃけどよ、ダメじゃわ・・・

もう、豚の首は突き刺した注射のあとだらけ、痛々しいわ。豚はギャーギャー暴れるわ


ちくしょーーちくしょーーー!もっと安らかに死なせてやってくれよ。


(注※集められた獣医師さんは頑張ってます。しかし、家畜専門ではない方々も集められているから戸惑われたことと思われます。実際、母豚はデカ イ!から怖いでしょう。でも、獣医師免許を持っていないと殺処分が出来ないから、とにかく集められています。いろんな意味で彼らもつらいと思います。)


獣医師の免許をもっちょる奴しか殺したらいかんかいよ。手がだせん・・・

かわいそうでよ


もちろんベテランの奴はさすがに上手いし早くてよ関心するんよ。


みんな目に涙を浮かべながらも作業してくれてるし手を合わせてくれる人もいる。


命を救うための獣医師がよ。
今まで、命を助けるために動物に声をかけ、一生懸命働いてきた獣医師がよ・・・

この注射を打ったら、こいつが死ぬって分かりながら注射を打ちこむんよ。
そりゃあ人としてつらいし、心が痛いわなぁ。歯を食いしばるしかないのかよ!



俺はさ、もともと出荷のための豚ならなんとかあきらめがつくんよ。出荷だと思えばいいちゃかい。

でも、母豚はよ。ずっと面倒見てきたっと、性格もよく分かる。顔見りゃ名前も、出産した回数も、病気した時、喜んだ時。悪ん坊や、甘えん坊、気性 の荒い奴、優しい奴、み〜んな分かる。共に生活してきた家族やっちゃかい。


口蹄疫に感染してしまって痛々しい症状が出てる奴は、鼻や口の水疱が破けて痛いもんやからエサが食えんなっちょる。それでも腹はへるかい、えさを 探すわな。豚は鼻が命じゃ。人間で言う手のようなもんで物を探るのは鼻で探るんよ。

痛いやろうに・・・

まともにエサが食えんかい。俺が手で食べさせてやってた。

鼻も口元も蹄も乳首も痛々しいのに、俺を見つめる目はやさしくてよ。なんだか、向こうがごめんよ〜言ってるみたいや。ありがとう言ってるのか なぁ(T-T)


注射打たれる姿に耐えられんで離れたところから見てたら、獣医師の腕をふりほどいてこっちに走ってくっとよ。

蹄が炎症起こして血を流してるもんは痛いから立ち上がれんでずっと横になってギャーギャー言ってる。でも、立ち上がらせて殺処分するところまで連 れて行かんと重いかいよ。まず鎮痛剤打つっちゃわ。


そしたら痛みが取れるもんじゃかい、ひょいっと立ち上がる。でも蹄からも血が出て腐りよっかい


蹄が取れていくとど・・・赤くなった蹄だけが地面に転がってるんやど・・・

それでも、蹄が無くなった足で、俺の所に駆け寄ってくる


はやくなんとかしちゃれよーーーー!(T-T)




ある程度の大きさの奴は電気で殺すっちゃわぁ

でっかい火ばさみみたいな物でまず頭を挟んでな、スイッチを入れると高圧電流が流れ失神する。
そしてそのあとに胸の所を挟んで心臓に電流を流すとガタガタガタとしびれて心臓を止めて殺すとど・・・かわいそうやんけ。

さっきまで震えて泣きよったやつが。突然静かに死体となるんよ。


たださ、時々その動かなくなった豚を運んでたり、穴の中に落とした時に生き返って動き出すやつがおるんよ。気絶してただけなんやろうな。哀れで なぁ、また殺さにゃいかん・・・。




まだまだ元気な奴らはさ、どんどん穴ん中に落としていく。みんなで板を使って追いやって穴に落としていく。

一番下に落とされた豚たちは熱と重さで圧死ししていくけどよ。後から後から落とされた豚は、どんどんジャンプして穴から必死に飛び出ようとするん よ。

その生きようとする動物の必死さにまた泣けてくるっちゃわぁ・・・・たまらんよ(TへT)


その上からブルーシートをかぶせてよ、コンパネの板を上において、飛び出してこんように俺たち人間が上に乗るっちゃわぁ・・・

それでん、下から・・ドンっ!ドンっ!て必死にぶつかってくっとよ。


ブルーシートの隙間からホースを入れて中にガスを流し込むんよ・・・

すると、だんだん静かになってきてよ…しばらくするとシーンとなるんよ(T-T)


ちくしょーーーーーーー!



作業員達があちこちで殺処分をしていってる。
地獄を描いてる絵があるわぁ。鬼が人間をいたぶっている絵よ。あのまんまって感じ(*_*)


豚舎の中がギャーギャーって今まで聞いた事もないような泣き声があちこちから聞こえるかいよ。

赤ちゃん子豚が不安な様子でジッとしちょっちゃわ。


病気に感染した奴は蹄から血を流して痛いしおっぱいが飲めんかい
コロっコロっ死んでいく。


それでも豚舎が違ってたりで感染していない元気な奴もいっぱいおる。


敷地が一緒やかいて、経営者が一緒だってだけで


殺さにゃいかんとか・・・





本当に、この子達も殺さにゃいかんとか!



・・・


周りの異常な雰囲気を感じちょっちゃろうね

ひょいっと両手で掴み上げるわ

すると身体をグッと堅くして不安げに身体をブルブル震えてるのが手のひらから伝わってくるとよ。


ごめんなぁ、ごめんなぁ。俺が泣き出してよぉ



その幼い身体に注射針が刺されて、静かにぐったりと手の中で重みだけを感じる物体になる
さっきまで硬かった子豚の力が抜けて何の力も入らない柔らかい物になるんよ。




もうどんだけの涙が流れ出たかわからん


あと残ってた豚舎はウィンドレスの豚舎じゃかい・・・


せめて安らかにと思うてかいよ




帰ってくる時・・・空気を送り込むファンのスイッチを切ってきた。




家に帰ってよ。風呂に入ってよ。飯はよう食わんかい。焼酎飲みながらテレビをみてるとよ


俺・・・いつのまにかボロボロボロボロ泣いてるっちゃわ




今頃、眠るように死んでってるんだろうなぁ・・・・。



お前よ。豚は言葉がしゃべれんけんどよ。もしもよ、お前の子供をよ、「なんで?」って言われながらよ。国からの指示やかい言うて・・・大好きなの に・・・手の中で殺せるか。」



地獄絵図と書いたが、中にいたのは鬼なんかじゃなく愛情に溢れた人でした。



・・・あの赤ちゃんを宿した巻き毛の母豚は、いつまで彼に甘えることができ、またどんな瞳で彼を見続けていられたのだろうか。。。


本当にいたたまれない・・・






全国にはたくさんの農家がある。

あまり消費者の目に届くことはないところで、私たちが安心して安全なものを食べていけるよう精魂込めて接してきている人達がいる。私たちは彼らな しには美味しいものを食べることが出来ないのです。


農家の方々の愛情をいただいて生かされているようなもんなんです。


こんな時だからこそ、いつもより町内で買い物をします。
こんな時だからこそ、宮崎産という文字を探します。
是非、みなさんも自分の地元で地産地消を心がけていただきたいものです。



発生から1ヶ月が過ぎ、5月20日、159軒で13万258頭の殺処分が言い渡されました。


絶対、このウィルスを、全国に広めるわけにはいかない。せめて、せめて、今この範囲で終わらせようと必死に頑張ってます。



それでもまだ、この目に見えないウィルスとの戦いは終わらない

しかし、これ以上の被害農家を出さないために、今、元気で生きている牛や豚の為にも


どうか、自分自身の意識を高くして、「徹底消毒」をお願いします!!!



*********

私が伝えたい事は、現場の悲惨さはありますが、今まで家畜と共に生活してきた農家の方々の愛情を知って欲しいと思い、彼の言葉で書く事にしまし た。

決して、政府批判でもなく、対応の悪さについて言及するものではありません
転載されるのは構いませんが、間違った方向にもっていかず

私たちと同じく何気ない生活を楽しんできた農家の方々の愛情をお伝えくださいませm(_ _)m

出典:「殺処分」(ひじり @mixi)

 最初にも書いたように、私たちは他の生きものの命をいただいて、自分の命を維持しています。本来であればそのために引き受けなければいけない様々な苦労を、今は農家など、一部の方々にお願いしてしまっています。そのこと自体、本当に感謝しなければいけませんがが、そうした方々がさらにこのような苦痛も一身に背負わざるをえない状況に、なんとも申し訳ない気持ちでいっぱいになります。

 今回、口蹄疫の被害にあわれた方々には心からお見舞を申し上げます。対処にあたられた方々には深く敬意を表します。そして、二度とこのようなことが起きないように、私たち全員の問題として考えたいと思います。

 ユナイテッドピープルさんは、宮崎県の畜産農家の方々に応援のメッセージを届ける呼びかけをしています。義援金の呼びかけも行われています。少しでも、農家の方々と思いを共有できればと思います。


宮崎県「口蹄疫」被害を受けた畜産農家の皆様に応援メッセージを!


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2009年12月19日

COP15に集まった声

COP15は、削減目標は先送りという残念な結果に終わったようです。
「気温上昇を2度以内に抑える」という長期的な目標と途上国への資金支援額については一致。だが、最大の焦点だった温室効果ガス排出の削減目標の義務づけは、交渉決裂を回避するため、来年以降に先送りされる。
出典:「削減義務づけ先送り、途上国支援は合意へ COP15」(asahi.com 2009年12月19日)

 巨大な会議で、でこで何がどのように議論されているのか、なかなか見えにくいのですが、今回はTwitterの中継で、実に多くのプロセスをほぼリアルタイムに知ることが出来、非常にリアルな臨場感をもってこの会議を体験した気分です。

 そのことを可能にしてくれたのは、一つにはインターネットやTwitterという情報メディア、インフラであるのはもちろんですが、もう一つはその情報を発信しつづけた「人」の存在です。

 Saito Kenji(@ks91020)さんという方が、まったく個人的に行なったTwitterによる中継が素晴らしいものでした。本会議の様子を、日本語にして、伝えてくださったのです。以下のリンクから、そのタイムラインを見ていただくことができます。
@ks91020さんの発言

 あるいは、以下のリンクからは、Saitoさん以外の方々の分も含め、COP15関係の日本語のリンクを読むことができます。
#COP15ja

 なるほど、こういうプロセスで議論されているのかということがよくわかりました。少なくとも、本会議場で公開で行われているプロセスは民主的であったように思います。

 そして特に印象的であったのは、ふだん意見を聞く機会がほとんどない、途上国の代表の方々の声です。今回は120近い国や地域の首脳が集ったので、実に多彩であるのに加え、特に途上国においては、気候変動が既に本当に切実な脅威になっているということです。

 日本でもよく気候変動のことを「喫緊の課題」などと言いますが、本当に切実に受け止めている人たちはどのぐらいいるのでしょうか。しかし、途上国の方々の切実な声は、本当に胸にグサリと来ます。こうした国々の代表者の意見が聞けることだけでも、COP15はやはり意味があったのだと思います。

 以下ちょっと長めですが、悲鳴にも似た、各国の声明をお読み下さい。(これでも一部の抜粋です)
イギリス「環境に関する最も大きな国際会議で、最も高い目標を掲げるために来ました。富める者と貧しい者が戦うのではなく、協調するのです。科学はごまかせません。極端な気候は、新たな貧者を生みます」

ガボン「産業革命の始まりには、この工 業化の道が、こんな未来を用意しているとは誰も想像できませんでした。人類全体の野心的な決断のときです。人類の 5/6 以上が気候変動による被害に苦しんでいます。人間的でない生活を暮らさなければならないような状況を回避したい」

ガボン「わが国のような国がコミットし ているのに、他の国がコミットできないなどということは理解に苦しみます。コストがかかる?今、対策しなければ、20年後には、もっと大きなコストがかか るのですよ。気候変動は、オプションではありません。立ち向かわなければならない」

キリバチ「我々を襲う脅威の真の意味を考えてください。 消極的な意見を聞くこともあります。しかし、この2日間での我々の行動がすべてを決めます。生存のために決断しましょう。気候変動の科学は明確です。時間は残されていません。今、行動しなければなりません」

モンゴル「海面レベル上昇、気候変動の様々な例が起きています。四季が分からなくなってきています。気候変動は、生活様式を変え、自然との調和を乱しています。気候変動は、気候による虐殺になろうとしています。この問題を友に解決したい」

ナミビア「洪水が毎年起きています。インフラストラクチャの整備が必要とされています。国際的な協調パートナーによる確約された資金援助と技術支援を欲しています。災害により貧者が生まれるのを阻止するブログラムの実行が必要です」

モーリシャス「気候変動は、ほぼ富める国により生み出され、ほぼ、貧しい国を襲っています。イギリス首相の資金援助の提案を歓迎します。しかしその少なくとも 10% は小さな島々のために使ってください。火星探査機の映像を見ましたか?地球と火星を比べてください」

モーリシャス「火星は、荒れた砂漠の星だ。だが、火星にも水があったと言われています。だから、火星は、私たちの未来なのかも知れませんよ。再生可能エネルギーに向かいましょう。化石燃料に代わる燃料を我々は作れるかも知れない。それには技術が必要です」

モーリシャス「わが国に、自然資源のない、国民だけが資源の、小さな、わが国に、化石燃料への依存をやめられるなら、他の国にできないわけがない。将来の人類の文明を、リエンジニアリングしましょう」

ボリビア「地球がなければ、人類は生きられません。母なる地球を守らなければ、人類は守れないのですよ。地球は母です。聖なる存在です。売り飛ばすことはできない。西側の世界とは大きな違いがあります。資本主義から、母なる地球を解放しましょう」

ボリビア「母なる地球の権利を守り、母への負債を返さなければならない。母なる地球の権利を認識しないのであれば、我々全員が罪を犯すことになる。工業国が温室効果ガスで占拠した空間を戻さなければならない。途上国には、その空間が必要なのです」

ボリビア「人類の、半分ではなく、全員 を救う必要があります。生き方に大きな違いがあるから、ここでは合意が得られないという話を聞いた。アメリカと自由貿易の条約を結んだが、自由貿易ではな い。自由植民化だ。資本主義を倒すことでしか合意はない。首長ではなく人々の声を聴け

イラン「資本主義と自由経済。それを支えるエネルギー資源の独占は戦争の原因です。アメリカは、世界の人口の 5% しか占めていないのに莫大なエネルギーを使っている。先進国が 85% のエネルギーを使っており、それが環境問題を生んでいる」

イラン「このまま続ければ、人類が地球上から消えるのは目に見えています。人道主義に戻りましょう。神は差別を許しません。我々にはチャンスがあります。森林を、水を、他の資源を持続可能に使いましょう。世界によりよい環境を。幸福と福祉のための WG を作りましょう」

イラン「人間の尊厳に基づいた新しい経済を定義しましょう。アフガニスタンで、イラクで、莫大なドルが戦争のために使われています。それよりずっと少ない資金で、環境問題に取り組むための新しい技術を開発できるのではないですか」

ブラジル「温暖化への対策は、集合的な活動でなければなりません。50% の削減を 2050年までに。ここコペンハーゲンには、より野心的なターゲットを狙う必要があります。この会議はゲームではありません。カードを隠すゲームではない」

ブラジル「途上国も緩和のための努力を払わなければなりません。エネルギー生産方法の転換をわが国も図ります。駆け引きをするために言っているのではない。私たちのコミットメントなのです。適応は、アンフェアなことに、特に小さな島々にとって、大きなチャレンジです。」

フランス「科学者は、我々に、何をすべきかを教えました。そして、我々が、それができる最後の世代だということも。失敗は許されません。これは温暖化のシンポジウムではありません。我々は、ここに、決断を下しに来たのでしょう。真摯に交渉しましょう」

セントキッツ・ネイビス「わが国は世界で最も小さな国のひとつです。温室効果ガスの過剰な排出により、国々の国土が消えようとしています。温暖化がわが国のような小国に与える経済的影響は破壊的です。公正に、技術的支援を要請します。法的に拘束力のある合意を」

ガーナ「気候変動が脅威であるか、議論をしにここに来ているのではありません。もはやそれは事実です。政治リーダーとして、その状況下で、今、生きている世代、そして次の世代が、生き続けられる世界を作るための選択をしに来ているのです。この惑星に予備はありません」

パプアニューギニア「広大な自然が維持されるなら、我々の文明は1,000年も持続して行けるでしょう。しかし、今は次の世代にさえ大きな脅威があります。国際的な努力。REDD+ が必要です」

キューバ「ベネズエラとボリビアの大統領が、気候変動の真の原因と、その対策について述べました。1992年、リオデジャネイロでの会議でカストロは言いました。生態系の破壊は過剰消費文化が原因であり、変化が必要である。それから20年、気温は上昇し続けています」

ガンビア「緩和と適応の目的で、特に貧しい国々、脆弱な国々、小さな島々がアクセスできやすい、確約された基金を。海面上昇により我々の首都は沈むと予測されています。生存の危機が我々にもあります。明日、平等で包括的な、資金の約束を含む条約に締結しましょう」

リベリア「わが国は小さな国です。気候変動にはほとんど何の影響も与えていませんが、破壊的事象により大きな打撃を受けています。海面の上昇が、我々が利用できる水資源を減らしていますし、領土が少なくなっています。無くなる土地には 50% の人民が住んでいます」

スイス「同じことを何度、言うのでしょうか。今が発言ではなく行動の時であることを、みなが合意しています。しかし、我々は発言を続けています。ここは国連なのか、それとも語り場ですか。存在意義の質問です。食料と水、戦争と平和、生と死に係わる問いです」

ジャマイカ「コペンハーゲンを歴史的なターニングポイントにするために来ました。国家には多様な問題があることを理解しています。しかし気候変動は、国境を気にはしませんし、経済状況も気にしません。無関係に無差別に破壊的な影響を与えます」

エクアドル「途上国は、受動的喫煙者のようなもので、他者の行為によって被害を受けています。先進国には、歴史的な環境的な負債があるのです。平等をもたらす判断をしましょう。1.5℃以下の上昇に抑えましょう」

ニカラグア「強欲に基づく消費活動を助長する資本主義が過剰な温室効果ガスのの排出の原因です。元々政治・経済的な問題なのです。現在の取り組みは、炭素バブルを作り出し、利益を出すかも知れませんが、ちっとも地球のためにはなりません」

パキスタン「これだけのリーダたちが集まり、合意もなしにコペンハーゲンを去ったとしたら、なんと落胆すべきことでしょう。世界はそんなことは望んでいないはずです。気候変動は生存の危機であり、わが国でも第一の問題です。食料の問題があります」

レソト「わが国の食料とエネルギーの生産性が落ちています。利用できる水も少なくなってきている。植林を続けています。大規模な対応には資金と能力育成が必要です。京都議定書の維持が必要です。COP15は貧困対策と持続的開発に向けた公平な結論を出さなければならない」

ナイジェリア「この会議は失敗するには大きくなり過ぎました。過去200年間の人類の開発の歴史を問い直すときです。汚染する者は支払わなければならない。すべての国がそれぞれの責任を負います。大きな外的干渉がなければ、アフリカの飢餓と貧困は永遠に続きます」

デンマーク「化石燃料からの 100% の離脱を宣言します。それはロケット科学を必要とするような難しいことではありません。来年、その方法を発表しますが、政治的な決定はすでに下されています。デンマーク国民にとって、この夜は、記憶に残るでしょう」

ブータン「わが国の自然を保つために、大規模な観光や農業における化学物質の利用を避けてきました。そのために経済的な機会が失われてきました。この世代は、後に続く世代のための決断を行う責任を持っています」 (輻輳ひどいです)

ベルギー「科学者は警告しています。我々の文明もまた、命に限りがあることを。現実の世界は有限です。単一の法的な道具をもって、長期的な環境的な適応を、2050年までに少なくとも 50% の排出削減を」

パナマ「過去数日間、非常に重要な気候 変動の問題について議論してきました。次の世代が、なんと素晴らしい判断をしたのだろうとこの会議を振り返るようになることを望みます。生態系が破壊され ています。キャンペーンではありません。本当の脅威です。過去10年間が最悪なのです」

イエメン「気候変動は、もはや予測では ありません。現実です。強烈なサイクロン、雨、途上国の方が、資源と能力の不足により、大きな影響を受けます。洪水が、人々の家を、学校を失わせました。 山の多い土地ですが、これほどの洪水は経験したことがありません。同時に干ばつも」

キルギス「率直に申し上げましょう。この惑星の未来を決める会議が今、行われているのです。気温が上昇し、氷河が溶けています。利用できる水資源が減っています。長年、交渉してきました。ネパール政府とも一緒にです。能力開発、適応と緩和、技術移転が必要です」

そして最後に、Saitoさんご自身が選んだベストの声明2つを。
私が選ぶベスト声明2位: モルディブ「私にはふたりの娘がいます。私は、孫を見たい。見られなくなるかも知れないのですよ。これは、お金の問題ではない。お金の問題だと思うのは思い上がりもはなはだしい」

私が選ぶベスト声明1位: パプアニューギニア「温暖化の影響を反転するために、森林の価値を高めましょう。Google は今、大きな価値があるようですが、明日、消えたところで、人類のほとんどは気づきもしません。森林は違います」
 Saitoさん、中継、本当にありがとうございました。そして、お疲れ様でした!

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posted by あだなお。 at 02:43| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 心に響く言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月18日

カッコイイ言葉

 一昨日のエントリー(「新政権発足の日」参照)で、鳩山政権が発足初日にして公約を反古か?という重大な危機に直面していることを書きましたが、今日、それが岡田外相の「記者会見は全メディアに開放」との発表で見事に解決されました。
出典:「記者会見を原則開放 岡田外相、全メディアに」(共同通信、2009年9月18日)

 その他にも、岡田外相は日米核密約の調査も命令するなど、次々に核心を突いた発言をしています。
 さらに、今後の課題として「在日米軍再編、アフガニスタンやパキスタン支援、地球温暖化に当面力点を置く」と明言するなど、今後の展開に期待してしまいます。
出典:「【新政権発足】岡田外相 北朝鮮に拉致再調査を要求へ 核密約も徹底糾明」(MSN産経ニュース、2009年9月17日)

 最近もう一つすごいと思ったのは、上関原発で揺れる山口県熊毛郡上関町の祝島の漁師の方々の発言です。
祝島の漁師さんは10億円を超えると言われる漁業補償金のすべてを拒否し「海は絶対に売らん!」と訴え続けています。
「海さえあれば生きていける、子や孫のためにこの海は守り続ける。」
祝島のお父さん、お母さんは原発建設が浮上した27年前からそう言い続けてきました。
出典:「【緊急!】シーカヤッカーからの呼びかけ」(RadioActive、2009年9月17日)

 「海さえあれば生きていける」、なんと力強い言葉でしょう。豊かな海の恵みを実感として知っている漁師さんならではの、魂の籠もった言葉です。「瀬戸内最後の楽園」とも形容されるこの地が埋め立てられ原発が建設されれば、「放射性物質と化学薬品を含んだ7度高い温排水が毎秒190t流れ出し、この希少な生物多様性は回復出来ないまでに消滅する、と多くの学者も警告」(同上)しているとのこと。まさに日本の生物多様性の危機です。

 民主党政権になったことで、中央の仕組みは次々に変わろうとしています。そうした変化が早く日本の隅々に行き渡り、人々の生活や生きものの視点がきちんと反映された政治と行政に変わることを願っています。

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2009年07月26日

聖なる委託

 久しぶりにゆっくりした週末。環境系のサイトなどをまとめてネット・サーフィン(死語ですか?(^^;))。green.tvの番組もいろいろと見ているうちに、あるコンテンツのエンドタイトルでいい言葉に出会いました。
この地上に人間として生まれることは、聖なる委託なのです。
私たちは聖なる責任をになっています。
それは、私たちが特別な贈り物を受け取ったからであり、その贈り物は、植物の生命が受け取った贈り物よりも、魚たちや森や鳥たちや、そのほか地上に生きる全ての生き物が受け取った贈り物よりも、素晴らしいものだったからです。
私たちは、だから全ての生き物たちの世話をすることが出来るのです。

オノンダーガ族

 またまたそれをネットで調べたら、「それでもあなたの道を行け―インディアンが語るナチュラル・ウィズダム」という本で紹介されている言葉のようです。

 インディアンの言葉には、深く、味わいがあるものが多いですね。こういう言葉をゆっくりと噛みしめる。そういう余裕がある週末というのもいいものです。

 で、早速ネットでこの本を注文しました。うーん、なんか網に搦め捕られています(^^;)。なんとも浅い...

《参考サイト》
■「インディアンの言葉
■「ネイティブアメリカンの誌」(興味あることを語りたい)

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2009年01月06日

意志の力で楽観主義者

 アフォリズムと言えるような言葉に出会ったら、記録することにしています。簡潔な表現で、私たちに生き方の知恵や人生の真実をうまく、印象強く教えてくれる金言のことです。

 このところ景気の悪化が社会全体に暗い蔭を投げかけていますが、そういう雰囲気のときにこそ、こうした言葉が私たちを勇気づけてくれます。

 最近、ことある度に思い出すのはこんな言葉です。
「(自分は)知性の故に悲観主義者だけれども、意志の力で楽観主義者でもある」
 イタリアのマルクス主義思想家、アントニオ・グラムシの言葉だそうです。緑の地球ネットワーク事務局長の高見邦雄さんに、メルマガの中で教えていただきました。

 「どんなときにも希望を失わずに」とか、「冬来たりなば春遠からじ」でもいいのかもしれませんが、グラムシの言葉の方が自分自身に気合いが入ります。よし、ここは一つ頑張らなくては、という気になりませんか?

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2008年12月07日

大きな違い

 昨日のエントリーでは、「未来を写した子どもたち」をご紹介して、私たちがすべての子どもの運命を変えることはできないけれど、何かは、誰か一人の環境は変えられるかもしれないということを書きました。

 今日、しばらく前に「ゴールがあるから逆算できる」でご紹介した品川女子学院の漆 紫穂子校長の連載を読んでいたら、これに関連する実にうまい喩えが引用されており、思わず唸りました。
 こんなたとえ話を聞いたことがあります。

 「台風の通り過ぎた海岸に何千、何万というヒトデが打ち上げられていた。小さな子どもが、今にも干上がって死にそうになっているヒトデを1つずつ海に戻しているのを見て、通りかかった人が『ぼうや、ヒトデはこんなにたくさんいるんだから、そんなことをしても無駄だよ』と言った。すると、その子は1 匹のヒトデを海に投げながらこう答えた。『でも、このヒトデにとっては大きな違いがあるでしょ』」
出典:「一人ひとりが輝く場をつくる。各自が持ち味を生かせば、チームの力は倍増します」(日経ビジネスオンライン)

 そうなんですよね。自分から見れば多くの子どもたち、多くのヒトデであっても、その一人ひとりの子どもや、一つひとつのヒトデから見れば、それはたった一回きりの人生(ヒトデ生?)の運命の分かれ道かもしれないのです。

 考えてみれば、実は私たちは毎日のようにそういう場面に接しているかもしれません。そのときに、僕は本当にその一人ひとりの立場に立って考えられているか... なかなか難しいですね。

 そんなことを考えていたら、この前中国で話を聞いた女性の総経理(日本で言えば社長です)の方の言葉を思い出しました。彼女は、数百人いる従業員の悩みを、仕事に関わるものでも、プライベートのことでも、なんでもケータイメールや電話で相談にのるのだそうです。同じような相談も多いし、とにかく数が多くて大変なそうですが、それでも「それぞれの悩みは、本人にとっては重大なこと。だから、一つひとつ真剣に向き合いたい」と笑っていました。

 社会を持続可能にすることは、社会全体に大きな違いをもたらすことです。だからこそ、それを目指す意味があるのだと思います。その一方で、一人ひとりのとって大きな違いをもたらすこと、それもやはり同じように意味があることなのだなと思います。そしておそらく、一人ひとりの大きな違いの積み重ねが、社会全体に大きな違いをもたらすことにもつながるのでしょう。

 マクロの目とミクロの目、その両方から大きな違いを目指したいと思います。Make a difference.
 
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2008年11月25日

食べられない

 先週の土曜日は、AFCSRのエクスカーションが午前中で終わったので、すっぽりとあいた午後、シンガポール動物園に行ってみました。

 シンガポール動物園と言えばナイトサファリが有名ですよね。それは以前に訪問したことがあったのですが、それでは昼の動物園はどうなんだろうと思ったのです。

 赤道間近の熱帯にある動物園だけあって、もともと多くの野生動物たちにとっては過ごしやすい気候だと思うのですが、それ以上に様々な工夫がしてあり、動物たちは実に生き生きとしています。

 夜行性の動物たちが活動している様子を見られるというのがナイトサファリのウリなのですが、なかなかどうして、昼間の動物園でも動物たちがかなり自然に活動している様子を見ることができます。

 それを見る人間も、もともと生育している環境に近い風景に動物たちがいるので、安心して楽しむことができるのです。

 それ以外にも教育的な配慮が随所にこらされおり、なかなか良くできた動物園です。(日本語の公式ページが用意されているのも心憎いですよね。→「シンガポール動物園」)

 たとえば「壊れやすい森(Fragile Forest)」と題された熱帯林の展示では、単にそこに生息する動物を集めて展示するだけでなく、今それがどのような危機にあるかをわかりやすく説明し、また私たちが熱帯林から得ている様々な恵みも示すなど、立体的なものになっています。

 そうした中にいくつか警句も示されているのですが、そこに僕の好きなアメリカ・インディアンの有名な言葉を見つけました。
Only after the last tree has been cut down
Only after the last river has been poisoned
Only after the last fish has been caught
Only then will you find that money
cannot be eaten

   An old Cree Indian saying

 簡単に訳してみると、こんな感じになるかと思います。
最後の樹が切り倒されてはじめて
最後の川が汚染されてはじめて
最後の魚が獲られてはじめて
そのときやっとあなたは気付くだろう
お金は食べることができないことに。

  インディアン、クリー族の古いことわざ


 もっとも大切なのは何かを、私たちに気付かせてくれる言葉です。

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2008年11月24日

ゴールがあるから逆算できる

 ふだん滅多にテレビは見ないのですが、インターネットのサイトで今日の「カンブリア宮殿」のゲストは品川女子学院校長の漆紫穂子(うるし・しほこ)さんであることを知りました。これは見るしかありません。

 というのも、僕は最近、日経ビジネスオンラインの「品川女子学院・漆 紫穂子校長のやる気を高め、人を育てるマル秘メソッド」という連載を毎回楽しみにしていて、この学校と校長先生がとても気になっていたのです。

 「やる気のスイッチを入れる極意!教えます。」というタイトルの通り、いかに生徒たちのやる気を出させるか、そのために様々な工夫をしています。

 漆校長が「心のスイッチを入れる」ことにこだわるのは、生徒のやる気がないとしたら、それは単にスイッチがオフになっているからと考えるからです。

 しかしだからと言って、人の行動を変えようとうするのはおこがましいこと。だから、「スイッチが入るように環境を整える」のだそうです。

 そのための代表的なプロジェクトが、「28プロジェクト」。「28歳になったときに、社会で活躍している女性を育てる」ためのプロジェクトです。その目標を目指して、そこから「逆算した」カリキュラムや活動を行っているのです。

 これって、まさにバックキャスティングです。中学生や高校生から見たら、28歳というのはおそらくかなり遠い未来でしょう。しかし、その未来の目標をしっかりと見据えて、自分も、先生たちも行動するのですから、そんな学校がおもしろくないわけがありません。自分がいま何のために勉強をしているのか。自分の目標を達成するためには何をしたらいいのか。それがきちんと腑に落ちて勉強し、行動する毎日のことが、身に付かないわけがありません。

 実際、画面に登場する生徒たちは、みんな目が輝き、実に生き生きとしていて、そして発言もしっかりしています。様々なプロジェクトも自分たちで責任を持ってやり通していますし、大人も彼女たちを子ども扱いはしていません。

 こうした活動で、品川女子学院はわずか7年で偏差値が20ポイント以上(!)アップ、入学希望者も60倍(!)になったといいます。しかし、本当の結果が出るのはこれからでしょう。このやり方で学んだ女性たちが28歳になったとき、さらにそれからまた何年か経ったとき、必ずや何人もの素晴らしい人材が育っているに違いありません。

 スイッチが入るための様々なしかけ作りをする漆校長は本当にスゴイ教育者だと思いますが、その最大のしかけはゴールを設定していることのように思います。「ゴールがあるから逆算できる」、漆校長はそう表現していましたが、これは教育に限らず、あらゆることに応用できる真理ではないでしょうか。

 10年後、あるいは20年後に、どんな自分になっていたいのか。どんな社会で、どんな生活をしていたいのか。それを考えることから、持続可能な社会作りも始まります。

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2008年06月13日

無視できない声

 「1人の声は無視されても、1万人の声は無視できません。

 しばらく前からサスラボにも設置している「『働く子どもに教育を』1万人署名」のバナー(右側をごらんください→)ですが、毎日見るたびに署名の数が増えていて、嬉しくなります。

 サスラボの読者の方でも、このバナーを見て、あるいはサスラボの記事を読んで、署名をしてくださった方がいらっしゃったら、ありがとうございますm(__)m

 それでも目標の1万人に比べると、残念ながらまだ署名の数はまだ1/5以下です。もし「今さら自分一人が署名したところで大勢に変化はない」と思っていらっしゃる方がいらしたら.... あるいは周囲の方がそういってなかなかご興味を示してくれないとしたら...  そんな方々はぜひ冒頭の言葉をもう一度読んでみてください。

 「1人の声は無視されても、1万人の声は無視できません。」

 それが私たちの署名が力を持つ理由です。もっと署名を集めたい理由です。
 
 この言葉を教えてくれたのは、mixiのSaveChildrenCommunityの副管理人さんでした。

 なるほどと納得してくだった方は、以下の署名へのご協力をご検討いただけると嬉しく思います。

1. 貧困をなくすためのSign Upキャンペーンの署名
 PCサイト
 携帯サイト
 もっと詳しく知りたい方

2. エイズ孤児キャンペーンの署名
 PCサイト
 携帯サイト
 もっと詳しく知りたい方

3. 児童労働キャンペーンの署名
 PCサイト 
 携帯サイト 
 もっと詳しく知りたい方 

 また、「『ってゆうか、署名で子どもが助かるんですか??はい!助かります!キャンペーン』のご案内」という文章も、署名がなぜ子どもたちを助けることになるのかを、また問題の背景をわかりやすく説明しています。mixiのアカウントをお持ちの方しかご覧いただけないのが残念なのですが...


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2008年04月28日

大乗仏教の地にて

 飛行機が大きく揺れると、窓からは真っ白な山々が見えました。その後は順調に高度を下げ、山の斜面スレスレのところを飛び、間もなく細い谷間のような地形の場所にある空港に着陸。ブータンの玄関、パロ空港です。

 ブータンの伝統的な建築様式にならった空港ビルの中に入ると、係の方々は皆、民族衣装をまとっています。これまでに訪れたどの国とも異なる、独特の雰囲気です。

 透き通るような水の流れる谷沿いの国道はつい最近2車線化したばかりで、いえ、正確に言うとまだ90%程度しか完成していないのですが、首都のティンプーまでは2時間弱の快適なドライブでした。

 車の数が多いのには少し驚きましたが、それ以外はいたって伝統的な生活や景色が残っているようです。(あ、ケータイも使っている人もいるし、ホテルからはインターネットもつながりました!)

 午後にティンプー市内を少し見学したのですが、お坊さんになるための学校も見せていただきました。まだ7,8歳程度の幼い男の子たちが、うす暗い簡素な教室に集まり、熱心にお経を読んでいます。こうやって一つひとつお経を覚え、一人前のお坊さんになるための訓練をするのだそうです。

 もちろんブータンのほとんどの子どもたちは、普通の小学校や中学校に通います。しかし子どもを学校にやれないほうど家が貧しかったり、親が亡くなってしまったり、身寄りがなかったり、主にそういう子どもたちがお坊さんになるための学校に通い、将来はお坊さんになるのだそうです。

 言ってみれば、この学校が孤児院のような役割を果たしているわけですね。子どもたちは仏の道を勉強し、家と住む場所、そして将来の仕事が約束されるのです。

 というのも、お坊さんになれば、その生活がすべて国が面倒を見てくれるということです。だから、この国では托鉢は禁止されています。そもそもする必要もないでしょう。王宮には数百人もの僧侶がいて、毎日ひたすら勉強を続けたり、お祈りをします。政教は分離しているそうなのですが、それでも僧侶は皆の幸せを祈り、そういう僧侶を、国が支えているのです。

 「儀式のときはともかく、普段は毎日何をお祈りするのですか? 国の安泰ですか?」 信心のない僕は思わずそんな質問をしてしまいましたが、案内してくれた方はこう教えてくれました。

 「何をお祈りしても、必ず皆が幸せになることをお祈りするのです。他人も幸せにならなければ、自分も幸せになれない。そのことを知っているので、自分だけが幸せになることを祈ったり、願ったりすることは、意味がないのです。お坊さんたちは皆、そのことをご存じです。」

 自分だけが幸せになることはあり得ず、他の人、他の生きものすべてが幸せになって初めて自分も幸せになれる。だから、まず他人の幸せを祈る。これが大乗仏教の教えです。そしてここは、その大乗仏教の地なのですね(*1)。こうしたことを含め、今日一日だけでも仏教が生活の中に生きていることを何度も感じました。もっと言えば、仏教を中心に社会が廻っているようにさえ思いました。

 お坊さんの学校の隣には、17世紀に建てられたという古刹があります。小高い丘の上にあるお寺は、真っ青な空の中にそびえ立っているようにも見えました。風が吹くたびになる鐘の音が、まるで天からのメッセージであるかのように聞こえました。

 「ここはたしかに天とつながっている。」 そう信じさせる空気が、ここには存在しています。この空気、この信仰心の厚さが、ブータンをブータンたらしめている秘密のような気がします。

(*1)ちなみにブータンと並んで大乗仏教が現存するもう一つの国は... 日本なのだそうです。信じられます?(^^;)

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2008年03月11日

やめさせないのが教育

 環境問題を解決するには子どもの頃からの環境教育が重要、などとよく言います。たしかにみんなが子どもの頃から環境についてきちんと配慮するような習慣が出来ていれば、環境問題も今ほど深刻にはならなかったでしょう。

 最近は環境にとどまらず、持続可能な開発のための教育(ESD:Education for Sustainable Development)も、教育における大きなテーマとしてさまざまなところで議論されたり、実践が進められているようです。

 僕自身は、環境や持続可能性に関して次世代に伝えたい伝えたい知恵、つまりコンテンツを蓄積していくことについては貢献したいと思いますが、教育そのもの、特に子どもに対する教育についてはまったく自信がありません(^^;)。

 教育は単なる知識の伝授ではなくもっと全人格的なものだと思うので、ズボラな自分にはとても務まらないことがよくわかるのです(^^;) 粘り強くつきあうというのも、難しそうです(^^;) もしかしたら反面教師にであればなれるのかもしれませんが(笑)、それは学ぶ方に判断力を求めますので、万人向けとは言えません。

 そんなことがあって、教育が非常に重要な仕事だとは思いながらも、また環境や持続可能性においても有用な手段であるとは思いながらも、距離を置いています。

 でも、やっぱり教育ってすごいなぁと心底思う瞬間もあります。つい先日もビデオを見ていてそう感じることがありました。

 居酒屋チェーンのワタミを経営する、渡邊美樹氏の名前をご存じの方も多いと思います。最近は介護ビジネスへの展開などでも注目を浴びていますが、実は渡邊社長がもっとも興味があることは教育なのだそうです。

 スクール・エイド・ジャパンというNPOを作って、カンボジアなどの途上国で学校教育の充実をはかる活動などもしています。頭が下がります。

 そして、しばらく前からは日本国内での学校教育にも参画しており、郁文館夢学園の理事長をしていらっしゃいます。

 その話をしているビデオを見たのですが、これが凄かった... 理事長になった当時、生徒の半分が遅刻をしていのだそうです。渡邊社長、いや理事長は、まずこれを直すことから始めました。

 やり方は簡単。「遅刻はするな。したら、反省文をA4で10ページ書かせる。」のだそうです。二回目に遅刻したときには、片親を呼び出し。三回目は両親を呼び出しだそうです。お父さんもたまったもんではありませんが、さすがにこれをやると遅刻する生徒はいなくなるそうです。

 時間を守るという、社会人になったらもっとも役立つ習慣を学校できちんと身に付けさせるのですから、なかなか良い教育です。

 しかし、僕が感動したのはこのことではありません。このぐらいであれば、ただの強権的な管理教育でもするかもしれません。渡邊理事長が圧倒的にすごいのは、生徒をやめさせないことです。

 「私は生徒を絶対にやめさせない。タバコを吸おうが、万引きしようが絶対にやめさせない。何か悪いことをしたらすぐに放り出すのではなく、直すのが教育。」(表現はうろ覚えです...(^^;))

 うーん、なかなか言えないですよね。もちろん言うだけでなくしているのだから、もっとスゴイ。僕はますます自分が教育とは縁が通いと思ってしまいます(^^;)

 何が一番大切なのか? その大切だと思ったことに徹底的いコミットする。その姿そのものが、何よりの教育になりますね。

 ということで、僕自身は教育者にはまったくほど遠い人間だと思いますが、自分が大切だと思うことは続けていきたいと思います。

 渡邊社長の夢は、「地球上にひとつの世界共通教科書」を作ることだそうです。世界のどの文化圏においても共通で正しいといえる価値を見つけ、共有することから相互理解を始めようというのです。

「地球上の人がみんな、これだけは大切にしていこうね」という知恵が詰まった教科書。教育者にはなれなくても、その教科書に盛り込むべき知恵の一つか二つは、提供できるようになりたい思います。
《参考リンク》
■「地球上にひとつの世界共通教科書をつくりたい」(プレジデントビジョン)

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2008年03月04日

リサイクルが美しい

 日本などの先進工業国には、これまで使ってきた多くの鉱物資源が溜め込まれています。それはゴミに見えるかもしれないけれど、実は天然の鉱脈よりもはるかに含有量が高いのです。そんな都市鉱山の話は、これまでも「宝の山を発見!」などでご紹介しました。

 だとすれば、そうやって都市に溜め込まれた資源をリサイクルして、バージン素材はまったく使わずに新しい製品を作ることはできないのか?

 そんなアイディアから作られたノキアの携帯電話はその名も"remade"です。
Remade.jpg出典:"remade"(NOKIA)

 金属は回収されたアルミ缶を使用、リサイクルしたプラスチックボトルでシャーシを作り、タッチパネルは古タイヤから作られたゴム製。有害化学物質を含む電子部品は含まず、けれど高性能。画面も省エネ設計で、充電器はゴミにならない設計。

 そして何より、以下のリンクからビデオをご覧ください。しびれる美しさです。
remade video clip(NOKIA)

 リサイクルすることをカッコいいと思わせるという作戦もあるのでしょうが、リサイクルしたものが美しければ、説明はいらないのです。

 ただ、一つ残念なのはこれはまだプロトタイプで、実際には発売されていないということ。

 しかし、ノキアは将来は実際にこうした手法を使って、携帯電話を作りたいといいます。人々がより持続可能な選択肢を持つための手助けをしたいというのです。

 ビデオクリックの最後に現れるメッセージが、ノキアの社会的責任に対する覚悟を感じさせます。

 small actions x big numbers = change the world

 一つひとつの取り組みは小さくても、大量の消費財を扱う企業。その影響が、世界を変えていくのです。

《参考リンク》
■"remade cocept"(NOKIA)

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2008年01月03日

年始の言葉

カンボジアからタイに移動し、ネットが自由に使えるようになったので、メールやブログ、SNSなどで、友人知人の新年の挨拶や抱負を見て回りました。どれもが、皆さんお一人ひとりの決意に満ち溢れていて、そのエネルギーが伝わってきます。新年の挨拶って、いいものですねぇ。

その中でも、特になるほどなぁと思ったものを勝手にご紹介しちゃいたいと思います(笑)

Sさん
考えて見れば、戦争にしても、地球環境の破壊も、そして格差拡大も、本当は回避できた筈のものであるのに、一部の者達の利益のために、むざむざもたらされたものであります。

 うーん、まさにその通りですね。しかし、だったらその進行を回避することも「可能」なはずです。僕たちはそれを回避するために頑張りたいですね。 良くするのも、悪くするのも、結局は人間の意志と行動なのですから。


Mさん
「真っ暗な夜の闇なかを歩みとおすとき
助けになるものは
橋でもなく
翼でもなく
友の足音」
ーーワルター・ベンヤミン(ヘルベルト・ベルモーレ宛書簡、1916 年末)

よりアクティブな明年へ。
それぞれの歩みを。

 私たちの目の前には難問は山積みになっています。持続可能性どころか、どんどん持続不可能性が顕在化してきていると言ってもいい状況です。しかし同時に、一つひとつの課題に果敢に挑戦し、新しいやり方を試し、着実な成果を挙げている方々も増えているのです。

 そして、サスラボの記事を読みに来てくださる皆さんもまた、持続可能な社会を作ろうと考え、行動する友です。皆さんが記事を読んでくださって、フィードバックをくださるからこそ、その足音を頼りに、サスラボも続けられるのです。

 もちろん、サスラボの微かな足音が、少しでも皆さんの助けになれば、こんなに嬉しいことはありません。お互いの足音を頼りに、暗闇の中を進んで行きましょう。

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2007年11月03日

「丁寧に生きる」

 最近ふと目にして、とてもドキッとした言葉があります。その言葉とは、「丁寧に生きる」です。

 「丁寧に生きる」とはどういうことか。人によっていろいろとイメージは違うと思うのですが、ゆっくりと時間をかけて食事をしたり(できればしっかり準備をして)、家族や友人とゆっくり話をしたり、じっくりとモノを考えたり、そしてしっかりと休んだり... おそらくそんなことを想像する方が多いのではないかと思います。

 明らかにこれは人生において大切なことですし、そういう生き方をしたいものだと思います。そしてこういう生き方は、環境への負荷も低く、持続可能なライフスタイルにも通じそうです。

 一方、我が身を振り返ってみれば、およそ「丁寧に生きる」とは似ても似つかぬ、いやまったく正反対の生き方をしていて、それでハッとしたわけです(^^;)

 もちろん、すぐにすべてを「丁寧に」とはいかないのでしょうけれど、いつも「丁寧に生きる」ということを意識していれば、少しは変わるかも知れませんね。何かを選ぶときにはいつも、「どちらの方がより丁寧な生き方か?」と自問してみればいいのです。

 そんなわけで、今日はいつもよりちょっとスローダウンしてみました。ちょうど仕事も一段落しつつあるので、今日はほとんど仕事らしいことはせずに過ごしました。(あ、でもいくつか締め切りもあるので、日曜日はまた少し仕事をせねば...(^^;))

 夕食もいつもりかなり早い時間に、古くからやっている洋食屋さんに出かけました。的矢カキが入荷しているということだったので、メインにはカキフライを注文しました。というか実は、今日はこれがお目当てだったのです(笑)

 いかにも丁寧に煮込まれたオニオングラタンスープを食べて待っていると、揚げたてのカキフライがやって来ました! 小ぶりながらも1ダースあるので、見た目もかなりのボリューム感です。そして何より、中味がたっぷり詰まったカキは、味も香りも充実していました。

 薄くてカリッとした衣は香ばしい香りはするのにまったくしつこさはなく、最初の数個は何も付けずにカキと衣の風味だけで楽しみました。そして今度は自家製のタルタルソースで味わい、最後の何個かはウスターソースで。

 おいしかったですね、今こうやって文章にしているとまた涎が出てきます(笑) シンプルな料理なのに、きちんとした材料を使って、丁寧に作られていると、その滋味が身体に染み渡るようです。

 もちろんこのお店はなんでも丁寧に作っています。食後には自家製のババロアと、ちょっと濃いめで熱々のコーヒー。両方ともちょっと昔風なのですが、それがまたいいのです。これでこそ、丁寧な食事です。

 それでふと思ったのですが、もしかしたらちょっと前の方が僕たちはおいしいものを食べていたのかもしれませんね。特別に珍しかったり、凝っていたりするわけではないけれど、旬のものをシンプルに、けれど丁寧に準備して、ゆっくりと食べる。残念ながら、今はそんな当り前のことが難しくなって来たように思います。

 便利で簡単、安くて、目新しい。たしかにそれは刺激的ではあるのだけれど、とても「丁寧」とは言えないし、だいたい味の深みが違います。

 ちょっと頑張れば自宅ではまだ再現できるかもしれませんが、外ではなかなか丁寧なお店には出会えませんよね。それでは商売にならなくなってしまたっということなのでしょうか。

 今日訪れたお店は、昔から通っている年配のお客様が多いようです。しばらく前に現役をリタイヤなさったような御夫妻が、いつもと変わらぬ味を確かめるように楽しむと「また、来ますね」と帰っていきます。それにお店の人は「いつもありがとうございます」と応える。それを聞いていると、僕もいつかそんな常連になりたいなと思いました。そしてもちろん、そのときまで、お店にも丁寧な仕事を続けていて欲しいと思います。

 おっと、いつの間にか食べ物の話で盛り上がってしまいましたが(^^;)、もちろん食べ物だけに限りません。自分が丁寧な生活を心掛けるだけでなく、丁寧な仕事をしている昔からのお店を応援して、丁寧に生きている人がもっと増える。そんな社会はきっと、持続可能なのではないかと思います。

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2007年10月13日

急ぐなら一人で

急ぐなら一人で行け。遠くに行くなら一緒に行け」とは、ノーベル平和賞の受賞が決まったアル・ゴア氏がインタビューで紹介したアフリカの格言です。

 なるほど、うまい格言だなと感心しました。ちょうど昨日も、さらに数日前にも、それぞれ別の環境関連の課題について、「団体を作っていても時間がかかるばかり。本気で動く気があるところからさっさと動かなければとても間に合わない」と話していたばかりだからです。

 なんでも周囲を見渡してからでないと行動できない。そんな日本的なやり方では、今のような変化の早い時代や、喫緊の課題に対しては、とても対応できません

 もちろん先頭を一人で進めば、抵抗も大きいでしょう。それでも、やるべきことはとっととやる。行動し、結果を出せば、評価は後からついて来るのです。そうすれば、遠くへ一緒に行く仲間も出て来るはずです。

 そして何より、これはゴア氏が自分の使命を認識しているからこそなのでしょう。そのことは、以下の発言からもわかります。
「我々が直面する挑戦について、世界の意識を高めるチャンスだ」と述べた。そのうえで「地球の非常事態であり、すぐに対応しなければならない」と訴えた。
出典:「「始まりにすぎない」 ゴア氏、きまじめに受賞の弁」(asahi.com,2007年10月13日)

 さらに、ゴア氏はこう続けたそうです。「私はまたすぐに仕事に取り組む。これは始まりにすぎない」。

 ゴア氏が次はどんな一手を打つのか楽しみですが、私たちも自分のなすべきことに取りかかろうじゃないですか。もちろん、今すぐに。

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2007年08月27日

まだチャンスはある

 去る7月7日に行われた「ライブ・アース」のためにマドンナが2年ぶりに緊急発表した新曲"Hey You"をご存じでしょうか? お恥ずかしながら僕はこれまで知らなくて、数日前にYouTubeに掲載されているのを教えてもらいました。



 ↑これがそのクリップなのですが、実に考えさせられる内容の映像になっています。私たちの社会の愚かしさが次々と映し出されます。世界のリーダーたちも登場し、ブッシュだけでなく、安倍さんの横顔も映し出されるのですが... 彼らにはまかしておいたのでは、とても解決はしそうにありません。

 もちろんマドンナもこうしたリーダーに期待しているわけではなさそうで、その代わりに私たち一人ひとりに"Hey You"と呼びかけます。「ねぇ、あなた。諦めることはないわよ。そんなに悪いわけじゃない。まだ私たちに勝算はあるのよ」と、アコースティックなサウンドと共にマドンナのメッセージがそのまま歌詞になっています。

 もし歌詞がよく理解できなかったとしても、ビデオを観るだけでも彼女のメッセージは伝わってきます。ぜひ一度ご覧下さい。お子さんのいらっしゃる方は、家族で一緒にご覧になることをお勧めします。

 ちなみにこの曲が発表された直後の一週間、100万回まで無料でダウンロードできたそうです。そして、その1回につき25セント、つまり総計25万ドル(約3000万円)をNGOのThe Alliance for Climate Protectionに寄付したのだとか。

 今はもう有料になっていますが、僕はマドンナに敬意を表し、iTunes Music Storeから購入しました。できればビデオつきでダウンロードしたかったところですが、曲だけでもいい感じです。

Madonna "Hey You" (Official Live Earth Video)(YouTube)


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2007年08月15日

インディアンの言葉

 昨日に続き、インディアンの方から聞いた話です。

 お話を聞いていて強く感じたのは、彼らが言葉の力をとても大切にしているということです。例えば、彼らは自分たちの言葉は人前では話しません。もしかしたらそれは、自分たちの言葉を使うことを禁じられていた辛い過去(それもつい最近までの過去ですが)の記憶と関係があるのかもしれません。

 しかし、その最大の理由は、言葉の意味をきちんと理解しない人の前で使うことにより、その言葉の意味が変質してしまうことを恐れているためだそうです。実際過去において、自分たちの言葉の意味が、白人たちによって別の意味、しかも良くない意味で使われるようになり、その結果、自分たちではもうその言葉は使わなくなってしまったという例もあるそうです。

 自分が発する言葉が持つ力を非常に意識しているようで、日本の言霊(ことだま)とも共通するところがあるようにも思いました。その力を信じるからこそ、安易に言葉を使うことはできないのでしょう。

 ですから、loveという言葉を、私たちは安易に使い過ぎていることも諌めていました。"I love you"というと同時に、"I love my car"とか、"I love this dish(この料理が好き)"ということにも同じように使っているうちに、何がloveなのか、その意味が曖昧になってしまうのではないかというのです。

 その結果、私たちがloveと言っていることの多くは、本当はloveなのではなくて、needなのだけではないかとも... 口では「愛している」と言っていても、実際には「必要としている」だけのことが多いとの指摘には、ハッとさせられませんか? 安易に言葉を使うことが、本質をすり違えてしまっているのに、私たちはそのことにすら気付いていないのです。

 ちなみにインディアンの、正確に言えばラコタ族の言葉には「愛している」という言葉はないそうです。それは言葉で語らなくても、行動でわかるからだそうです。

 深く内省し、ものごとの本質を考えること。言葉よりも、行動が重要であること。インディアンの言葉は、いろいろなことを教えてくれます。

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2007年06月28日

帰るところはここだけ

 月曜日に日本科学未来館で開催されたシンポジウム(「企業活動と生物多様性」参照)に参加したのですが、その際に館長の毛利衛さんが特別メッセージとしてお話しをしてくださいました。

 一番印象に残ったのは、毛利さんがスペースシャトルの中から撮影したハイビジョン画像です。目の前のスクリーンいっぱいにその画像が映し出されると、まるで自分が宇宙船に乗っているような錯覚を覚えました。そのぐらい鮮やかな映像でした。宇宙から撮った地球の写真も美しいのですが、映像にはそれをさらに超えたリアリティがありました。

 毛利さんはしみじみとこんなようなことをおっしゃっていました。「宇宙空間にいるとなんとも心細い。自分たちが帰るところは、目の前に浮かぶ地球しかないとつくづく思った。」

theearth.jpg
出典:NASA公式ページ

 僕たちが暮らしていくところは、やはりこの惑星しかないのですよね。それを実際に経験して体験したら... すごいことでしょうね。だいぶ昔に読んだ、立花隆さんの「宇宙からの帰還」という本のことを思い出しました。宇宙飛行士の多くが、その後の人生を大きく変えるような精神的に深い体験をするそうです。実際に地球に戻ってから、仕事を変えた人も多いそうです。

 その経験を通じて、毛利さんは何を感じ、どう変わったのでしょうか? 気になります。

 それにしても、白い雲に覆われ、青い海が光る地球は、とても美しく、幻想的に見えました。それなのに、宇宙からずっと地球を撮ってきたNASAのカメラマンは、毛利さんにこう言ったそうです。「この星はもう助からない。海もどんどん汚くなっている。」 信じたくない言葉ですが、ずっと見てきた人の目にはそう映るのかもしれません。

 それでも毛利さんはこう思ったそうです。「宇宙から見る東京湾はなんてきれいなんだろう。」世界中の大都市に面した海が汚染されているのに、東京湾は今や綺麗な青色をしているのだそうです。もちろん10年、20年前はもっと汚かったはずです。汚したのも人間だけれど、その人間の手でもう一度きれいにすることもできるのです。

 なので毛利さんは、「まだ間に合う。東京湾をきれいにできたのだから、他の場所だって復活させることができるのです。」と話を結びました。

 どんなことでも、もうダメだと思ったら、その瞬間に本当にダメになってしまいます。まだ大丈夫と、最後の最後まで諦めないこと。それが成功するための秘訣です。だから僕も、毛利さんの言葉を信じます。そして何より、僕たちが戻る場所は、この惑星しかないのです。最善を尽くすしかないではありませんか。

 もし自分で宇宙から地球を見ることができたら、そのときどんなことを感じるのでしょうか。見てみたい気持ちもありますが、地球から離れる心細さに耐えられるのかという気もします(^^;) だから僕は宇宙から地球を見た写真を眺めながら、美しい地球の姿を想像しながら、地球が本来の美しさを取り戻すような仕事をしていきたいと思います。その方が、実際に宇宙旅行をするよりも環境負荷も低いですしね(笑)
 
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2007年06月24日

30秒で世界を変える言葉たち

 6月22日の夏至に日本全国で3000万部配られた豪快な号外、「30秒で世界を変えちゃう新聞」はお読みになりましたか? もしまだ読んでいなかったら、「豪快な号外をダウンロードする」というページからダウンロードして読むことができます。ぜひご覧下さい。

 このまま温暖化や環境悪化が続くと10年後の世界はどうなってしまうのかを描いたマンガの「ほんと未来はどうなるの?」や、「半径3mを変えたら世界が変わったステキなGOOD NEWS」、そしてあなた自身にもできる「30秒で世界を変える30の方法」など、ぜひ目を通してもらいたい記事ばかりです。おかげで字はかなり小さくなってしまっていますが...(^^;)

 その中でも、僕が一番ヤラレたのは、最後のページちりばめられた、勇気の出る言葉です。いくつかは他で聞いたこともある言葉ですが、初めて読む言葉もありました。そしてそのどれもが、僕たちの気持ちを奮い立たせ、世界を変える行動を起こさせる、エネルギーに満ちたものです。

 豪快な号外はぜひすべて読んでいただきたいのですが、この言葉だけでも、一人でも多くの皆さんに読んでいただきたいと思い、すべて抜き出してみました。

どんな人にでも未来をつくりだすちからがある。

あなたがもっている才能を使いなさい。一番美しい声の鳥しか鳴かなかったら、森は静かになってしまうだろう。

この世に存在する一切のものには、すべて不要なものはひとつもない。

それを夢見ることができるならば、あなたはそれを実現できる。

力は知識を隠しておくことからではなく、分かち合うことから生まれる。

自分自身が平和でいることで、あなたはすでに平和な世界の一部になっているのです。

未来を予測する最善の方法は、自らそれを創りだすことである。

わたしたちのすることは大海のたった一適の水にすぎないかもしれません。でもその一滴の水があつまって大海となるのです。

一緒に種をまきましょう。

YES IS LOVE

僕の前に道はない。僕の後ろに道はできる。

ひとりで見る夢は夢でしかない。しかし誰かと見る夢は現実だ。

今日という日は残りの人生の第一日目である。

Be a good person and everything else will come to you.

未来は人間の思い描いたとおりになる。

明日とは、明るい日と書きます。

君が行けば、世界も行く。正確に、君と歩調をそろえて。

自分一人で石を持ち上げる気がなかったら、二人でも持ち上がらない。
出典:「30秒で世界を変えちゃう新聞」(2007年6月22日、8面より抜粋)

 皆さんはどの言葉にハッとしましたか? 気に入った言葉があったらメモして、繰り返し眺めるようにしてはどうでしょうか。その言葉がきっと、あなたの、そして世界の、未来を変える力になるでしょう。

今日も読んでくださって、ありがとうございました。
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2007年06月11日

反対しないのは賛成と同じ

 昨日は「六ケ所村ラプソディ」という映画を観てきたのですが、なんとも言えない閉塞感を感じました。

 この映画は、青森県六ケ所村にある六ヶ所村核燃料再処理施設についてのドキュメンタリーです。昨年春から試運転を開始し、今年秋にはいよいよ操業開始の予定です。

 核燃料再処理については、安全上のさまざまな問題が指摘されていますが、それに加えて六ケ所村の場合には、昨年来、既に8件の事故・故障を起こしています。(試験開始前の工事段階でもさまざまな事故が発生しています)

 反対派が指摘する、再処理施設の問題にはたとえば以下のようなものがあります。
・再処理施設では、強い発ガン性をはじめとする毒性をもつプルトニウムを原料として扱う。
・原子力発電所よりはるかに大量の放射能を放出する。※
・280度以上の高温になる高レベル放射性廃液を30〜50年間、中間貯蔵する必要がある。温度が下がった後で最終処分するが、その最終処分施設は日本国内ではまだ建設されていない。

 なにしろ大量のプルトニウムを扱う施設です、何か事故が起こったときに取り返しのつかないことになってしまうことも怖いのですが(毎年原爆を1000発以上作れる量のプルトニウムが出てくると言われています)、もっと問題なのは、日常的に放射能を放出するということです。

 今年11月に本格運転を始めると、多種類の放射能が大量に保守されます。空にはクリプトン85という放射能がチェルノブイリ原発事故の10倍も放出され、海には、トリチウムやヨウ素129などの放射能が、2日に1回600トンも放出されます。200kgドラム缶に換算すると、1回に3000本、月に4万5000本、年間では54万本にもなります。
出典:「Yes is Love 私たちは何かを決めるとき七代先のことを考えて決める」(TEAM GOGO! 2007事務局)

 実際には、昨年の試運転開始以来、既に大気中にも、海中にも、大量の放射能が放出され始めています。
参考:「原発の濃度規制値の770倍もの濃度で放出」(美浜の会)

 なぜこんな危険を冒しながら再処理を強行しなければならないのか理解できませんが、それでもどんどん本格運転に向けて進んで行きます。かつては賛成派と反対派が拮抗した集落でも、今ではもうほとんど反対派の人はいません。仕事がなくなり、補償金を目の前に積まれれば、ほとんどの人は反対できなくなってしまうのです。

 この映画では、残り少ない反対派の方々の静かな反対活動を紹介していましたが、その中でも苫米地ヤス子さんという方の言葉が忘れられません。苫米地さんは、六ヶ所村の隣町、十和田市で手間暇かけて、完全無農薬のお米を作っている農家の方です。

 「私も以前は中立派でした。でもある時、先生に言われたんです。中立っていうのは、賛成と同じなんですよって。反対と言わなければ、黙認していると同じこと。どんどん進んで行ってしまいますよって。自分は中立って言っていれば、良心は痛まないで楽をできます。本当は中立派の方が楽なのだけれど、でもそれを聞いてから、反対って言うことにしたんです。」

 苫米地さんは、今までお米を買ってくれていた客に再処理工場が稼動したら買わないと言われて悩んでいます。去年の秋には、「これが放射能の影響がないと言える最後の農作物です」と言いながら、お客さんに作物を手渡しました。都会に住む私たちは、そんな苦しい思いで仕事を続ける人々に、一方的に負担を押しつけているのではないでしょうか。

 「反対しないのは、賛成しているのと同じ。」 この言葉の重さが、今もズッシリと響いています。

《関連リンク》
■「六ケ所村ラプソディ
■「今こそストップ六ケ所村」(サスラボ・ラボ)
STOP ROKKASHO
再処理・プルサーマルをめぐる動き



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