2011年02月21日

なぜTPPは問題なのか?

 このところやや鳴りを潜めているようにも思えますが、TPP、すなわち環太平洋戦略的経済連携協定へ参加するかどうかは、これからの日本の命運を大きく左右する問題です。経済に非常に大きな影響を与えるのはもちろん、下手をすると、持続可能な社会が構築できるかどうかという根幹を揺るがす大問題です。

 私個人としては基本的にはTPPへの参加は見合わせるべきだと考えていますし、もしどうしても参加を検討しなくてはいけないのだとしても、慎重の上に慎重を重ねる検討を行い、決して拙速に判断すべき問題ではないと考えます。管総理は「APEC首脳会議までに基本方針を決定する」と期限を切った指示をしていますが、難問に対して自らこのように期限を切ることが外向的に果たして正しいやり方なのか非常に疑問に思います。昨年の、鳩山前首相の失敗が思い起こされてしかたがありません。

 したがって、この問題については、その影響をじっくりと検討する必要があると思うのですが、今日はそのために参考になりそうな意見をいくつかご紹介したいと思います。

 TPPに参加すると何が問題なのか? 前原外相が言う「日本の国内総生産(GDP)における第1次産業の割合は1.5%だ。1.5%を守るために98.5%のかなりの部分が犠牲になっているのではないか」を信じる方には、まず以下の反論が参考になるでしょう。98.5%というのが、まったくまやかしの数字であることがわかるはずです。
■「自動車・家電輸出がそんなに重要か」(三橋貴明のTPP亡国論、日経ビジネス、2011年2月21日)

さらに、なぜTPPはダメなのか、何が本質的な問題なのかについては、内橋克人さんのお話が非常に参考になると思うので、ご紹介いたします。けっして農業だけの問題ではないことがわかるでしょう。
■「異様な「TPP開国論」歴史の連続性を見抜け 内橋克人氏講演会」(農業協同組合新聞、2011年2月21日)


 それでも、もし日本がTPPに参加したときに、何が起きるのか。それについては、ビル・トッテンさんがNAFTA導入によってメキシコで実際に起きたことを例に警告していることが参考になるでしょう。実際に起きたことだけに、説得力があります。
■「No.947 不公正もたらす“自由”」(アシスト:コラム Our World、2011年2月15日)

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2010年09月09日

エクアドル発、逆転の発想

  エクアドルという国をご存じでしょうか? 南米の太平洋側にある28万平方キロのこじんまりとした国です。エクアドルというのはスペイン語で赤道のことだそうで、その名のとおり、赤道が通っており、生物多様性の世界ではガラパゴス諸島を擁することで有名です。

 ガラパゴス諸島やアマゾンでのエコツアーも大きな産業ですが、一番大きな外貨獲得原は石油で、輸出額の約4割を占めるそうです。

 その「産油国」のエクアドルが、今とてもユニークな提言を国際社会に行っています。同国東部のアマゾン山中のヤスニ国立公園には大量の石油資源が眠っているのですが、これを採掘することを永久に放棄する代わりに、この石油を採掘していたら得られていたであろう利益の半分を、環境保全のための資金として国際社会に拠出を求めるというアイディアです。

 この油田は推定8億5000万バレルもの埋蔵量があり、同国の埋蔵量全体の1/5にあたるそうです。それを放棄するというのは大変なことで、そのことで60億ドル以上の利益がフイになるというのです。

 一方、国際社会はこのことで、4億トンもの二酸化炭素の放出を未然に防げますし、生物多様性の豊かな貴重な森林も無傷で保全することができます。だから、36億ドルを同国が持続可能な発展のための資金として提供して欲しいというのです。

 集められたお金は再生可能エネルギーの開発や、森林保全のための費用として使われるそうです。このヤスニITTプロジェクトがうまく行けば、エクアドルは森を破壊せず、二酸化炭素も出さずに、自分たちのお金も使わずに持続可能なエネルギー社会へとシフトできるのですから、すごいアイディアです。

 そうは言っても、直接的な見返りなしに36億ドルも払うのは高いと思いますか? でもちょっと待ってください。私たち先進国がいつも言っているのは、「石油を使う量を減らして、二酸化炭素の発生を抑制しよう」、「豊かな生物多様性を擁する貴重な生態系を保全しよう」ですよね? それを実現してくれるというのですから、その対価を払うのはむしろ「当然」であり、エクアドルの言っていることは正論なのではないでしょうか? この基金に資金を提供しないことを正当化するのは、なかなか難しそうです。

 それに、エコカー補助金や家電エコポイントにいくら使われたか、皆さんご存じですか? 3週間繰り上げて7日に打ち切られたエコカー補助金の予算総額はなんと予算総額は5837億円、家電エコポイントの予算総額は5267億円。両者をあわせると、なんと1兆1104億円ですよ! 一方、エクアドルが求めている36億ドルは、3000億円強です。単純に数字だけ比較しても意味はないのですが、それでも十分に実現性のある、その気になれば拠出可能な数値であることがわかるでしょう。そして、CO2削減だけで見ても、どちらが効果があるんでしょうか?

 そう考えれば、石油開発をしないから36億ドル出して欲しいというエクアドルの提案は、むしろいい提案なのではないかとも思えてきます。

 ちなみに、すでにドイツ、スペイン、ベルギーなどが出資を約束しており、フランスやスウェーデンも出資するであろうということです。今週、エクアドルのコレア大統領らが日本にも資金拠出を求めに来日したのですが、COP10の議長国である日本は、これにどう応えるのでしょうか?

 それにしても、この逆転の発想おもしろいですよねぇ。実は僕はこの話を、大統領と一緒に来日された同国のDr. Maria Fernanda Espinosa文化庁官とDr. Marcela Aguinaga環境大臣から直接お聞きしたのですが、二人とも女性! しかもAguinaga環境大臣はかなり若い方でびっくりしました。こんな人事にも、あるいはこんな人事だからこそ、大胆な発想ができるのかもしれませんね。

<参考リンク>
■"Yasuni ITT Project"

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2010年07月12日

ビックリ選挙

 選挙から一夜明けました。今回、いろいろな意味でビックリすることが多かったので、ちょっとまとめておきたいと思います。

 まず選挙結果にビックリです。たしかに鳩山政権はマニフェストの内容を実現できなかったばかりか、選挙前には党首交代。しかも菅首相は交代するなり、選挙前に消費税値上げなど言い出すものですから、ある程度議席を減らすことは予測できましたが、まさかここまでとは... そしてこのオウンゴールで民主が票を減らすのはしかたがないにしても、その結果、自民がここまで復活するのもビックリです。

 もう一つビックリしたのは、普天間問題がほとんどまったくと言っていいほど、選挙の争点にならなかったことです。鳩山失脚の原因の一つは普天間問題の対応を誤ったことだと思いますし、これがきちんと決着したとは今だとても思えないのですが、それがまったく争点にならなかったのはビックリです。

 争点という意味では、環境問題も見事なほどに争点にならなかったと言っていいのではないでしょうか。2020年に温室効果ガス排出量を1990年比25%削減とする地球温暖化対策基本法案の再提出がかかっています。基本法反対派(?)のメディアは「これが争点」「慎重に議論を」などと言っていましたが、実際には多くの候補者はほとんどこのことを口にはしなかったのではないでしょうか。もちろん、それ以外の環境問題などゼロと言ってもいいと思います。

 選挙では様々な組織が自らの利害関係のため、組織的に票を投じることがあると言われます。今回の参院選のように投票率が低い(57.92%で前回よりマイナス0.71ポイント)と、この組織票の大きな政党や候補が有利と言われます。さて、それでは今回はその組織票はどうだったのか? もちろん正確な中身は誰にもわからないわけですが、組織力(=票?)の一覧がテレビで報道されたのだそうです。報道したのはテレビ東京、これはなかなか事件なのではないでしょうか。ちなみに投票率に関しては、沖縄県が7.88ポイント減と大幅減少していますが、この意味を政治家はもちろん、私たち全員が噛みしめる必要があるのではないでしょうか。
sosikihyo.jpg
出典:「テレビ東京すげえ!ある意味タブーの組織票を一覧にまでして報道!

 そして一番ビックリしたのは... 僕は半人前どころか、1/4人前でしかなかったということです。どういうこととかと言うと... 「一人一票実現国民会議」のWebサイトで自分の一票の価値がどのぐらいあるのか、一票の力がもっとも大きい選挙区と自分の選挙区で比較するページがあります。そこで調べて見ると、なんと僕の一票はもっとも人口あたりの議員数が多い選挙区を一人一票とすれば、0.23票にしかならないのです!! つまり、昨日せっかく投じた一票も、人口が少ないその選挙区の有権者の1/4の発言権しかなかったということです。今の時代であれば、IT技術を使えば完全に公平な投票権も技術的には可能です。多少の誤差はしかたないと思いますが、4倍以上というのはあまりにヒドイ。技術的、制度的に解決できない問題というより、意図的に放置しているとしか思えません。
■「あなたの一票の価値は」(一人一票実現国民会議)

 こうしてみると、結局はかなり卑近な問題というか自分たちにとっての短期的な利害で票を投じる層、あるいはタレントやスポーツ選手など有名人に投じる層、そうしたポピュリズムが蔓延していることを示す結果と言っていいのではないでしょうか。そして守旧派は、むしろそうした現状を都合が良いものとして肯定しているように思います。

 こうした問題を解決するためには、選挙区の抜本的見直しネット選挙の導入などが効果的だと思いますが、今までの仕組みや既得権を変えたくない方々は、こういう制度変更には強硬に抵抗するのでしょうね。たくさんビックリして、最後はかなり呆れてしまった参院選でした。

 衆参ねじれた政治がこれからどのようになるかは注意深く見守りたいと思いますが、考えようによっては、このような状態だからこそ、緊張感が生まれ、きちんと政策で争うという状況にもなるかもしれません。社会も、環境も、経済も、すべてがまったなしの状況です。まっとうな政治主導で3年後にはビックリするような進展があるようにしたいですね。

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2010年02月02日

施政方針演説を読みましたか?

 先日29日の第174回国会での鳩山首相の施政方針演説を、皆さんはお聞きになったでしょうか? 僕はドイツにいたので、後からWebで全文をダウンロードしてボンからの岐路に読みました。

 正直言ってちょっとびっくりしました。目頭がちょっと熱くなって、そして嬉しくなりました。サスラボでも以前にご紹介したガンジーの「七つの社会的大罪」を引用しながら、「人間が人間らしく幸福に生きていくために、どのような経済が、政治が、社会が、教育が望ましいのか」と問いかけています。まさに今必要な問いです。そして、残念ながら今の世の中は、ガンジーが指摘した大罪が溢れています。
参考:「7つの社会的罪」(サステナ・ラボ)

 自民党の議員や、口さがない人たちは、「労働なき富」とは首相自身のことだろうと揶揄していますが、僕はとりあえずそれは置いておいてもいいと思います。お金持ちの家に生まれたのは自分で選んだわけでもないでしょうし(笑)、これまでも不労所得を増やすことに血道を上げて来たわけではなさそうですし、むしろノーブレス・オブリージュを果たす覚悟があるのであれば、そのことを評価したいと思います。

 実際、その言葉を盛り込むことに心配した他の閣僚たちに、鳩山首相は「自分のことを言われるのはわかっている。だからと言って(ガンジーの言葉が)間違っているんですか?」と反問したと言います。自分が批判されることよりも、何を目指すべきかを優先したのです。
出典:「鳩山演説「労働なき富」にヤジ、「それはあんただ」」(読売新聞、2009年1月30日)

 あるいは、「聞く方が気恥ずかしくなるほどの理想を語り続けた」という社説もありました。(「鳩山政権―演説の美辞に酔う暇なし」朝日新聞、2010年1月30日)しかし「気恥ずかしく」感じるのは、それを書いている人が、そんなことを大真面目に考えたことがないからなのではないか、と聞いてもみたくなります。

 もちろん、これを美辞麗句に終わらせては困ります。きちんと有言実行してもらわなくてはいけません。それでもこの施政方針演説を最後まで読めば、一貫としていのちを守ることにこだわっていることがわかり、その思いと意志は伝わってきます。これまでの首相の無味乾燥なものとは大違いです。

 また、「はじめに」の中で、今年はCBDのCOP10が日本で開催され、議長国を務めることや、「私たちの叡智を総動員し、地球というシステムと調和した「人間圏」はいかにあるべきか、具体策を講じていく」必要性についてきちんと述べていただいたことは、生物多様性に関わるものとしてとても嬉しく思いました。

 僕自身は別に民主党を全面的に支持しているというわけではありません。自民党よりは民主党の方がマシ、というのが正直なところです。政策について、不満な点もいくつもあります。

 それでも、今回の鳩山首相の施政方針演説には、賛同する点が多くありました。いくつかの点を除けば、基本的には同じ方向の志向だと思いました。今回の姿勢方針演説で述べられた目指す社会は、しっかりした日本の将来ビジョンだと思います。目指すべきビジョンをこのように明確に示していることも素晴らしいと思います。

 あとはこれを何時までに、どう実現するかです。その点がまたマスコミなどに批判されているところですが、それは今からみんなで一緒に考えていけばいいのだと思います。リーダーが明確なゴールを示してくれたのです。後はそれをどう実現するか、みんなで知恵を出せばいいのです。僕もこの社会を目指すだめだったら、出来ることはなんでも協力したいと思います。あ、別に頼まれないでしょうけど...(^^;)

 海外から日本に帰国するときには、いつも日本のネガティブな面ばかりが目立って感じ、なんどか気が滅入ることが多いのですが、今回はこの演説を読んだお蔭で、「日本もまだこれからだ。いよいよ流れは変わり始めたんだ」というポジティブな気持ちで、帰国することが出来ました。

 というわけで、この姿勢演説の全文をご自分で聴いたり、読んでいない方は、ぜひ以下でご覧になってみてください。内容に賛成するかどうかはともかく、私たちの国のリーダーがどこを目指しているのか。それを知るだけでも読む価値はあります。批判だけするメディアに惑わされず、どこは評価できて、何が足りないのか。どうぞご自分で判断してみてください。

■「第174回国会における鳩山内閣総理大臣施政方針演説」(首相官邸)

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2009年09月16日

新政権発足の日

 いよいよ鳩山内閣が発足、鳩山首相自身も参院議員総会で「今日が新たな歴史の転換点だ」と述べたそうですが、本当に「政治と行政の仕組みを根本的に変えるスタートの日」になり、日本が良い方向に変わっていくことを期待したいと思います。

 新閣僚で一番気になるのは環境相ですが、小沢鋭仁氏。2004年1月に衆議院常任委員会「環境委員長」に就任し、「環境配慮活動促進法」の制定などに関わったようですが、環境の世界での力も考えも、正直あまりよくわかりません。これからの言動に注目です。

 そして、鳩山政権発足の初日から公約破りでは?という事件も発生しています。記者クラブを廃止し、政府会見を記者クラブ以外のメディアにも開放するという方針が、反古にされようとしているのです。


 上のビデオにも登場している神保哲生さんによれば、
総理就任会見を取材するために上杉隆さんら記者クラブ非加盟社の記者たちと総理官邸で直談判。 鳩山総理から直接どうぞと言われて来たのに門番の権限で追い返すのかと凄んだら中までは入れたが、結局官邸報道室が認めた記者しか会見には出れないとのことで全員門前払い。
出典:http://twitter.com/tjimbo(2009年9月16日18時頃)

 記者クラブ開放は、報道のあり方を大きく変え、つまりは私たちに伝わる情報の内容や質にも大きな変化をもたらすであろうと同時に、透明性や説明責任を果たすという今までとはまったく異なる政権になることを示す重要なポイントです。既存のメディア等の圧力など、いろいろなことがあるのだとは思いますが、ここは考え直して、ぜひ初志貫徹して欲しいと思います。そうでなければ、最初から味噌を付けてしまいます。
《参考リンク》
■「新聞が書かない民主党の「公約破り」」(山口一臣の「ダメだめ編集長日記」2009年9月16日)
■「民主党と記者クラブが「密約」、首相会見出席は特例かつ限定的にと」(PJnews 2009年09月16日)

 一方、良いニュースとしては、経済同友会の桜井代表幹事が15日、GHGの25%削減目標に対して、以下のような積極的な発言を行なったことです。
国民に説明する際には、現在のようなコスト論、負担論だけでなく受益論も提示していただきたい。「これだけの政策を採るとこれだけ負担増となる」という負担論だけではなく、新産業を興し、需要を増大させ、国の成長を促進してGDPを底上げしていくことで、国民にとって享受できる受益面についてもしっかりと提示すべきだ。
出典:「記者会見発言要旨(未定稿)2009年9月15日」(経済同友会)

 反対する経済人ばかりではないのです。25%削減することで新しい産業につなげていこうという積極的な態度に対して、きちんとした道筋を示して欲しいと思います。

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2009年08月31日

民主党への期待と不安

 衆議院の総選挙は、予想以上の民主党の圧勝となりました。まさに大荒れの選挙でしたね。ついでに関東地方には、ホンモノの嵐まで来てしまいましたが...

 さて、政権交代したのはいいのですが、それにしても民主党はちょっと勝ち過ぎなのではないかというのが正直な感想です。このことは、まさかここまで議席を減らすとは思わなかったぼう然とした自民党幹部の表情からも、また、一部の比例区で候補者数が足りなくなってしまった民主党自身の様子からもうかがわれます。

 民主党に投票した方々へのアンケート結果によれば、政権交代のためにと同じぐらい、マニフェストで選んだという方が多いようです。ただ、これは本当にそうなのかなと勘ぐってしまいます。「なんとなく」とか、「マスコミに煽られて」とは答えにくいでしょうから(^^;)、「マニフェストで」としたのではないかと... もしマニフェストで選んだのだとしたら、バラマキ的な政策に惹かれたのでしょうか?

 もちろん基本的には民主党のマニフェストの方が、自民党のそれに比べ、一般国民の視点や要望に沿っていて、また環境や社会についても積極的であるとは思います。ただ、自民党などからも散々批判されたように、財源はどうするのかという点について、あるいは単にばらまけばそれで問題は解決するのかという部分はとても気になります。

 環境についても2025年にGHGを25%削減するというのは目標としては正しいと思う一方、問題はそれをどう実現するかで、その点がどうしても心配になります。たとえば、CO2削減と逆行する高速道路の無料化はなぜ? そんなことがどうしても心配になるのです。

 したがって、今回はやはりあくまでも政権交代に意味があったので、それ以外はすべてこれから始まる、しかもほぼゼロから始まると言っていいのではないでしょうか。

 ですから今回民主が300議席を大幅に超える議席を確保したものの、民主、社民、国民新党による3党連立与党体制を協議というのに、どうしても期待しています。さすがにそれがないと、どこに飛んでいってしまうかちょっと心許ない、そんな大勝ですから。

 また民主党はさておき、今回の選挙を見ていて気になったのは、やはり選挙制度です。もともと予想できたことですが、それにしてもこれだけ極端な結果を産みやすい小選挙区制度というのはどうなんでしょうか? 様々な選挙区で、民主党というだけでほとんど経験のない候補が当選したり、あるいは党派に限らず有名人候補者が勝った点など、様々なところで「本当に考えた上での一票か?」と疑問に思える点が多いのです。

 ポピュリズムに堕しているようにしか思えない結果を見るとこのまま小選挙区制でいいのかと思いますし、逆に小選挙区で落選した候補が比例区でゾンビのように復活をしているのを見ると、本当に民意が反映される制度なのかとも思います。

 いろいろと心配な点を書いてしまいましたが、もちろん希望もあります。一つは政権が交代したことで、自民政権では変わらなかった制度がいろいろと変わるであろうこと。選挙でインターネットが使えるようになったり、記者クラブが廃止されたりすれば、じわじわといろいろなところに変化が出るはずです。

 そして、女性議員やフレッシュな一年生議員が増えたことも歓迎です。未経験者、特に若い未経験者には不安もないわけではありませんが、それ以上に柔軟な発想や考え方ができることや、古いしがらみなどがない点に期待しています。いい意味での素人らしさを十分に発揮し、一般国民の視点に立った、誰にでも理解と共感ができる政治をしてもらいたいと思います。

 そして今回の政権交代で本当に日本の社会が変われば(きっと変わると信じていますが)、「自分の一票で社会が変わる」、「おかしいことはおかしい」、そういう当り前のことが当り前だと信じられるようになるはずです。政治と社会に対する希望を復活させる可能性があることに、今回の政権交代の最大の意味があるのではないかと思います。どのような政権にしても一夜にして持続可能な社会を作ることは出来ませんが、持続可能な社会が実現可能であると多くの人が信じられるようになれば、その実現にぐっと近づいたと言えるでしょう。

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2009年08月28日

マニフェストを比較しよう

 明日オフィスの引越をするのですが、それに先立って今日は光回線の移設と、梱包作業でした。梱包はすべて引越屋さんにお任せなのでいいのですが、回線の移設がなかなか大変。いろんな人と会社が絡むものだから、かなりスッタモンダしましたが、それでもなんとか電話とインターネットと共に使えるようになって一安心です。

 さて、そんなことよりも今週末もっとも気になるのは、衆院選です。ようやくマニフェストも定着したようではあるのですが、それでも各党のものをしっかりと読みこなすのは大変です。いろいろなサイトが比較をしていますので、そういうのを利用するとわかりやすいかもしれません。

■「マニフェスト早見表」(Yahoo! 衆議院選挙2009)
 Yahoo!の「マニフェストマッチ」はかなり大変なのですが(途中でくじけました(^^;))、早見表はわりと見易いと思います。

 巨大な表はちょっとという向きには、こちらはどうでしょう?
■「衆院選各政党に聞いてみました「医療用大麻の解禁」「家賃の更新料撤廃」「学校給食のオーガニック化」各党驚愕の回答!」(Webdice 骰子の眼)

 自分の意見とどの政党のマニフェストが合っているかは、ボートマッチ(マニフェストマッチ)を使うと簡単にわかります。毎日.jpの「毎日ボートマッチ えらぼーと」はなかなかわかりやすく出来ています。僕が試してみた結果は...


 なんとなくそうかなと予想はしていましたが、共産、社民と一致度が高いのですね。もしかして左翼?(^^;) っていうか、憲法と労働関係の考え方が一致しているってことでしょう。

 変わった視点では、「候補者のフェアトレードへの関心度を調べる調査結果」(momonico)なんてのもあります。

 もっと詳しくいろんなサイトで多面的に分析してみたい方は、奥田みのりさんのブログの記事「選挙をひかえて」(味(み)海苔の実、2009年8月28日)がよくまとまっていて便利です。

 ともかく、皆さんの大切な一票(僕なんて0.45票しかありませんが...(;_;)>「あなたの一票の価値は?」参照)。しっかり考えて、有効に使ってくださいね。最後にこんな広告もどうぞ。MTVの選挙キャンペーン、"Choose or Lose(選ぶか、負けるか。)"です。

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2009年08月26日

公選法と国民審査

 皆さんご存じのように、オバマは大統領選でフルにインターネットを活用しました。インターネットが使えなければ、アメリカ初の黒人大統領はまだ誕生していなかったかもしれません。ところが現在の日本の公職選挙法では、「候補者は選挙期間中WEBサイトを更新できない」ことになっています。

 しかし、これはいわゆる「ホームページを更新できない」どころの話ではないのです。恐ろしいことに、「現在は総務省の見解を尊重すると、選挙期間中インターネットを利用した選挙活動(ネット選挙)を行うことができず、ブログの更新や、Twitterのつぶやき、さらにはmixiの足あとまで公職選挙法に抵触されるとしている。」のだそうで(出典:Wikipeia)、時代錯誤もいところです。

 お金のない、あるいはお金をかけたくない候補者にとってこそインターネットは重要なツールなので、嫌がらせというべきかもしれません。そしてこれは候補者だけでなく、僕たち一般市民も、「公職の候補者の氏名若しくはシンボルマーク、政党その他の政治団体の名称又は公職の候補者を推薦し、支持し若しくは反対する者の名を表示する文書図画を頒布し掲示してはならない」(同146条)ということで、特定候補のことをブログに書くのも「違法」ということになってしまいます。これって、ほとんど言論統制

 幸い民主党は選挙へのインターネット導入に賛成ですので、政権が変わればこんな不条理な悩みもなくなると思うのですが...(って、こういうことを書くのもダメなんでしょうか?)

 一方、昨日も話題にした最高裁裁判官の国民審査については、個々の裁判官のことを書いても問題ないようです。「忘れられた一票 2009 最高裁裁判所 裁判官 国民審査 判断資料」というサイトには、第21回国民審査の対象となる 最高裁の裁判官9名全員の経歴や主要な意見など、詳細に紹介されています。一つひとつ読むと、けっこう人間臭いというか、なかなか個性に溢れた方もいらっしゃいます(笑)

 そして今回は「国民審査の×ガイド」が用意され、いくつかの主要な論点について、あなと考え方が違う裁判官を見つけることができるようになっています。正直、フツーの市民感覚では「それはおかしいでしょ?」と思うような問題(例えば、一票の格差>「あなたの一票の価値は?」参照)について、かなり偏った意見をお持ちの方もいるようですので、ぜひ事前にチェックすることをオススメします。

 ということで、政権がどうなるかも非常に興味深いのですが、国民審査についても今回はじっくり予習をしてみるのはいかがでしょうか? 大きな格差があるとはいえ、私たちの一票が違いを作るのです。逆に言えば、違いを作るには、現状を変えるには、やはり一票を大切に行使するしかないのですから。

#衆議院現役議員の方のツブヤキは止まってますね >「日本の政治家@24oclocks.com

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2009年08月25日

あなたの一票の価値は?

 昨日の日経にちょっと不思議な全面広告が出ていたのにお気付きでしょうか? 一人一票実現国民会議による、「『一人一票』の実現のために最高裁裁判官に対する国民審査権を行使しよう!」というもので、おもしろいのは投票時に思い出せるようにと、8月30日の総選挙の際に国民審査の対象となる最高裁裁判官9名の名前と、この裁判官が2007年最高裁判決の中で「一票の不平等」についてどのような意見だったかが書かれています。これに予めメモをしていけば、投票所で慌てることはないというわけです。

 そもそも「一人一票」は当り前のはずですが、日本では長らく1票の格差が存在し続けています。これでは民主主義国家とは言えないというのが、同会議の主張です。

 そんな大げさなと思う方は、同会議のWebページの「あなたの一票の価値は」というコーナーをご覧ください。住所ごとにあなたの一票の本当の価値が簡単にわかるようになっています。試しに僕の一票の価値を調べてみたら... 東京3区の僕の場合.. な、なんと... 
衆議院議員選挙 0.45
参議院議員選挙 0.23
 マ、マジですか!? 思わず我が目を疑いました。衆議院に関しては半人前以下、参議院に関しては4分の1以下の価値しかないのです! 一応税金も収めているし、世の中の役に立てるようにと自分なりに頑張っているつもりなのに...(;_;) これはいくらなんでもヒドイですよね。>最高裁

 というわけで、こんな格差を放置している最高裁裁判官をあなたはどう判断しますか?というのが、同会議の主張です。

 ちなみにアメリカでは、1票:0.993票の不平等でさえ「憲法違反で無効」という判決が出ているそうです。しかも今から20年以上前の1983年に! これだけIT技術が発達した日本で、4倍もの格差を放置しているのは、ただの怠慢というよりむしろ意図的なものすら感じますね。

 なお、9名の裁判官の方々のさらに詳細な情報は、「忘れられた一票2009」というサイトが役に立ちます。これについてはまた明日にでも、詳しくご紹介したいと思います。

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2009年05月26日

楽天続報

 先日ご紹介した、厚生省による過剰な医薬品通販規制の問題ですが(「ガンバレ楽天」参照)、楽天からは22日、23日と続けて驚くべき続報が送られ来ました。
■「【楽天】論理破綻の厚労省に国会議員と有識者からも批判続出(2009/05/22)
■「【楽天】原案賛成わずか0.5%にも関わらず厚労省通販規制強行へ(2009/05/23)

 特に信じがたいのは、上記の5/23付けのメールに書かれている、「85%もの反対意見を無視し、原案どおり通販規制強行へ」ということです。以下、そのメールからの引用です。
□■□■ 85%もの反対意見を無視し、原案どおり通販規制強行へ ■□■□  
パブリックコメントでの意見提出9,824件。うち原案賛成意見はわずか0.5%。
通販規制そのものに対しても反対意見が8,333件もありました。
厚労省は、これを無視して原案どおり強行する意向。

◇配布資料はこちら
http://rd.rakuten.co.jp/rn/syom-h/0905/23/13584428/?medicine-2

□■□■ なぜ国民の意見は尊重されないのか ■□■□
わずか0.5%しか原案賛成意見が無かったにも関わらず、厚労省はなぜ、
このまま原案で省令公布したいとの意向を表明したのか。
厚労省の説明によれば、パブリックコメントを行うのは厚労省が
いままで気がつかなかった論点を見つけるためのものであって、
(反対意見が多数あっても)数の問題ではないとのこと。

数はまったく考慮されないとはどういうことでしょうか?
厚労省の暴走に歯止めをかける方法はあるのでしょうか?
何のために検討会やパブリックコメントを行っているのでしょうか。
 楽天の主張だけを元に記事を書くのは公平ではないのかもしれませんが、少なくともこれを読む限りはまったくの暴挙です。(添付の資料を見ても、おそらく楽天の主張が正しいように思えます)

 さすがにこの状況には与野党、超党派の議員や、厚生省のOBも疑問を唱えています。以下のビデオもご覧ください。


 このままですと、6月1日から厚生省による「改正」強行となってしまうのですが、健康食品関連の「ケンコーコム」(東京)は25日、国にネット販売継続の権利確認などを求める訴訟を東京地裁に起こし、楽天の三木谷浩史社長も訴訟を示唆しているとのことで、どうなるか注目されます。
出典:「薬のネット販売規制は憲法違反 通販2社が提訴 楽天も“参戦”か」(msn 産経ニュース、2009年5月25日)

《参考リンク》
■「医薬品の通信販売継続を求める署名にご協力を」(楽天市場)

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2009年05月20日

結局は税金なのだから

 皆さんの手元にはもう届きましたか、定額給付金? 正直に言えば、お世辞にも良い政策とは思えません。人気取り見え見えの愚策です。給付のために仕事が激増、天手古舞しているであろう自治体の方々のことを思うと、つくづくお気の毒にと思います(本心ですよ)。そしてもちろん、そうした苦労や効率の悪さを考えずにこんな愚策を決めてしまう為政者の頭の悪さに呆れてしまうのです。しかも、原資は税金。結局、最期にツケを払うのは、私たち国民なのです! 

 これにどれだけの経済効果があるかはわかりませんが、たしかに定額給付金を当てにしたセールスは真っ盛りのようです。毎日いろいろなところから「定額給付金セール」のダイレクトメールが届き、よくもまぁこんなことを考えるなぁと感心しています(笑)

 ただ、お子さんのいる家族であればともかく、一人や二人ぐらしにとってはなんとも中途半端な金額です。こんなのあってもなくても同じと言える端金とはとても思えませんが、かといって何かパーッと出来るほどの使い出があるようにも思えません。まぁちょっと贅沢な食事でもするぐらいが関の山です。

 そう考えるとたいして有り難みもないわけで、だったら「こんなバラマキしなくても...」と思ってしまうわけです。そんなことを言うと、「何を不謹慎な! そのお金に切実に困っている人が世の中にはたくさんいるんだ」と起こられそうです。そうなんです、そういう本当に困っていらっしゃる方がいるのだからこそ、みんなにばらまくのではなく、もっとも必要としている方々に重点的に分配した方が、お金も生きるというものです。

 そこで我が家では、定額給付金ははじめからなかったものと思って全額寄付することにしました。寄付先の最有力候補はファザーリング・ジャパンが主催する「フレンチトースト基金」。父子家庭を支援するための基金です。

 母子家庭だってもちろん大変なのでしょうが、比較的いろいろな支援制度があるのに比べると、父子家庭はそうした支援制度が決定的に不足しているのだそうです。おそらく他にも父子家庭支援のための制度はあると思うのですが、「フレンチトースト基金」がいいなと思ったのは、申請するのに家族の写真とお父さんの作文が必要というところです。収入証明書だけではないところが、良くないですか?

 もっと他の用途に寄付したい、役立ちたいという方は、チャリティ・プラットフォームが運営する「定額給付金基金」などもいいかもしれません。80の実績があるNPOが参加していて、応援したい分野を特定して寄付することができます。

 もちろん、ご自身がいまこの定額給付金を必要としているのであれば、自分で使うのだって構いません。生活費の足しに使っても、勉強のために使っても、パーッと飲み食いしたって、いいんです。みんなが「使う」ことに意義があるのですから。(だから、貯金してちゃダメですよ!)

 それでも、このお金がなくてもなんとかなるのであれば、自分よりもっと必要としている方々に寄付するというのも、良い「使い」方だと思います。

 「今は使うことが重要なのだから、とにかく使いなさい」「でも、後からちゃんと税金として請求しますからね」というのはなんだか納得いかないのですが... でも、ちょっと発想を変えてみると、もし定額給付金がなくても政府はその分を財政出動していたかもしれません。それに比べればまだマシなのかもしれませんね。

 自分のために使うのか、もっと必要としている方のために使うのか、自分が大切にしたいものや価値のたかに使うのか。なんと言っても自分で選択できるのですから。

 フツーの税金は使い道を指定することはできませんが、定額給付金だったら、本当に自分で自由に決めることができます。自分で払う税金の使い道を自分で決められるのだと思えば、チョッピリ気分も良くなります。

 そしてもちろん目指す社会は、自分たちが大切だと思うことや、本当に必要としている方々に、いつでもきちんと税金が使われる社会です。それも持続可能な社会の条件だと思いませんか?

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2009年05月15日

誰のためのエコポイント?

 今日15日からエコポイントがスタートしました。これで省エネ家電の普及にはずみ...と褒めたいところですが、今回の制度については疑問に思うことがいろいろあります。まだ制度すら確定していないのに「実施」なのだそうです。こんな杜撰な制度って、ちょっと珍しいのではないでしょうか?

 とにかくあらゆる点で拙速なので、本当に実行できるのか疑問ですが、もしこれが本当に動いたとしても、その内容や効果については以下のような心配があります。

 まずは本当にエコに役立つかです。環境性能が良い新製品に買い換えることで、電力消費が下がることは期待できます。しかし、それ以外の環境負荷も考慮すれば、なるべく長く使って、買い換えなくてはいけない時期になったら環境効率の良いものに買い換えるというのが良いはずです。エコポイントが付与される間に慌てて「替えエコ」を促すようなことになっては、むしろ環境負荷を高くすることになってしまうかもしれません。製品寿命を短くするような誘導が本当にエコと呼ぶのに値するのか、かなり疑問です。

 さらに、消費時の消費電力にしても、総量はどこまで減るのでしょうか? エアコンはまぁいいとしても、冷蔵庫やテレビは、買い換えの際にサイズアップすることがあります。特に大型テレビの場合にはその傾向が顕著でしょう。同じサイズであれば消費電力は削減できても、より大型のものに買い換えてしまったら... 期待していたほどの省エネ効果はないかもしれません。

 とここまで書いてネットを検索してみたら... やはり同じような疑問が上がっていました。具体的な数値も示されているので、ご紹介しておきますね。
■「エコポイント:これって本当にエコ? 買い替えで消費電力増も 経済効果も疑問」(毎日新聞、2009年5月15日)

 そうは言って、今はとにかく景気浮上が重要なんだ。これは経済対策、特に家電メーカーや販売店の支援策なのだという声もありそうです。しかし、量販店は既にエコポイント実施前から買い控え防止のために、値引やポイントの上乗せをしています。エコポイントが始まったからといって、この上乗せを撤回するわけにはいかないようで、結局上乗せも継続です。たしかにお客さんにとってはメリットありますから売上は増えるのでしょうが、利益率は大幅減少。たとえ売上高は伸びても、下手をすると利益は減ってしまうなんてこともあるかもしれません。

 さらに、制度が終わるときにはどうするのでしょうか? エコポイントがもらえるのは来年3月末まで。最後には駆け込み需要は期待できるかもしれませんが、4月以降は確実に売上ダウンか、さらに値下げを強いられるかもしれません。結局、消耗戦です。というより、その消耗戦を加速しているのです。

 価格は下落したものの、エコポイントの制度がわかりにくく、あるいはメリットを感じにくく、なかなか売上にはつながらないのではという懸念も既に囁かれています。そうしたことを考えると、果たしてこれがメーカーや販売店にとって、どこまでメリットがあるのかもかなり疑問です。体力のない企業にとってかえって致命傷にならないかと心配なぐらいです。

 むしろ本当に産業支援をするのなら、こうした支援なしでは動きにくい流れを後押しするような、日本の産業にとって長期的にメリットがある流れを開始させるような、そんなサポートの方がいいでしょう。

 例えば、電球型蛍光灯。例えば1個に数百円の補助金をつけて白熱電灯とあまり変わらない値段にすれば、一気に移行が進むはずです。テレビはそうしょっちゅう買い換えるものではありませんが(というか、買い替えられたら困るのです)、電球は消耗品です。しかも一軒の家の中で何個も使います。すべてを取り変えれば、少ない費用で省エネ効果も大きいはずです。

 このような補助金で電球型蛍光灯の需要が一気に増えれば、大量に生産する効果で、価格を安くすることができるでしょう。また、安心して設備投資もすることが出来ます。電球型蛍光灯を安く大量に作ることができるようになれば、それは企業にとって大きな競争力になるはずです。これこそ「投資」ではないでしょうか。

 テレビ、冷蔵庫、エアコンという、放っておいても今後省エネが加速し、徐々に買い換えもされるであろう製品に補助金を出すのではなく、放っておいたらなかなか動かないものが動く誘い水を差すことが、良い誘導政策なのだと思います。

 さらに気になるのは、このエコポイントの原資です。結局これって、全部税金で賄われるのです。この期間中に、テレビ、冷蔵庫、エアコンを買い換えた人にだけ税金が還付されるのが、果たして公平な政策と言えるのか?

 また、今後どんな制度になるかにもよりますが、かなり複雑な手続きになりそうなことを考えると、それに一体いくら経費がかかるのやら... いろいろ経費がかかるということは、補助金としてはそれだけ効率が悪いということになります。100円の税金を使って、150円、200円の効果があれば効率良い政策と言えるでしょうが、どうも今回は100円使ってそれ以下の効果しかないような気がします(直感ですが)。税金を使うのなら、効果的な使い方をお願いしたいものです。

 そう考えると、エコポイントも結局は、「環境を騙った」人気取りのバラマキ政策でしかないように思えてなりません。気候変動防止に逆行する「1000円高速」や、これまた極めて効率が悪そうな「定額給付金」に並ぶ、麻生政権の超近視眼的三大バラマキと言えるのではないでしょうか。知性を感じさせろとは言いませんが、もう少しは頭を使って欲しいですね。

《参考リンク》
■「エコポイントの活用によるグリーン家電普及促進事業の実施について」(環境省)
■「15日スタート、知っておきたい「エコポイント」の基礎知識」(ITmedia + D LifeStyle)

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2009年05月14日

ガンバレ楽天

と言っても、野球の話ではありません。厚生労働省が大衆薬の通信販売、ネット販売を事実上禁止する省令案をまとめたのですが、楽天の三木谷浩史さんが「このような時代錯誤の案に断固反対し、徹底的に戦」っているのです。

 以下は、「一般用医薬品の通信販売の継続についての署名」への賛同者に、三木谷さんが5月13日に出したメール「【楽天・三木谷より】なんでやねん、舛添大臣!(2009/05/13)」からの引用です。
そもそも、今回の省令は薬事法にはのっていない「対面」の原則というものを、厚生労働省主体で決めています。明らかに、国民の権利・自由を奪うこのような省令は違憲であり、規制改革会議もその点を指摘しております。対面でないとどうして安全でないというのでしょうか?リスクを説明しろというのであれば、ネットの方が優れています。また、忙しい方、近くにまともな薬局がない方、障害者の方から悲鳴に似たコメントが寄せられました。妊娠検査薬、ちょっと恥ずかしい水虫の薬、育毛剤、軽い風邪薬について、なぜ対面でなければだめなのでしょうか?

(中略)

世界は、ネットを使い如何にコストをさげ、広く医薬品を提供するかという風に流れています。アメリカ、EU各国だけでなく、中国も含め大多数の国が積極的に取り組み一般用医薬品のネット販売が推進されるなか、日本だけが時代錯誤、非常識な政策を取ろうとする背景は何でしょうか?事実だけをお伝えしますと、厚生労働省から、専務理事含め多くの幹部が日本薬剤師会に天下りし、当会の児玉会長が会長を兼ねる日本薬剤師連盟から3年間で10億を越える多額の政治献金が行われています。

現在、一般的に販売されている大衆薬は約4,000種類です。どんなに過疎地でも、どんなに忙しくても、視覚障害の方でも、自分にあった薬を手にいれることができるようになっていたのです。約850万人(推計)の方がネットで医薬品を購入したことがあります。

 ネット販売にまったく問題がないとは思いませんが、だからと言って全面禁止するほどの決定的な危険があるようには思えません。問題を認識した上で、上手に運用すればいいだけのはずです。何にだってリスクはあるのです。

 そのことだけでもオカシサを感じるのですが、今回さらにオカシイと思うのは、三木谷さんの5月1日のメールによれば、厚生労働省は4月28日に開催した第5回目の「一般用医薬品の通信販売規制問題を議論する検討会」において「経過措置を設けるたけの省令再改正案を本検討会の意見を聞かずにパブリックコメントに付すと突然提案し」たことを始めとして、「出来レースかのよう」な検討会の運営です。以下は、そのメールからの引用です。
今回の検討会ではあ、厚生労働省が事前に作成した論点ペーパーに沿って2時間近く議論がなされた後に、座長の井村氏(北里大学名誉教授。財団法人薬剤師研修センター理事長でもある。)が総括をされました。委員の意見が分かれており報告書としてまとめることは不可能であり、どういう措置を取るかは行政にまかせるしかないという座長としての責任を放棄するかのような総括でした。

これを受けて、今後事務局である厚生労働省が検討を進めていくのかと思いきや、あたかも出来レースかのように、その場で医薬食品局総務課長・川尻氏が、唐突に省令の再改正案の方向を次のとおり説明されました。

(改正案:略)

突然この話が出たことに私は非常にびっくりいたしました。こんな案が既にあるのであれば、そもそも今回の検討会では、他の議論をせずにこの案について議論をすべきでしょう。川尻課長はずっと検討会の場にいたわけですから。厚生労働大臣が国民的議論を喚起するために開催した検討会に具体的な案をかけることもなく、厚生労働省が勝手に作成した案をパブリックコメントにかけるということはどういうことなのでしょうか。今までの検討会での5回の議論は何だったのでしょうか。検討会ではまだ結論は出ておらず、議論がされている最中であるにもかかわらず、勝手に改正案を方向付けてしまうというのはどういうことでしょうか。大臣は国民的議論をするとおっしゃっているにもかかわらず、川尻課長の説明は国民をあまりにも愚弄しています。
そもそも、今までの会合において事務局に意見を求めた際には、「厚労省は議論には参加しない」と明言していたにもかかわらず、結論だけは勝手に決めようとするのは全くおかしいと思います。
出典:「■13号:【楽天・三木谷より】ひどすぎる厚生労働省の対応について(2009/05/01)」(楽天)

 非常に長い引用で恐縮ですが、もし事実がこの通りであるとすれば、まさに国民を愚弄したおそろしく厚顔無恥で傲慢なふるまいと言えるでしょう。

 ただ、本心を言えば、こうした委員会運営のあり方に強い憤りを感じると同時に、「またか」という気持ちにもなります。というのも、僕自身も似たような状況に遭遇したことがありますし、他の方からも何度か聞いたことがあります。

 どうも、声が大きい人(既得権益を持つ人?)によって、公平でなければならない議論がねじ曲げられることは、日本ではまだまだ少なくないようです...(溜息)。

 とは言っても、サスラボを読んでくださっている皆さんであれば、「しかたない」で済ませようとは思いませんよね? 今回、三木谷さんは医薬品の通信販売継続を求めるネット署名で、既に140万筆の賛同を集めています。厚生労働省へのパブコメは5月18日(月)までです。

 140万人を超える国民の声を無視できるのか? 無視させていいのか? パブコメで寄せられているであろう多くの反対意見にどう答えるのか? しっかりウオッチする必要がありますし、さらに多くの声を集めて、三木谷さんの奮闘を応援しませんか?
《参考リンク》
■「【楽天市場】医薬品の通信販売継続を求める署名にご協力を」(楽天)
■「一般用医薬品の通信販売継続を求める声を伝えよう!」(楽天ブログ)
■「パブリックコメント」(厚生労働省)
※件名には「薬事法施行規則等の一部を改正する省令の一部を改正する省令案について」と記入する必要があります。

 そうそう、パブコメと言えば、気候変動防止のための2020年の中期目標に対するパブコメ提出は16日(土)までです。こちらもお忘れなく! MAKE the RULEのWebサイトには、簡単に意見を送ることができるフォームも用意されています。
MAKE the RULE

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2009年01月25日

緑の経済のアイディア募集中

 「日本版グリーン・ニューディール?」でご紹介した日本政府の「緑の経済と社会の変革」について、インターネットでの意見募集が始まっています。
■「「緑の経済と社会の変革」(日本版グリーン・ニュー・ディール)のアイデア募集中! お知らせ(大臣官房)」(環境省)

 「世界で先頭をゆく環境・省エネ国家として、世界で最初に不況脱出」と言う割には、「基本的な考え方」として挙げられている「エコ改造」、「エコグッズ」、「エコファイナンス」の例はどうにもショボイのですが(^^;)... だったら僕たちで本当の変革につながるようなアイディアを考えましょう。

 アイディア・意見の提出は、2月16日(月)までです。

 せっかくなので、今回一つだけいいなぁと思ったことも書いておくと(笑)、「東南アジアのいくつかの都市を集中的に支援し、低炭素化・循環型社会のモデル都市を形成」というものです。日本の力を発揮し、アジアの隣人を支援するのはナイスです。でも、これだって本当は、まずは国内にそういうモデル都市を作った方がいい気もしますけれどね。

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2009年01月23日

新大統領で変わったもの

 大統領が変わると政策がガラリと変わるのがアメリカのおもしろく、健全なところですね。大きく報じられているように、オバマ大統領は早速公約どおりイラク撤退計画の策定を指示した他、グアンタナモ収容施設の1年以内の閉鎖と、拷問のような方法による尋問を禁止する大統領令に署名しました。

 数日前にグアンタナモ収容所の閉鎖を求めるグローバル・アクション"Tear It Down"に署名したときには、まさかこんなに早く実現するとは思っていませんでした(「これでも「標準業務手順」」参照)。

 もう一つ嬉しいニュースは、オバマ大統領の就任式の招待状(なんと百万枚!)には、FSC認証紙が使用されたのことです。今後の森林政策、環境保護政策も期待できそうですね。

 これがその招待状です。右下のFSCのマーク、わかりますか?
ObamaInauguralInvitation.jpg

出典:"Obama's inaugural invitations printed on FSC certified paper"(FSC)
 使用された用紙の一つはNeenah Paper製のClassic CrestというブランドのFSC認証の再生紙なのだそうですが、同社のWebサイトを訪れると、誇らしげに解説が書いてあります。オバマ陣営からは、「もっともグリーンな」紙をとの注文をもらい、FSC認証取得、100%再生可能エネルギー、塩素フリー、100%リサイクルという徹底的に環境を配慮した紙が選ばれたというわけです。Webサイトからは、もちろんこの紙も注文できます。(招待状は買えないようですが...(^^;))

 そうそう、オバマ大統領にとってもグッドニュースもありました。オバマは重度のブラックベリー中毒なのだそうですが、大統領になるとセキュリティの問題から携帯端末は使えなくなることになっていたのに... 大丈夫になったそうです(笑)。良かったですね。

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2009年01月09日

日本版グリーン・ニューディール?

 今年はじめてのメルマガを本日発送したのですが、その巻頭言「変化を起こそう」の中で、オバマ新政権をはじめ、各国が環境に大幅にシフトする中、日本は相変らずなんのビジョンも見えず...ということを書きました。

 すると早速知人のAさんから、麻生さんも5日に日本版グリーン・ニューディールを構想を固めたのではとのご指摘が... スミマセン、このところちゃんとニュースをフォローしていませんでした(^^;)
 政府は5日、地球温暖化対策を景気浮揚に結び付けようとオバマ次期米大統領が提唱している「グリーン・ニューディール」構想の日本版を策定する方針を固めた。2015年までに環境ビジネス市場を06年の約1・4倍となる100兆円規模にし、雇用も80万人増の220万人の確保を目指す。

 6日午後にも、麻生太郎首相が斉藤鉄夫環境相に策定作業を本格化させるよう指示する。
出典:「環境市場100兆円規模 日本版緑のニューディール」(27News、2009年1月6日)

 ただですね、負け惜しみを言うわけではないのですが、なんか今一つ本気度が感じられないんですよね。それによく読んでみると...
 同構想は「緑の経済と社会の変革」をキャッチフレーズに、環境分野に投資する企業に対する無利子融資制度の創設のほか、省エネ家電や電気自動車など次世代自動車の購入を促す施策の拡充、省エネ住宅の新たな普及策などを想定している。

 街灯など商店街で使う電力に再生可能エネルギーを充てることや、複数の人が1台の車を共同利用する「カーシェアリング」への支援策、自治体庁舎への太陽光発電導入推進策なども検討対象。具体策の検討に際しては、インターネットなどを通じて国民からアイデアを募る予定だ。
出典:同上

 なんだかどうも、付け焼き刃的な印象が拭えません。「無利子融資制度の創設」などはともかく、省エネ家電の購入促進では、現在の経済の延長でしかありません。もちろん家電業界、自動車業界、住宅業界への経済支援も必要でしょうが、ここから新しい雇用は生まれるのでしょうか? 経済は持続的に活性化するのでしょうか?

 そして何より、今本当に必要なのはグリーン経済への移行であり、そのための「投資」が必要なのです。投資というのは単にお金を出すということではなく、将来より大きなリターンが戻ってくるところにお金を投ずるということです。予算のバラマキのことではありません。

 グリーン経済は、これまでの経済とは異なり、持続可能なものであるはずです。そのような新しい経済を実現するには、今までとは根本的に異なるエネルギー政策環境政策が必要です。単なる技術や小手先の調整ではなくて、社会システム全体を変えるようなイノベーションが必要なのです。

 環境イノベーションを起こして、どのように持続可能な日本を目指すのか、それをきちんと示してもらいたいと思います。そうしたビジョンや「構造改革」なしに、省エネ家電だけ増やしてもほとんど意味はないでしょう。

 唯一の希望は、具体的な計画がまだ決まっていないということ(^^;)です。「インターネットなどを通じて国民からアイデアを募る予定」だそうですから、僕たちもどんどん応募しましょう(笑)。

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2008年07月07日

首脳たちの評判は?

 いよいよG8サミットが始まりました。洞爺湖に集った世界の首脳。その評判はどうなんでしょうか?

 皆さん苦戦していますが、我らが(?)福田さんは支持率22%で、G8中最低のようです。これに続くのがブッシュ大統領の23%。まぁ、似たようなものかもしれません。

 初日の今日はアフリカの開発と食料問題が主なテーマでしたが、これに対してNGOのオックスファムは手厳しく批判しています。「富裕国にはわずかな金額かもしれないが、アフリカ諸国にとっては死活問題だ」という言葉、真剣に受け止めてもらいたいですよね。

 そしてさらに憂慮されるのが、明日の昼と明後日最終日に議題となる気候変動です。これに対してオンラインで署名を集めているAVAAZ.orgは、アメリカ、カナダ、日本の3ヶ国のリーダーが、2020年までの削減目標の策定を妨害していると非難しています。

 世界は10年経ってこの3人が「大人になる」のは待てないので、署名と風刺広告を首脳が泊まるホテルに届ける計画だそうです。

 というわけで、漫画のタイトルは「ハロー、キディー(ハロー、お子ちゃまたち)」たちです(^^;) あまり可愛くないキディーばかりですが、それにしてもなぜ福田キディーはチャイナドレスなのか? 謎です。

hello_kiddies.jpg

※メッセージは「大人になろうよ。そして、2020年の気候目標を今作ろう」。

 この広告を支持する署名は現在世界で180,436人、20万人までもう一歩です。署名に参加なさる方は、こちらから...
■"Harper, Fukuda, Bush: Climate 2020!"(AVAAZ.org)

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2008年04月08日

誰が引っ張っているのか?

 数日前のヘラルド・トリビューン紙で大変興味深い記事を見つけました。「誰がヨーロッパを引っ張っているのか?」というアンケート調査結果です。

 イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、そしてアメリカの6カ国で合計6676名の成人に、「欧州5カ国のうち今、どの国がリーダーだと思うか?」と尋ねたのです。結果は以下の図の通りです。
0405gpoll600.gif
図と記事の出典:"The leader of Europe? Views an ocean apart."(International Herald Tribune, April 4, 2008)

 おそらくどの国の人も、自国がリーダーだと思っているかと思いきや.... ドイツでこそ自国がリーダーと考える人が57%で一番多かったのですが、この数字はイタリアでも同じでした。スペインではドイツが39%で一番、そして驚いたことに、イギリスでも自国は33%なのにドイツの方が35%とわずかに高いのです。

 さらに驚くべきことは、あの誇り高いフランス人の68%がドイツがリーダーだと考え、自国がリーダーだと考える人は19%しかいないのです! こうしてみると、少なくとも欧州のこの五カ国について言えば、かなりの人はドイツが盟主と考えているようです。

 イギリスをリーダーと目する人は、イギリス自身やスペイン、イタリアでやや割合が高いようですが、それでもドイツとは比べものになりません。ちなみにイタリアをリーダーと考えるのは、どの国でもわずか1〜2%、イタリア人自身までそう思っているのが面白いですね(笑)。

 それにしてもドイツのこの影響力、日本人の僕にはどうもピンと来ません。そもそもドイツに関するニュースは限られていますし、あまり良い話題ばかりというわけでもなさそうすし....

 そして今回の調査でもっとも興味深いのは、アメリカ人の63%がイギリスがリーダーだと思っていることです。ドイツがリーダーと考える人の割合は、6カ国中でもっとも低い20%に過ぎません。アングロサクソン同士、イギリスの力を高く評価したい心情は理解しますが、要はわかっちゃいないのです。

 もっとも、日本でこのアンケートを行ったら.... さらにわかっちゃいない結果になるかもしれませんが...(^_^;) そして一番気になるのは、このアンケートをアジアで行ったらどうなるかです。あなたは、「どの国が今、アジアのリーダーだと思いますか?」

今日も、ありがとうございます。
この結果、納得ですか?
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2008年02月10日

ロンドンで考える

 考えてみたらイギリス訪問は3年ぶりでなのですが、前回の訪問時に比べて、明らかに活気が感じられます。なんてわかったようなことを書いていますが、僕はいつも短期間滞在するだけで、イギリスの事情なんて全然知りません。それでも、前回との差は歴然としているのです。空前絶後の景気だそうですから当然なのかもしれませんが、人と活気と、そしておそらくは大量のお金が集まっています。

 その理由は、もちろん80〜90年代の規制緩和、特に1986年のビッグバンによって、ロンドンが再び世界経済の中心になったことが大きいのでしょうね。今や金融セクターが経済全体の1/3(!)を稼ぎ出し、世界中からロンドンにお金と人が集まっています。

 きわめて高い収入を得た金融マンたちのお蔭で、歴史ある超高級な老舗は再び潤い、中心街の住宅価格も急騰しているといいます。その一方で、各地から集まった移民労働者も明らかに増えています。

 街で見かけることが多いのは移民や、世界各地からの観光客の方です。大衆的なお店で接客する人のかなりの割合は移民のようです。見かけから多様性が感じられるだけでなく、クセのある英語を話すので、古くからの住民ではないことはすぐにわかります。昨夜ホテル近くのカフェで夕食を取ったとき、明らかに外国人のウェイトレスに出身地を尋ねてみたら、「リトアニアからよ。リトアニアって知ってる?」との返事でした。

 高級ブランドの並ぶボンド・ストリートも、世界各地からのお客さんで賑わっています。日本では滅多に見かけることがない超高級車のマイバッハやベントレー、そしてもちろんロールスロイスもそこら中を走っています。

 もちろん弊害もあるでしょう。既に書いたように、ロンドン市内の住宅は高騰しているでしょうし、物価も上がっているようです。桁外れのお金持ちと貧しい人へと、二分化も進んでいるといいます。ポンド高のせいもあり、日本から来ても物価が高く感じられます。お金持ち以外には住み難くい場所になりつつあるかもしれません。

 ですから、今のロンドンや最近のイギリスの政策がベストというつもりはまったくありません。それでも、今の活気と、これだけの変化をわずか20〜30年の間に可能にした政治の指導力には、驚くしかありません。かつて「イギリス病」と揶揄された沈滞ムードは、少なくとも今のロンドンにはありません。むしろ今の日本の方が、かつてのイギリスに近そうです。

 現首相のゴードン・ブラウンは、前任のトニー・ブレアに比べるとぐっと影も人気も薄いようですが、経済の専門家ですし、気候変動についてはブレアの政策を踏襲し、より確実な変化を生もうとしています。

 必ずしも人気はないようですが、大ロンドン市長のケン・リビングストンは渋滞税(ロードプライシング制)を導入するなど、積極的な改革を進めています。こうしたリーダーたちが、ダイナミックかつ素早い政策変更をしてきたことが大きな成功要因なのでしょう。

 ひるがえって日本はと考えると、地方自治に関してはいくつか変化の芽が現れてきているようにも見えますが、国政に関してはまったく期待できない状況です。単に指導力がないだけでなく、現在の状況認識からしてほとんど出来ていない方々ばかりで、まったく暗澹たる思いになります。

 もう一つ、イギリスですごいなと思うのは、ストックの厚みです。18か19世紀、あるいはもっと古いものも混じっているのかもしれませんが、その頃に立てられた立派な建物が、今再び輝きを取り戻しています。

 しばらく前までは大英帝国の繁栄の遺産でしかなかったのでしょうが、そこに再び活気が戻れば、今度はそのストックがものすごい価値となり、さらに人とお金を惹きつけているのです。いくらビッグバンがあっても、なんのストックもなければ、たかだか20年、30年で、これだけの大都市は復興できなかったはずです。

 自国のストックに惜しみなく投資することの価値を、改めて痛感します。そしてこれも、残念ながら日本では顧みてこられなかったことです。流行だけを考えた、長持ちしない、安っぽいストックしか作らず、余ったお金は海外に投資する。そんなスタイルを続けていては、いつまで経っても、がっちりした社会を作れないのは明らかです。

 今のイギリスと日本を比べると溜息が出て来るのですが、愚痴を言っていてもしかたがありません。イギリスのやり方をしっかり研究して、日本も再度、日が出づる国と胸を張れるようにしたいですね。そのためには、他の国が真似したり、競争できない、日本ならではの強みを見極めることと、人々が安心して生産的な人生を送れる環境と仕組みを整えることです。このことは、経済的な側面も含めた、持続可能な社会像を考えることに通じるのではないかと思います。

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2007年12月21日

ラコタ族が独立宣言

 アメリカの中にもう一つの国が誕生しました。ネイティブアメリカンのラコタ族(別名スー族)が、ネブラスカ、サウスダコタ、ノースダコタ、モンタナ、ワイオミングの5州にまたがる地域(下図参照)を自分たちの領土であるとし、「祖先が米国政府と締結した条約を脱退する」と宣言し、国務省に事実上独立の声明を届けたのです。

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出典:「北米の先住民族ラコタがアメリカに対して独立宣言を突きつける」(GIGAZINE、2007年12月21日)

 そんなことが出来るのかと疑問に思いますが、条約脱退は合衆国憲法第6条にのっとっており、完全に合法なのだそうです。また、今年9月に国連が採択した「先住民族の権利に関する国連宣言」(先住民族宣言、参考エントリー「先住民の権利を守るために」)もこれを後押しをしているようです。ただし、米国はこの宣言に参加していませんが... それがこうした形で実際に生きてくるのかと思うと、ちょっと感慨深く感じます。

 しかし、それ以上に感慨深く思っているのは、ラコタ族の人々自身でしょう。ラコタ族の独立運動は 1974年、独立継続宣言を起草することで独立運動を再開しました。そして33年かけて準備が整え、ようやく今日に至ったのです。

 いや、実際には彼らの独立運動は白人が自分たちの領土に入り込んで来たときから始まったいたのです。そして米国はラコタ族と33の条約を結びますが、それに従わないばかりか、ラコタの「土地や水、子どもたちを収奪し続けている」といいます。実際、彼らを取り巻く状況は非常に厳しいものです。

 現在、ラコタ族男性の平均寿命は世界でも最も短い44歳未満。10代の自殺率は米国平均の1.5倍、乳幼児死亡率は米国平均の5倍となっており、失業率も高い。ヤング氏は、自分の生きている間に問題は解決しないだろうとしながらも「わが部族は、単に這いつくばって生き延びたり、マスコットになるのではなく、『生』を求めている。米国を当惑させようとしているのではなく、われわれの子どもや孫のための戦いを続けるためにここにいるのだ」と決意を述べた。


 僕はこうしたラコタの歴史や現状を断片的にしか知りませんが、今年の夏にラコタ族の人から、彼らの考え方や、歴史、立場を聞く機会がありました(「インディアンの教え」、「インディアンの言葉」、「自然を感じる」参照)。そのときのことを思い出しながら、やはり彼らは被圧された現状に甘んじていることを潔しなかったのだなと思いました。背筋を伸ばし、自然を敬い、自分たちの生き方に誇りを持つラコタの人の姿が甦って来ます。

 損か得かではなく、自分たちの文化、価値観、生き方を大切にし続け、再び自分たちの社会を作ろうとするラコタ族に声援を送りたいと思います。そして、アメリカ政府がこれにどう反応するか、注意深く見守りたいと思います。ちなみにラコタとは、彼らの言葉で「友人」という意味です。

今日も読んでくださって、ありがとうございます。
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posted by あだなお。 at 23:59| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | 政治・政策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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