2010年04月28日

宝物を探そう

 前回紹介した滋賀などもそうなのですが、外の目から見ると素晴らしい自然や文化がありながら、地元の方はなかなかその価値に気付いていない場合が多くあります。いえ本当は、外の目からも簡単には見えないけれど、どこにでも素晴らしい宝物はあるのです。少なくとも、その場所の歴史はそこだけのものであり、決して他にはありませんし、その場所においても同じものを再び作ることはできません。

 ところが大体どこに行っても、皆さん口を揃えて「ここには何もないから」とおっしゃいます。たしかに世界一や日本一の「特別なもの」はないかもしれませんが(いや、ひょっとしたら本当はそれだってこれから発見されないとも限りませんが)、そこの場所にしかない「特別なもの」はきっとあるはずです。

 そういうその地域の宝物を運良く探し当てるための合い言葉があります。「ないものねだりから、あるもの探し」です。他所の宝物を引き合いに、「うちにはそんなものはない」と言って、ないものねだりをしてもしかたがないのです。そうではなくて、自分たちの地域には何があるのか、それをきちんと探しましょうということです。

 沖田地区でお年寄りが昔の経験を屏風に仕立てたのは、「心象絵図」と呼ばれています。「風景の記憶」なんていう風流な呼びかたもあるようです。ググるといろいろな地域の話が出てきますので、興味があればぜひ検索してみてください。
《参考リンク》
心象図法で地元学」(東近江地元学ネット:講演記録:上田洋平)

 心象図法は、自分たちの五感の記録を発掘し、その中で宝物を探していくやり方ですが、それ以外にも地域にあるものを探すのに役立つ視点があります。若い人たちの視点、常識に囚われない視点、外からの視点です。内部にずっといるとわからないこと、当り前に思えることでも、ちょっと視点をずらせば見えてくるものがあるということです。わかりやすく、「若者、馬鹿者、余所者」なんて言ったりもしますが(笑)

 特に里山の風景などは、地域の方々にとっては当り前の、あるいは当り前だった、おのです。ちょっと視点をずらしてみないと、なかなかその真価はわからないかもしれません。COP10の今年、日本は「里山イニシアティブ」をぶち上げています(中身は今一つよくわかりませんが(^^;))。皆さんの周りにある、あるいは失われつつある、普通の風景の素晴らしさを再認識するのにいい機会なのではないでしょうか。

 ところでちょっと話は変わりますが、そんなヤヤコシイことを言わなくても、誰が見ても素晴らしい、だけれど案外知られていないところも日本にはたくさんあります。例えば、僕がいま一番見に行きたいのは、山口県の田ノ浦です。中国電力が建設計画中の上関原発の予定地になっている場所です。対岸には、これまた美しい祝島があります。写真や映像でしか見たことがないのですが、例えば以下の記事の中にあるような写真を見ると、もうそれだけでクラクラして来ます。
《参考リンク》
■「生物多様性の宝庫・田ノ浦を埋め立てればこの美しい海は死んでしまう」(Liberal Utopia 持続可能な世界へ)

 なるべく早く実際に見に行きたいと思っていますが、すぐには行けそうにありません。そんなことを思っていたら、鎌仲ひとみさんから、新作の「ミツバチの羽音と地球の回転」がついに完成、試写会をしますというお知らせをいただきました。上関原発予定地の対岸にある祝島の方々を中心に、エネルギーの未来を問いかける映画です。エネルギーと人々の暮らし、生物多様性、そんなことの関係を考え、そして田ノ浦や祝島の美しい自然を、まずは映画で見てみたいと思います。

 間もなく、ゴールデンウィーク。皆さんもぜひ、身の回りや旅行先で、まだ知られていない宝物を探してみませんか?

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2010年04月15日

PCI考えてますか?

 最近いろいろな企業が生物多様性に関して、方針、ガイドライン、行動指針、基準を発表なさっています。いい傾向と思う一方、これだけできちんと機能するのだろうかと、心配になることがあります。
《参考リンク》
■「生物多様性ガイドライン 幅広い企業から続々登場」(環境経営フォーラム EMFレポート)
■「広がる生物多様性保全 企業にリスクとしての認識広がる」(ECO JAPAN)

 というのは、方針というのはその問題について最上位かそれに近いところに位置づけられる基本的な考え方ですから、あまり細かいところまでは立ち入らないのが普通です。しかし実行上は、それだけでは心許ないので、一つ一つの行動がその方針に合致しているかどうかを判断する具体的な基準が必要になります。

 原材料がある考え方に合致したものであることを認証しようという場合には、こうしたことを明確に、また公正に行う必要がありますので、principles(原則)、criteria(基準)、indicators(指標)というPCIの3段階、PCI frameworkで規定し、管理したりします。

 つまり基本的な考え方をまずpriciplesで述べます。それに合致しているかどうかはcriteriaを用いて判断します。また、パフォーマンスの程度を定量的に示すものがindicatorです。PCIの3つが揃っていれば、ある項目の状態やパフォーマンスが、どのような状態にあるかを定量的に示し、それが求めている条件に達しているかどうかをブレずに、一意的に判断することがでいます。すなわち、明確に、公正に判断できるわけです。

 「生物多様性『方針』」は認証とは目的が違いますが、この考え方は応用できるのではないかと思います。もし方針そのものは比較的一般的でざくっとしたものであったとしても、それに基づいた明確な目標を設定し、そのための具体的な行動計画を立て、進捗状況を計る指標を設定する。そうなれば、生きた方針、すなわち機能する方針になるはずです。

 あるいは「原材料調達『方針』」であれば、それは当然基準を伴わなければなりません。できれば、方針、基準、指標と揃っていると、一番わかりやすいでしょう。

 方針、指針を作るのは、企業活動の方向性を示し、進捗を評価、管理するためのはずです。だとすれば、単に方針を作って示すだけでなく、それとセットで定量的な目標や指標も作らないと、きちんと機能しないのではないでしょうか。

 海外の団体などがルールを作るのを見ていると、このPCIをしっかり意識しながら構造化されたルール作りをしていることがよくわかります。PCIフレームワークを作ることを目指して、どんどん細部まで詰めていくのです。日本では「方針」だけがぽーんと発表になることも多いので、その辺はどうなっているのかなと気になってしまうのです。

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2010年01月06日

個人の力を増幅するもの

 今日の日経の「春秋」にも取り上げられているように、鳩山首相が御正月からツイッターを始めました(@hatoyamayukio)。どんな対話ができるようになるのか、どんな成果が出るのか、まだまだわかりませんが、それでもこの一歩には期待したいと思います。(春秋の書き手は、かなり皮肉な見方をしているようですが....)

 もちろんツイッターのユーザーからは大歓迎。既にフォローワーも115,000名を超えています。ツイッターのユーザーでもあり、鳩山首相に直接お誘いしたというさとなお氏(@satonao310)が、ブログで素敵な歓迎をしています。大賛成です。
■「ボクはネットの善の力を信じている」(さとなお.com)

 そして今日、同じくTwitterで知った素敵なニュース。インターネットによる署名活動で10日間で約10万通の署名を集め、「漢方薬保険外し問題」を阻止するのに大きな力を発揮したのだそうです。特にツイッターがもっとも、大きな力を発揮したようです。もっとも、僕はこのニュースをツイッターで知るまでは、署名集めそのものは知りませんでしたが...(^^;)
■「【インタビュー】署名サイトを運営した東京大学医科学研究所病院・湯地晃一郎氏」(薬事日報ウェブサイト)


 これからいよいよ、選挙活動へのインターネットの使用も解禁になります。直接民主主義的な動きが、インターネットを通じて一気に盛り上がりそうです。僕も、ネットの善の力を、そして個人の善の力を、信じたいと思います。そして勿論、この個人の力を増幅し、つないでくれるネットの力にも...

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2008年03月25日

新手の環境コミュニケーション?

 環境問題の重要性や、環境問題へ取り組もうというメッセージを伝えること、こういうのを総称して環境コミュニケーションっていいますよね。昨日のアル・ゴアからのメールも、うまい環境コミュニケーションだと思います。

 今週はこの環境コミュニケーションについてちょっと考えてみましょう。

 地球は満身創痍というべき状態からなのか、環境コミュニケーションすべき事柄は実にたくさんあります。例えば今年が「国際サンゴ礁年(IYOR: International Year Of the Reef)」であることを、皆さんご存じだったでしょうか?

 「国際サンゴ礁年」のWebサイトに行くと、いろいろな情報に加えて、ロゴや、ポスター、さらには名刺用のデータ、学習素材など、目を引く様々な素材が用意されています。イメージキャラクターはちょっと怪しげですが、子供たちはこういうのが好きなのかもしれません(^^;)。

 企業もこれを支援すべく頑張っていて、僕が欲しいのは堀場製作所のサンゴ礁カレンダー。既に在庫はなくなっているようで残念すが、 CORAL21というブログでどんなカレンダーかご覧になれます。画像をクリックしてみてください。
■「レアモノなサンゴ礁カレンダー2008」(CORAL21)

 で、なぜかgooもサンゴ礁年を応援しているようで、「みんなで沖縄の海にサンゴを植えよう」というプロジェクトを行っています。3月14日で終了予定だったのですが、4月以降も継続が決まったようです。

 このgooホーム PROJECTは、「いまさら、SNSは、何ができるのだろうか?」と言ってみたり、意味不明なイラストを使っていたりで、かなり脱力系です。

 それだけでもスゴイ(?)のですが、さらに意味不明なサンゴママというキャラクターが出て来るビデオクリップを5本も作っています。ちょっと悪乗りという気もしますが.... これで興味を持ってくれる人が増えれば、これも立派な環境コミュニケーション!?



 サンゴママ、温暖化について熱く語っていますが、肝心のサンゴに関する知識はかなり怪しかったりしますが... その辺も、リアル感を高めるための工夫なのでしょうか?(^^;)

 なお、このビデオの続きをご覧になりたい方は、You tubeで「サンゴママ」と検索すれば出てきくるそうです。

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サスラボも環境コミュニケーションになってますか?
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2008年03月12日

国際連帯に向けて

 国際連帯税という仕組みをご存じでしょうか? 個人的には税金を払うのは好きではありませんし(^^;)、税金がなるべく少ない、小さな政府の方がいいとは思うのですが、国際連帯税というのは少し毛色が違います。

 国際連帯税とは、例えば国際通貨取引などにあたってごく低率の課税をし、それを途上国の問題解決に使おうというものです。国際通貨取引に対して課税するというアイディアは、ノーベル経済学賞を受賞者したジェームズ・トービンが提唱したことから、トービン税とも呼ばれます。

 今や日々の外為取引は実態経済の何百倍と言いますから、わずか0.01〜0.05%程度のトービン税でも莫大な金額になるのです。もしこれを途上国の貧困対策など問題解決に使えば、豊かな人々の投機的なお金の動きによって、現在のODAに匹敵するようなことができるというアイディアです。

 きわめて低率とはいえ税金が課されることから、投機的なお金の流れを多少は抑制し、経済の安定化にも貢献できるかもしれません。

 《参考リンク》
■「いま、なぜトービン税!?」(altermonde)

 トービン税は技術的に難しいと言われている部分もあるようですが、既に実現している国際連帯税に、フランスなどが実施している航空券税もあります。フランスの場合、国内線、国際線の航空券に対して、搭乗クラス等に応じて1ユーロから40ユーロの間で課税しています。最近フランスに旅行なさった方は、意識せずとも支払ったはずです。

 実は日本でもついにというか、ようやくというか、この国際連帯税が日の目を見ることになるかもしれません。2月28日に、超党派の議員によって「国際連帯税創設を求める議員連盟」が設立されたのです。
■「国際連帯税創設を求める議員連盟が設立されました(2月28日)」(グローバル・タックス研究会)

 「開発のための通貨取引税(CTDL)」を含む制度研究が目的だそうです。人数的にはまだ10名余と少ないようですが、洞爺湖サミットをにらんで、日本も真剣にこれからの国際貢献への方法を考えはじめたという意味では、大きな一歩だと思います。過去のサミットでは国際連帯税が議題になったこともあるのですが、日本は前向きではなかったからです。

 「開発のための通貨取引税(CTDL)」について詳しく勉強したいという方は、今度の土曜日にグローバル・タックス研究会の勉強会もあるそうです。
■「3月15日GT研究会「開発のための通貨取引税(CTDL)とは何か?」開催」(グローバル・タックス研究会)

 航空券税にせよ、トービン税にせよ、一人ひとりの負担は大したことはありません。その程度で世界がより平和に、安定的になるのなら、むしろ安いぐらいです。そして何より、無理なく国際的な連帯が図れる、自分もそれに参加できるということが素晴らしくありませんか? この制度が、日本でも早く実現することを願っています。

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こんな税金だったら払う気になりませんか?
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2007年07月14日

20年後を考えるために

 今日は、おもにアジア各国から集まった大学生たち向けの講義とワークショップでした。ある企業財団が主催しているもので、毎年約3週間、アジア・オセアニア地区から参加者を募り、日本のことを学んだり、日本の学生と議論したりするという、なかなかすごいプログラムです。財団のご担当の方々は3週間ほとんどつきっきりだそうで、頭が下がります。

 講義で話をしたのはもちろん、サステナビリティについてです。学生さんたちの多くが途上国からの参加者ですから、これ以上の量的な経済発展は難しいと言うのはちょっと酷かとも思ったのですが、現実は直視する必要があります。そしてもちろん、経済発展、特にGDPで測られるような発展がすべてではありません。そしていずれにしろ、持続可能な社会を考えないことには、僕たちは生き延びることすらできないのですから。

 こういう議論になるとえてして「先進国はズルイ」という話になりがちですが、今回参加した学生さんたちは厳しい選抜を経ているだけあって、皆さん優秀かつ礼儀をわきまえているのでしょう。そういう不平不満や対立はなく、建設的な議論に終始しました。

 実際、議論の結果を発表するのを聞いていると、様々な問題の重要な因果関係をしっかりと捉えていて、理解度が高いことがわかります。ただ別の見方をすれば、優等生的な発言や結論に終わっているという印象もあります。

 実は僕は去年も同じプログラムの講師を務めたので、たぶんそうなるんだろうなと予想していました。いくら器用にもっともらしい結論をまとめても、それを実行しなければなんの意味もありません。せっかく持続可能性や環境問題、社会問題について熱心に議論したら、ぜひそれを具体的な活動につなげて欲しいのです。

 そのために今回はちょっとした工夫をしてみました。まず一つは、問題の解決方法を考えるだけでなく、そのために「自分」がどう貢献できるか考え、「こうします」とコミットしてもらうことです。一般論ではなく、誰か他の人がすることではなく、自分の問題にするということです。

 そしてもう一つは、何をするかをまずは長期間で考え、次にごく短期間で考え、さらにその中間の期間で考えるということです。長期の目標であれば、本当に自分のしたいことを、理想的なことを、考えることができます。逆に数ヶ月から1年程度のごく短期間であれば、できることを具体的に考えられますし、それを実現するのもそう難しくないでしょう。抽象的な問題ではなく、現実の問題にできるのです。

 そしてその両者をつなぐものとして、5年とか、10年先までになすべきこと、やりたいことを考える。短期の目標を達成した後にさらに長期目標を達成するためには、いつどんな通過点を通らなければいけないか、そう考えることができるはずです。こういう順番で考えれば、チャレンジングではあるけれど、かなり現実的な中間目標を描けるはずです。この方法、けっこうオススメです。

 今日の最後の発表を聞くと、正直言ってすべてのグループが、すべての学生さんがこちらの意図したことをきちんと受け止めてくれたというわけではなさそうです(^^;)。昨日書いた「聞いたことは忘れる」ではありませんが、一度聞いたぐらいではなかなか理解し、身に付くわけではありません。重要な問題だとはいいながらも、自分自身の問題としては捉えられていない学生さんが多いのです。

 しかし、いくつかのグループからは、「自国に戻ったらこんなことをして、5年後にはこんな仕事をしていて、20年後にはこんな社会を実現しています!」という力強いコミットメントを聞くことができて、とても嬉しくなりました。本当に頑張ってよ!と応援したくなりました。

 今日一日考えたり、議論したり、体験したことを、このうちの何人かは、ときどき思い出してくれたり、実行に移してくれることを願わずにはいられません。しかしその彼ら、彼女たちが最前線で力を発揮するのは、まだ10年、20年先のことです。それまでは、僕たちがもっと頑張らなければとも思いました。まずは、どうすればきちんと伝わるのか、もっと修業が必要ですしね(^^;)。

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2007年07月03日

green.tv japan開局

 文字だけよりは画像があった方が、そしてさらにその画像も動いて、音があった方が、格段によく伝わります。ましてや、実際に見たことのないもや、経験したことのないモノゴトであれば、なおさらです。

 環境に関することも映像であれば、その美しさも、問題の深刻さも、リアルに、ストレートに伝わりそうです。だったらテレビ。テレビで環境番組をたくさんやってくれたらいいのになぁ。一度は、そう思ったことがある方も多いのではないでしょうか。

 そんな方に是非おすすめしたいのが、green.tv。名前の通り、環境専門のチャンネルです。昨年イギリスで始まったインターネット上の放送局なのですが、現在、日本版が12月の本格オープンを目指して準備中です。日本は、イギリス、ドイツについて、世界で3番目です。

 そしてそのβバージョン、プレサイトがいよいよ6月29日から視聴できるようになりました。
green.tv(UK)
green.tv japan(日本)

 現在のところチャンネルは、「People(ピープル)」、「Global Warming(地球温暖化)」、「Natural environment(自然環境)」、「Green LIFE(グリーン・ライフ)」、「Ecology&Economy(エコロジー&エコノミー)」の5チャンネル。今のところ各チャンネル、3〜8番組ぐらいですが、これから12月に向けてどんどん番組数も増えるのでしょう。

 ふつうのテレビと違って、興味のおもむくままどの番組を観ても役に立つのがいいところですが、僕は例えば、Peopleのチャンネルにある「平和思想の巨匠が語る日本が亡くしたもの」をお勧めしたいと思います。サティシュ・クマール氏がgreen.tv japanのオープンによせて、日本が持続可能になるためのアドバイスを下さっています。soil、soul、 societyを大切にしなさいという言葉、しっかり胸に刻みたいと思います。

 今は海外の番組を日本語にしたものも多いのですが、アースデー東京やエコプロ展など、いくつかは日本のオリジナル番組もあります。将来はこうした日本発の番組が、世界に発信されていくのでしょうね。

 日本版は今のところオンラインで視聴するflashムービーだけですが、本家のイギリスでは、Flash、Windows Media、Quicktime、そしてiPod用にもダウンロードできるようになっています。日本でも将来は、見たい番組をいくつかiPodにダウンロードして、移動時間などに観るという楽しみ方ができるようになるかもしれませんね。

 日本のアライアンスパートナー(地域メディア)も募集中とのことですので、環境に関する映像コンテンツをお持ちの方は、将来のパートナーになれるかもしれません。いろいろな点で今後の発展が楽しみですし、目が離せません。

今日もお訪ねいただき、ありがとうございました。
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2007年06月20日

環境立国を体験

 先日、フルハシ環境総合研究所さんが開発した環境立国エコ・ネイションゲームという体験型の環境教育プログラムを経験しました。参加者は8つのグループ(国)に分かれ、それぞれがエコ・ネイションを目指して活動するのです。言ってみれば、もし自分がある国の大統領になったら、環境大臣になったらという経験ができるのです。

 各国には、それぞれ異なる背景で、つまり異なる資源や技術からスタートします。足りないものは他の国から買ったり、借りたり、交換したり。自由にやり方を工夫して、経済活動をすすめ、国を豊かにしていきます。

 しかし、生産活動には当然、廃棄物や二酸化炭素の排出を伴います。持続可能な国を目指すには(いや、別にこのゲームでは「持続可能な国を目指しましょう」というゴールを設定しているわけではありませんが...(笑))、排出したものを処理しながら、生産活動を進める必要があります。

 ゲームとわかっているのですが、それでも始まるとすぐに夢中になります。今回は企業人の方が多かったのですが、皆さん普段の仕事とはちょっと違った様子で(?)ゲームに熱中していました。かく言う僕自身も、時間が経つのを忘れるほどでした(笑) 自分ではあまりそうは思っていないのですが、結構、競争好きなようです(^^;)。

 ゲームがどういう結末を迎えるのか、どうすればいい成績を残せるのか、それはここでは明かさないことにします。しかしその結果以上に、ゲームの過程が興味深く感じられました。

 何を判断基準に進めたらいいかがわからないと、とりあえずどんどんと生産を急ぎ、お金を稼ぐ。これは案外、人間の性なのかもしれません(^^;) しかし、これはなんと言っても「エコ」ネイションゲームです。環境への配慮をしなければしっぺ返しを食うのだろうなと思うので、環境配慮もしてみたり...(笑) でも、どのぐらいしたらいいんだろう?

 このようにまったくの手探りでゲームを進めると、ふだん気が付かない、自分の価値観とか、判断基準を垣間見ることにもなるようです。そして、他の人が自分とはまったく違う判断をすることが新鮮に見えたりします。今回は初めてお会いする方々がほとんどでしたが、社内研修などで、お互いよく知っている(つもり?)の方々とすると、新鮮な発見もあるかもしれません。

 一般的な環境教育としても役立ちとは思いますが、できればマネジメント層にこそ体験してもらいたいと思います。また、国によって保有する資源や技術に大きな違いがありますので、いろんな国の「大臣」としてプレーしてみることで、異なる立場の方々を理解することにも役立ちそうです。

 あるいは、ルールをいろいろとアレンジすることで、様々なシナリオを経験してみたり、より高度なゲームにすることもできると思います。いろいろな可能性を秘めているゲームです。

 いずれにしろ、重要なのは結果ではなく、それに至るプロセスと、それを自分自身で経験することです。経験することで、今までは頭の中で理解していただけのことを、その立場になって実感することができるようになります。これこそ体験型プログラムの醍醐味ですね。

 そして、そうやって自分の実感として理解したこと、気付いたことは、本当に自分の血となり肉となる経験です。本来であればこうした経験は、チャンスに恵まれ、相当の時間を費やして、結構な出費を伴って、やっとできることです。それが、ごく短時間に、ほぼ同様の経験ができてしまうのです。これはスゴイことです。

 だから、僕はこういう体験型ゲームやプログラムが好きです。本当に他人の立場にたって考えるには、ゲームのように熱中できるものがいいのです。しかも、これはその環境版。環境立国をどう実現したらいいかまで、考えることができます。皆さんもぜひ一度、実際に体験してみてはいかがでしょうか?

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2007年05月16日

「ギャル」もマイ箸

 エコもいよいよメジャー化? そんな期待を感じさせる事件、いや、ニュースを見つけました。
 一方、渋谷では同日、総勢110人の「ギャル」が、自分用の携帯する箸「MY HASHI」を手に、森林保護のために割り箸をやめようと訴えながら約2キロを歩いた。発起人の藤田志穂さんは「ギャル」向けのマーケティング情報会社を 19歳で起業した人で、そのファッションやメイクから「ギャル社長」として知られる。「若者はECOに興味が無い訳ではなく、触れるキッカケがあまりなかっただけ。若者と同じ目線で解りやすく伝えなければいけない」と、エコ活動を行うプロジェクト「EMERALD DRIVE」のHP上でコメントした。
出典:「クールビズと「MY HASHI」でエコ(J-CASTニュース)」(J-CASTニュース、2007年05月15日)

 で、その「ギャル」たちがエコを行うプロジェクトのHP「EMERALD DRIVE」を早速のぞいてみると...
「本日はお忙しい中お集まり頂き誠に有難うございます!!ぶっちゃけエコについてそんなに詳しくありませんが、若者からエコをハッシンしていきたいと思います!」

 さすがギャル社長、ユニークというか、独特の発言が続きます。
「若者からエコを広げよう!大人目線だけじゃ若者の心は動かなぃ!ォシャレに楽しく、心地ょく!ェンタメ的要素もたっぷりでぃぃ!ィケてるエコをハッシン! 」

「ハッシンがポイントで、発信(電波のようにスピーディに伝ゎってぃく!)でもあり、発進(個人個人が1歩でも発進!)でもあり、発振(波紋のょーに振動が世界に広がってぃく)でもあります!!ぁくまで、若者にキッカケをハッシン!」

 自分たちの視線で、自分たちの言葉で、そして自分たちで行動していくというのがいいですね。サイトも「グリーン」ではなくて、「エメラルド」なのがいいですね。「エメラルド色のきれいな地球にしよう!」だそうです。

 彼女たちの感心や、実際の活動は身の回りのことが中心のようですが、これからどんどんそれを深堀して、立派な「地球人」になってもらいたいと思います、ハイ。
《参考リンク》
自分の周りで小さなエコってなんですか?(GRPランキング)

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2006年08月17日

「声をあげろ」

 愛や平和についてのメッセージを込めたジョン・レノンの名曲が今、アヴィリル・ラビーン、ブラック・アイド・ピーズ、スノウ・パトロールなどアーティストたちのカバーで復活しています。しかも、その曲をダウンロードすると、1曲あたり0.77ポンド、つまり約150円の売上のすべてがアムネスティによる国際的な人権擁護活動に使われるのです。





 キャンペーンのタイトルは"Make Some Noise"、つまり「声をあげろ」とか、「黙っているな」ということですね。アーティストはシャウトし、それに賛同する人たちは音楽を楽しむ。そしてそのときに支払ったお金が、人権を守るために使われるというわけです。なかなかうまい仕組みですよね。
Make Some Noise(アムネスティ・インターナショナル・ジャパン)

 これらの曲がダウンロードできるのは、このMake Some Noiseキャンペーンのサイトからだけです。ファイル形式はWMP, AAC, MP3の3つ。僕はAACで2曲ほどダウンロードして、iTuesのライブラリに加えました(笑)

 このキャンペーンはオノ・ヨーコさんの全面協力で実現したものです。オノ・ヨーコさんがこうやってジョン・レノンの遺志をついでいるところは、日本人としてなんとなく誇らしいですよね。その一方、今のところ日本人アーティストが参加していないのはちょっと残念です。きっとこれから出てきてくれるのだろうと期待していますけれど...

 また、おそらく日本独自であろう試みとしては、着うたとしてもダウンロードできることです。この場合には、スペースシャワーTVのモバイルサイト経由になり、着うたが210円/曲、着うたフルが315円/曲だそうです。(こっちは、全額が寄付になるのかどうか不明ですが..)こちらはダウンロードもより簡単なので、これで若い人の間にも流行るといいですね。

 こんな風にアイディア次第で、自分たちの考えを表明したり、広げていくことができるんですね。アーティストや有名人が、自分たちのイマジネーションや影響力を使ってどんどん発言していくことが、日本でも普通になってもらいたいと思います。こういうのが、有名人のSR(社会的責任)なんじゃないでしょうか。

《関連リンク》
■Make Some Noise(Amnesty International 英文)
http://noise.amnesty.org/site/pp.aspx
■想像の持つ力(サスラボ)
http://suslab.seesaa.net/article/11271926.html

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2006年08月08日

エコな引っ越し

先週自宅の引っ越しをしたのですが、ちょっと楽しみにしていたことがありました。前々から気になっていたちょっとエコな引っ越しを試してみたかったのです。どんな風にエコかというと、基本的に段ボールなどの使い捨ての資材を使わない、つまり資源をムダに使わず、余計なゴミも出さないというものです。

 しかし、引っ越しはそうしょっちゅうするものでもないですから、興味はあってもすぐに試すというわけにはいきませんでした。今回はやっとその機会到来というわけです。

 今回試したのは、日通の「えころじこんぽ」というサービスです。詳しくはWebサイトの説明を見ていただくのがいいと思いますが、たとえば食器類はこのようにスーツケースのような専用ケースに、そのまま並べて収納します。
EcologyCompo.jpg
■えころじこんぽ(日本通運)
http://www.nittsu.co.jp/hikkoshi/nks310.html

 リユース可能な資材を使っているので、基本的に日通のプロが梱包と開梱をしてくれて、ラクチンなのも○です。段ボール類の使用は最小限に抑えられているため、ゴミもほとんど出ないと言っていいぐらいです。ただ、我が家の場合には、通常のご家庭に比べると異常に書籍が多いので、その分だけ事前に自分で段ボール箱に詰め、開梱も自分ですることにしました(実は今だほとんど開梱していなくて、部屋の中に段ボールが積み上がっています(^^;))。普通のご家庭であれば、基本的にほとんど段ボールレスの引っ越しが実現するのです。

 さて、気になるのはお値段です。梱包・開梱もプロがやってくれるとなると、さぞかし高くなるのではないかと... 僕もそう心配していたのですが、豈図らんや、見積を取った5社の中で、これが一番安かったのです。内心は、多少なら高くても「えころじこんぽ」を試してみようと決めていたのですが、これは嬉しい誤算でした。

 そして、日通の営業の方も、一般家庭であれば価格的にも「えころじこんぽ」が一番オススメですと断言し、こちらが指定せずとも「えころじこんぽ」を提案してくれました。

 実はもう一社、同様のサービスをやっているところもあったのですが、日通ほどは徹底したエコな引っ越しではない上に、再生資材を使うのがお客さんに評判が悪いという理由でお薦めしていないと言っていました。

 それでは日通の「えころじこんぽ」が完璧なのかと言えば、もちろん弱点もあるようです。まず一つは、現在のところこのサービスが使えるのは、首都圏など都市部が中心で、東京から地方への引っ越しには使えないことです。これは専用資材が都市部にしかないため、地方まで持って行ってしまうと、回収に費用がかかるためということでした。しかしこのサービスは好評なので、なるべく早く全国展開する計画であるとのこと。早く実現することを期待したいですね。

 もう一つは、食器運搬ケースなどがかさ張るために、荷物の量が少し増えてしまうことです。実際、今回は他社では2トントラック2台という見積だったのですが、日通だけは2トントラック3台でした。これは荷物の総量などにもよるので一概には言えませんが、もしトラックの台数が増えてしまえば、費用も環境負荷もちょっと増えてしまいます。

 しかし、今回実際に試してみた僕の感想としては、全体としては非常に満足です。引っ越しそのものが楽であること、ゴミを出さずに気持ちがいいこと、そして費用もリーズナブルでした。エコな引っ越しは環境負荷が少ない(厳密に言えば、トラックの台数が増えた部分が微妙ですが)だけでなく、エコノミカルでもあったのです。次の引っ越しも、またこのサービスを使いたいと思っています。


今日も長文を読んでくださって、ありがとうございました。
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2006年07月23日

幸福度を測る

 昨日もちょっと触れた「地球幸福度指標(HPI)」ですが、これはイギリスの独立系シンクタンクnef(The new ecnomics foundation)が、国際環境NGOのFoE(Friends of the Earth)と協力して作った指標です。7月12日に発表されたこの指標をもとに、日本の新聞でも「地球上で最も幸せな国はバヌアツ」などと紹介されています。
地球上で最も幸せな国はバヌアツ 英シンクタンク公表(Asahi.com)

 しかし、nef自身は、これが「もっとも幸せなく国を示す指標ではない」と断っています。(どうします?(笑)>朝日新聞さん) そうではなくて、HPIはそれぞれの国が地球の天然資源をどう効率よく人間の幸福や寿命に利用することができているかを示すものだと言っています。
unhappyplanetindex.gif■(Un)Happy Planet Index
http://www.happyplanetindex.org/

 nefによれば、HPIは環境効率と人間の福祉を組み合わせた最初の画期的指標ということで、具体的には以下の式で計算されます。

HPI = (人生への満足度 x 平均余命)/(エコロジカルフットプリント)

 エコロジカルフットプリント(EF)については、以前「あなたの足、大き過ぎませんか?」というエントリーでご紹介していますが、私たちの環境負荷の大きさを、私たちが地球を踏みつけている足跡の大きさとして表現したものです。

 この式からわかるように、満足度の高い人生を、長い間過ごすことができれば、幸福度が増すことになります。しかし、そのために環境負荷が2倍かかっているとしたら、有限な地球資源を有効に使っているとは言えないので、HPIは半分になってしまいます。このようにHPIは地球の有限性を強く意識した指標であり、そのことが、比較的低開発と言われる国の順位が高い理由でしょう。

 ちなみに、世界の国々のHPIを図示すると以下のようになっています。

HPI.jpg
 出典:The Happy Planet Index: An index of human well-being and environmental impact

 先進国のHPIが低いのは、やはりエコロジカルフットプリントが大きい(=環境負荷)が高いからでしょう。逆に、資源を使う量が小さい低開発国では、HPIが大きくなる傾向もあります。

 したがって、HPIが高ければ幸せとは言えないものの、環境負荷を過度に高めずとも高い福祉を得ることはできるし、逆に資源をたくさん使ったからといって必ずしも人生の満足度が高まるわけではない。HPIは、このことを明確に示しています。つまり、どんどん経済発展をして物質やエネルギーを消費しても幸福になれるとは限らず、それ以外にも幸せになれる道があることを定量的に示したものと言えるでしょう。

 そんなことは言われなくてもわかっているとおっしゃる方も多いとは思いますが、それをある程度定量的に示したことは、たしかに画期的と言えるかもしれません。少なくともGDPだけ見て、この国は進んでいるとか、遅れているとか議論するよりは、はるかに良いと思います。

 しかし、もちろんこのHPIも万能なわけではありません。とてもこれで幸福度がきちんと評価されているわけではないのです。およそあらゆる指標というものは、非常に複雑で多面的な現実の社会を、一つあるいは少数の座標軸の上に抽象化するということです。その課程で、必ず取りこぼされる、あるいはむしろ意図的に取りこぼされる評価軸があります。このことが、非常に重要です。

 つまり、私たちの幸福感は非常に複雑で多面的な要素からなるものであって、そもそもそれを一つの指標で表現しようとすることに無理があるのです。だからといって、指標を作ることが無意味なわけではありません。ただし、もっと別の指標、そこには反映されていない価値観がたくさんあることは、常に忘れてはいけないのです。この価値観の多様性こそ重要な観点であり、それを保持することもまた、幸福の一つの要素と言えるのではないでしょうか。

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2006年07月16日

こんなプレゼンをしたい

 人間開発報告書というのを聞いたことがあるでしょうか? 人造人間を開発しているわけじゃないですよ(^^;)
UNDP(国連開発計画)によれば、「『人間開発』とは、自由と尊厳をもって、十分かつ創造的な生活をおくれるよう、人々の選択肢を拡大すること」です。もっと具体的には、1人当たりのGDP、平均寿命、就学率をなどを 基本的な要素と考え、こららをもとに国の開発の度合いを測定し、それを毎年報告している文書が「人間開発報告書(Human Development Report)」です。

 日本語も含めた12カ国語に翻訳され、世界100ヶ国以上で出版されています。国ごとの状況だけでなく、世界全体の課題とその意味を概観することができる、とても貴重な報告書です。日本語版の概要は以下のURLからダウンロードできます。
■人間開発報告書(UNDP)
http://www.undp.or.jp/hdr.htm

 今日ご紹介したいのは、この報告書のプレゼンテーションです。英語版になってしまうのですが、実に素晴らしいのです。ダウンロードできるのはMS-DOS版のみですが、オンラインで表示することができます。以下のページの一番上にある、例えばHuman development trends (HDR2005)をぜひごらんください。
■Human development in animation
http://hdr.undp.org/statistics/data/animation.cfm

 世界各国の人々の収入がどう変化しているのか、グラフが時間の経過とともに動くアニメーションで説明してみせます。言語は今のところ英語しか選べないのですが、これまた簡潔でわかり易い英語です。ぜひ最初から一つひとつきちんと読んでみてください。「なるほど〜」と唸ること請け合いです。僕の説明で満足しないで、本当にぜひ実際に見てくださいね。圧倒的なわかりやすさに、驚かれると思います。
HDR2005.jpg

 グラフのアニメーションがきわめて効果的であるのに加えて、インタラクティブな仕組みもあり、自分が知りたい国の動きを詳しく見てみたりもできます。実に教育的です。中学生ぐらいだったら、十分に理解して、夢中になるでしょう。もしこうしたテーマで授業や講演を行う方がいらっしゃったら、ぜひ使ってみるといいのではないでしょうか。

 僕は仕事柄いろいろなところで講演やプレゼンをする機会が多いのですが、こんな素材を使って話してみたいですね。もちろんいつも、自分なりになるべくわかりやすい話しをしようと心掛けていますし、パワーポイントも多少動きのあるものなどにしていますが、この素材のレベルには遠く及びません。プロが手間暇をかけて作り込んでいるのでしょうが、それでもディレクションをした方のアイディアと能力には感服します。

 ちょっと技術的なことを言えば、ここでやっていることは、いわゆるデータの探索的解析です。要は、統計値などをいろんな方向から眺めて、トレンドを掴むという手法です。最近はPCでもこうしたことが簡単にできるソフトがいろいろありますが、それをパッケージ化し、うまくシナリオ化しながら見せているところがポイントですね。

 これまでも国際機関は様々な統計値や、グラフを発表してきましたが、そのままでは一般の方にとっては無味乾燥な数値の羅列です。そこにアニメーションとインタラクティブな仕組みを持ち込んだことで、とてもわかりやすく、かつ興味を惹くプレゼン素材や教材になったというわけです。これからはこういう表現のしかたが普及すると、いろんな方々の理解と興味が深まるだろうなぁと思います。

 さて、手法もともかく、もちろんその内容も示唆的です。ちょっと長くなりそうなので、これについは明日ご紹介したいと思います。それまでに、ぜひ皆さんもご自分でこのプレゼンテーションをご覧になって、どこが興味深いか、ご自分で考えてみるのはいかがでしょうか。

 なお、このプレゼン資料の存在は、「"まちづくり”便利帳」というブログの「2025年までに世界を変える」というエントリーで知りました。また、mixiにご参加の方は、こちらもあります。


 それからもう一つ、別の意味でわかりやすいプレゼンテーションもご紹介しておきましょう。いつもコメントをいただくkeystoneさんが、「イラク戦争に関する物です。リアルに訴える映像が悲惨な戦争を世界に知らせます。」と教えてくださいました。ありがとうございます。
■FUCKBUSH
http://www.bushflash.com/y2.html
※音楽が流れます。ご注意ください。

 衝撃的な映像の連続です。文字と数字だけではなく、こうした映像があれば戦争の悲惨さ、意味のなさはより確実に伝わるなと思う一方、これを現実として伝えなければならない社会からは、一刻も早く卒業したいと思います。

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2006年07月12日

バックキャストで行こう!

 昨日のエントリーで書いたように、地球温暖化を止めるためには「マイナス6%ではなく、マイナス6億トン」が当座の目標で、究極的には、2050年にマイナス80%を目指す必要があります。

 そんなことができるのか? もちろん、今のやりかたでは無理でしょう。なりゆきにまかせていたら、今より増えてしまうかもしれません。多少頑張っても、単に努力を積み上げるだけでは数割削減できれば、万々歳です。

 では、どうしたらいいのか? そんなときに役に立つのが、バックキャスティングです。これは、まず最初にゴールを決め、そこから現在を振り返って見てそのギャップを認識する。そして、ゴールに到達するためにはどうしたら良いかを考えるというやり方です。

backcasting.jpg※クリックすると大きくなります
出典:2050 年脱温暖化シナリオの検討[PDF](首相官邸)

 現在から将来を予測する(forecaset)のが前方(fore)を見るやり方だとすれば、理想とする将来から現在に向かって遡って逆向き(back)に見るのが、バックキャスト(backcast)なのです。

 なんだかちょっと難しく聞こえるかもしれませんが、実はこれ、私たちが日常的に使っている方法です。

 9時に会社に着こうと思ったら、そこから逆算して家を8時前に出る。16:30の飛行機に乗ろうと思ったら、チェックインは11:00、○時○分の電車に乗るために、オフィスは△時には出発しよう。私たちは無意識に、バックキャスティングをしているのです。

 ところが将来のことを考えるときには、私たちはこのことを忘れ、フォアキャスト(予測)しがちです。けれど、予測なんて当たったためしがありません。途中で何が起きるかわからないし、ついつい自分に都合の良いことを考えてしまうからですね。

 しかし、長期的なことにこそ、バックキャスティングは有効です。途中で道に迷わず、時間内にゴールに辿り着くためには、まずゴールをきちんと設定すること。そしてそれに到達できるように、スケジュールを組み立てること。それが重要なのです。

 これはもちろん、持続可能な社会を作るためにも役立ちます。2025年に私たちはどんな持続可能な社会に暮らしたいのか。まずはそのゴール(ビジョン)をはっきりと定め、そこから現在を振り返り(バックキャスティング)、まだ出来ていない課題が明確になったら、それを解決していく。

 これが私たちの理想とする未来を作る、簡単で、確実な方法です。最初にゴールをきちんと定めておけば、合意できるビジョンを作っておけば、後から「こんな社会を目指していたのではなかった...」などとはならないはずです。

 今日ご紹介したバックキャスティングは、僕のとても好きな考えかたです。2025年の持続可能な社会作りのためにはもちろん、「脱温暖化2050プロジェクト」でも使われています。皆さんもご自身の将来計画に、バックキャスティングを使ってみてはいかがですか?

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2006年07月08日

みんな積み木に教わった

7/5の日経最終面の「文化」に、とても興味深い記事が載っていました。ヒノキで作った小さな積み木1万個を使い、子供たちにワークショップを開催している荻野雅之さんが書かれた「心はぐくむ 積み木王国」というものです。

 単なる子供の教育プログラムというより、人間として必要な知恵がたくさん詰まっているように思いましたので、簡単にご紹介したいと思います。

 ワークショップは大きく3部から構成されます。まず最初は自分たちで何かを創る。一万個もの積み木があるので、きっといろいろなものができるはずです。当然子供たちは夢中になります。そして完成した作品を、みんなで鑑賞し、誉める。優劣をつけ、優秀だった子だけが誉められるのではなく、すべての作品について、良いところを見つけて、誉める。ふだんはなかなか経験できないことです。

 そして、次には、これを崩すのです。せっかく創った作品ですが、さらにその次の創造のために崩す。手放すことの意味を、子供たちは学ぶのではないでしょうか。

 すごいなと思ったのは、「座って『積み木さん、ありがとう』とあいさつしてから、やさしく抱き抱えて崩す」ことです。破壊ではなく、感謝し、慈しみながら崩す。結果として、積み木の作品がなくなってしまうことは同じでも、暴力的に破壊するのと、感謝して崩すのでは、そこに生まれるものがまったく違ってくることは、容易に想像できます。

 それは消滅させるための破壊と、創造するための破壊の違いです。私たちが毎日、他の生き物の生命をいただいて自分たちの生命を生き長らえさせていることを思い起こさせました。創るために積極的に崩す、手放すことも必要なのだということを、子供たちは言葉ではなく、実感とし理解するのではないでしょうか。

 そして二回目の作品は、一度目より複雑で、高度になる場合が多いそうです。たった一時間ぐらいの間に、子供は成長するのですね。

 さらに素晴らしいことは、この高度な作品を創る際に、今度は一人で自分の作品を創るのではなく、共同作業が自然生まれてくるそうなのです。積み木を集める子、手渡す子、積でいく子、そうした「役割分担と協力体制が自然に生まれる」のだそうです。

 この2時間ほどのワークショップは、子供にきっと多くの気付きを与えているのだと思います。その証拠に、これをキッカケに急に集中力がついたり、兄弟ケンカをしなくなったりと、さまざまな変化が生じるのだそうです。そして、親や教師も、これまで想像しなかった子供たちの別の一面や能力を発見することになるのです。もっと詳しい効果については、ぜひ原文をご参照ください。


 「大切なことはみんな積み木に教わった」、将来そんなタイトルで本を書く子供が出てきそうです(笑) 子供たちは、わずか2時間の積み木のワークショップでこんなにも多くのことに気付き、変わります。創造とは程遠い、殲滅のための破壊を繰り返す大人たちには、この本が出来たら読んでもらいたいものです。

 このワークショップは海外でも効果を上げているそうですから、ユニバーサルに効果があるのだと思います。さらに良いことには、積み木はヒノキの間伐材で、森林の手入れにも役立つ可能性があります。このワークショップは、ただの「児童教育」の一手法ではなく、私たちが創造的に生きるための本質を体得させるための、とても良くまとめられた方法論と言えるのではないでしょうか。「知恵」と呼んでもいいと思います。こうした知恵を積み重ねていけば、私たちはより成熟した人間からなる世代を育てることができるでしょうし、もちろんそれは持続可能な社会にとっても好ましいことのように思います。

※もし他にも、このような素晴らしい体験型ワークショップをご存じの方がいらっしゃいましたら、ジャンルにはこだわりませんので、ぜひ教えてください。

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2006年05月17日

一生で考えよう

 ライフサイクル(life cycle)という言葉を聞いたことはありますか? 個人の一生とか、製品や習慣の寿命、つまり生まれてから死ぬまでの期間をさす言葉です。環境の分野でこの言葉を使う場合には、たいていある製品の一生、つまり、原料を調達して、製造して、輸送して、販売して、使って、廃棄してという全体の過程を指します。

 なんで「製品の一生」なんて考えなければならないのかと言うと、ある製品が「環境にやさしい」と言う場合、往々にして、ある特定の段階での環境負荷しか考えてないことが多いからです。例えばたとえ製造するときには少し余計にエネルギーを使用しても、使用時の省エネ効果が大きければ、製品の一生で見た場合、環境負荷は小さくなるでしょう。逆に、製造するときには多少の省エネをしていても、使用後に回収・廃棄処分するのに大きな環境負荷がかかるようでは、ライフサイクル全体では良くないことになります。

 このように、環境負荷をライフサイクル全体できちんと調べようというのが、ライフサイクルアセスメントで、よくLCA(Life Cycle Assesment)と呼ばれます。今や「環境にやさしい」かどうかは、LCAで比べるのが常識になりつつあり、電気製品などではカタログや環境報告書にそうした数値が公開されていることもあります(タイプIIIのエコラベルと呼びます)。

 ただ、ここでもう一つ気をつけなければならないことがあります。一口に環境負荷と言っても、いろいろなものがあります。エネルギー消費にはじまって、水の消費、様々な化学物質の使用、排出するガスや水、騒音、振動... エネルギー消費量であれば、熱量やCO2の排出量などという単位で比較可能です。でも、消費エネルギー量と排出する有害化学物質の量では、お互いに足したり引いたりすることはできませんよね。どちらも小さいに越したことはありませんが、実際にはトレードオフの関係にあることも多いので、判断に悩むことになります。

 それでも計測可能なものはまだいいのですが、生態系に与える影響や、人間の快適性に与える影響など、誰もが納得するように定量化するのは非常に難しい環境側面もあります。ましてや、人間社会に与える影響となれば、とても定量化できないものがたくさんです。

 ですから、実はLCAとは言っても、すべての環境側面について網羅し、定量化することが大変ですし、しかも次元が異なるものを足したり引いたりするのは、非常に難しいことになります。(そのためには統合化手法という方法がいくつも開発されていますが、専門的なのでここでは説明を省きます。)ある特定の環境側面、例えば温室効果ガスの排出量だけを分析することは、それに比べればずっと簡単ですが、これは厳密に言えばLCAではなくて、CO2排出量のLCAです。

 と、ややこしいことを書いてきましたが、もし「環境にやさしい」という表現を使うのであれば、少なくとも以上のようなLCA(もちろんCO2だけではなく、すべての環境側面についてです)を行なった上で、ある製品が対照とする製品よりも負荷がたしかに小さいことが確かめる必要があると思います。それでも本当に「環境にやさしい」と言えるのかどうか、僕なら悩みます。必ずどこかにトレードオフが潜んでいるからです。そのぐらい、「環境にやさしい」とは、重い言葉なのです。

 さて、それでは企業がステークホルダーに対して責任ある環境コミュニケーションを行うためにはどうしたらいいのでしょうか? 先週に引き続き、今週の環境新聞への寄稿へは、その具体的な方法を提案しました。

■「責任ある環境コミュニケーションのために」
http://www.kankyo-news.co.jp/ps/qn/usr/db/d_file1-0002-0534.pdf

 よろしければ上記リンクのPDFをお読みいただきたいと思いますが、要は、

1. 全ライフサイクルにわたって環境・社会影響を洗い出すこと(洗剤で、ではありませんよ(笑))
2. どこに大きな問題があるかがわかったら、それを示して、どう解決していくのか、手順を含めて明確に示すこと

 が求められているのです。

 もちろん問題はすぐに解決できるわけではないと思いますが、それはしょうがないでしょう。誰も、すべての問題を、すぐに、完全に解決しろなんて言わないですよね。

 それよりも、それをどうしようとしているのか、障害も含めて、きちんと言ってくれた方が信頼できませんか? 何を考え、何をしようとしているのかがわかる会社が信頼できると思うのですが、いかがでしょうか。

 もしこれから「環境にやさしい」という表現を見かけたら、「どの段階で」、「何に関して」、負荷が小さいのか、確認してみるといいと思います。そして、もっとも大切なのは、その製品にとって、一番大きな課題は何で、それを解決する方法はどのように考えているかです。

今日も長文を読んでくださって、ありがとうございました。
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2005年08月10日

システム思考

 先日、「成長の限界」の著者の一人であるデニス・メドウズ氏が行うシステム思考のワークショップに参加しました。システム思考とは、問題そのものだけを考えるのではなく、そのような状況を作り出している仕組み全体をシステムとして捉え、そこにどのような力が働いているのか、それをどのように変化させれば問題が解決できるかを考える手法です。ワークショップはそのプロセスそのものが非常に楽しいものでしたが、中味はどこかで聞いたことがあるような... しばらくして、学生時代に少し齧ったシステム生態学とまったく同じ発想だと思い出しました。というより、システム思考を生態学にも応用したのがシステム生態学なんでしょうけれどね。メドウズ氏も学生時代にこの手法を学んでから40年近くこれでやってきたと言いますから、アメリカあたりではかなり確立された手法なのだと想像します。
 で、先日韓国でお会いした科学政策の専門家は、システム思考という言葉こそ使っていませんでしたが、非常に似たアプローチを強調していました。holistic approachと彼は呼んでいましたが、要はその問題に関わる状況全体の力学系を考えるのです。この方は大学、大学院とアメリカで教育を受けたと言っていたので、きっとそこで身につけたのではないかと思います。
 そしてボルダーでお会いしたLietaerさんもまさにシステム思考派。彼の話を聞きながら、それってシステム思考ですよねと聞いたら、そうだと言って、彼がもともとはシステム工学のエンジニアだったことを教えてくれました。
 というわけでの、このところどうもシステム思考と縁があるようです。実際にとても役に立つ考え方だと思いますし、これからもう少し意識的に使ってみようかと思います。
posted by あだなお。 at 07:49| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(1) | 手法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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