2010年07月12日

ビックリ選挙

 選挙から一夜明けました。今回、いろいろな意味でビックリすることが多かったので、ちょっとまとめておきたいと思います。

 まず選挙結果にビックリです。たしかに鳩山政権はマニフェストの内容を実現できなかったばかりか、選挙前には党首交代。しかも菅首相は交代するなり、選挙前に消費税値上げなど言い出すものですから、ある程度議席を減らすことは予測できましたが、まさかここまでとは... そしてこのオウンゴールで民主が票を減らすのはしかたがないにしても、その結果、自民がここまで復活するのもビックリです。

 もう一つビックリしたのは、普天間問題がほとんどまったくと言っていいほど、選挙の争点にならなかったことです。鳩山失脚の原因の一つは普天間問題の対応を誤ったことだと思いますし、これがきちんと決着したとは今だとても思えないのですが、それがまったく争点にならなかったのはビックリです。

 争点という意味では、環境問題も見事なほどに争点にならなかったと言っていいのではないでしょうか。2020年に温室効果ガス排出量を1990年比25%削減とする地球温暖化対策基本法案の再提出がかかっています。基本法反対派(?)のメディアは「これが争点」「慎重に議論を」などと言っていましたが、実際には多くの候補者はほとんどこのことを口にはしなかったのではないでしょうか。もちろん、それ以外の環境問題などゼロと言ってもいいと思います。

 選挙では様々な組織が自らの利害関係のため、組織的に票を投じることがあると言われます。今回の参院選のように投票率が低い(57.92%で前回よりマイナス0.71ポイント)と、この組織票の大きな政党や候補が有利と言われます。さて、それでは今回はその組織票はどうだったのか? もちろん正確な中身は誰にもわからないわけですが、組織力(=票?)の一覧がテレビで報道されたのだそうです。報道したのはテレビ東京、これはなかなか事件なのではないでしょうか。ちなみに投票率に関しては、沖縄県が7.88ポイント減と大幅減少していますが、この意味を政治家はもちろん、私たち全員が噛みしめる必要があるのではないでしょうか。
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出典:「テレビ東京すげえ!ある意味タブーの組織票を一覧にまでして報道!

 そして一番ビックリしたのは... 僕は半人前どころか、1/4人前でしかなかったということです。どういうこととかと言うと... 「一人一票実現国民会議」のWebサイトで自分の一票の価値がどのぐらいあるのか、一票の力がもっとも大きい選挙区と自分の選挙区で比較するページがあります。そこで調べて見ると、なんと僕の一票はもっとも人口あたりの議員数が多い選挙区を一人一票とすれば、0.23票にしかならないのです!! つまり、昨日せっかく投じた一票も、人口が少ないその選挙区の有権者の1/4の発言権しかなかったということです。今の時代であれば、IT技術を使えば完全に公平な投票権も技術的には可能です。多少の誤差はしかたないと思いますが、4倍以上というのはあまりにヒドイ。技術的、制度的に解決できない問題というより、意図的に放置しているとしか思えません。
■「あなたの一票の価値は」(一人一票実現国民会議)

 こうしてみると、結局はかなり卑近な問題というか自分たちにとっての短期的な利害で票を投じる層、あるいはタレントやスポーツ選手など有名人に投じる層、そうしたポピュリズムが蔓延していることを示す結果と言っていいのではないでしょうか。そして守旧派は、むしろそうした現状を都合が良いものとして肯定しているように思います。

 こうした問題を解決するためには、選挙区の抜本的見直しネット選挙の導入などが効果的だと思いますが、今までの仕組みや既得権を変えたくない方々は、こういう制度変更には強硬に抵抗するのでしょうね。たくさんビックリして、最後はかなり呆れてしまった参院選でした。

 衆参ねじれた政治がこれからどのようになるかは注意深く見守りたいと思いますが、考えようによっては、このような状態だからこそ、緊張感が生まれ、きちんと政策で争うという状況にもなるかもしれません。社会も、環境も、経済も、すべてがまったなしの状況です。まっとうな政治主導で3年後にはビックリするような進展があるようにしたいですね。

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2010年06月28日

三冊進行中です

 久しくブログを更新していなくて、申し訳ありませんm(__)m。書いている時間がないというより、このところ猛烈に書いているのです。と言っても、ブログではなく、ツイッターでもなく(笑)、本の原稿です。

 我ながら無謀だと思うのですが、今年になって3冊の本が並行して準備中です。一冊は環境マネジメントに関するものですが、僕は分担執筆だけで、こちらはしばらく前に校正も終わったので、後は全体の仕上りを待つばかり。タイトルや発売時期が正式に決まったらまたご紹介します。

 もう一冊は、企業と生物多様性に関するかなり分厚い本の監修です。「企業が取り組む「生物多様性」入門」というタイトルで、7月22日発売が決まりました。自分でも多少書きましたが、分量的は多くはないので、スケジュールのことを除けば、大変だったわけではありません。

 ちなみにこの本は、先進的な日本企業11社の事例と、こうした企業と協働する3団体について、担当者本人が執筆しているというのが特徴です。そこで僕も「そうした執筆者が書いていることから、個別の取り組みのトピックス的に紹介するのではなく、各社の事業と生物多様性の関係性を踏まえた上で、多くの場合には時間的な背景まで含めて、総合的に取り組みが紹介されている。したがって、なぜそうした活動をする必要があったのか、それがビジネスにどう活かされているのか、そうしたことが文脈を含めて理解でき、必然性臨場感がまったく異なる」と巻頭に書きました(笑)。我田引水ではあるのですが、実際、そのぐらい意味のある本になると思います。

 もちろんそれ以外にも、生物多様性や企業活動との関係性について、基本的なことはみんなカバーしてありますし、海外の先進企業9社の取り組みの紹介もあります。企業担当者の方が、「一冊ですべてわかる」ことを目指したものですので、ぜひご予約をお願いします〜。

 さて、三冊目が、今もまだ最後の産みの苦しみ中(^^;)の単著です。これも企業と生物多様性に関するものですが、上記の「企業が取り組む「生物多様性」入門」が実務担当者向けであるのに対して、こちらは企業経営者向けです。そのため、中身もスタイルもまったく違うものになっています。なぜ生物多様性が重要なのか。目の前のリスクについてだけでなく、もっと長期の大きな視点で書いた本になりつつあります。

 そんなわけで、書くことそのものや、これがどう評価されるかを考えると非常に楽しいのですが、書き下ろしの単著なので、なかなか大変です。平日もかなりの時間を割いて、そして週末はもうほとんどこれに掛かりきりになっています。昨日までで要約9割方は書き上げましたので、残り少しと、その後の整理をこれから頑張ります。順調に進めば、8月中は難しそうですが、9月上旬には書店に並ぶはずです。ご期待ください。(あ、こちらもタイトルが決まったらまたお知らせします)

 というわけで、ブログ以外のところでバリバリ書いていますので、ブログの復活はもうちょっと待っててくださいね。また、細かな気付きや問題意識は、ツイッターもご覧ください。アカウントをお持ちの方は、@adanaoをフォローください。

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2010年06月14日

ミツバチは地球を動かすか?

 先日、鎌仲ひとみさんの最新作「ミツバチの羽音と地球の回転」を観て来ました。上関(かみのせき)原発の建設で揺れる瀬戸内海の小島、祝島(いわいしま)と、再生可能エネルギーへのシフトを着実に進めているスウェーデン、二つの地域を取材したドキュメンタリー作品です。
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 上関原発や祝島のことは、サスラボでも何度か取り上げて来ました。僕は残念ながらまだ現地を訪れたことがなく、これまで伝聞で状況を聞くだけでした。今回、現地でゆっくりと取材したこの映画を観ることで、島の自然、人々の暮らし、原発を巡る状況ということを立体的に理解できたように思います。

 祝島、あるいは原発のために埋め立て予定となっている田ノ浦は、瀬戸内海に残された、いや日本でも数少ない、海の生物多様性の宝庫です。そしてそれは単に美しかったり、珍しい生物が生息しているというだけではなく、何よりその自然が人々を養っている、そのことに改めて感動します。

 祝島は漁業と農業の島です(農業は国の政策のミスリードもあって、かなり衰退してしまっていますが...)。島の漁師の方が漁師に出ると、立派な鯛が釣れる、釣れる... 次々に美しい鯛が上がるのです。それ以外にも、ヒジキ、ビワ... 様々な自然の恵みのお蔭で、島の方々は暮らして来ました。

 その恵みの豊かさを肌身で知っている祝島の原発反対派の漁師さんは、「海は絶対に売らん!」と漁業補償金の受け取りを一切拒否しています。「海さえあれば生きていける」ことを知っているから、「子や孫のためにこの海は守り続ける」と言うのです。

 それを中国電力や地元行政は、力づくで変えようとしています。これは僕の勝手な想像ですが、自然の恵みを直接受け取るのではなく、間にお金を媒介にして生活している人々にとっては、将来にわたって豊かな恵みを提供してくれる自然よりも、目の前の小金の方が魅力的なのでしょう。

 祝島の村民をなんとか説得しようとする中電社員の「一次産業でいつまでやっていけると思うんですか?」という言葉に、そのことが象徴されています。本当に一番大切で必要なものは一次産業が産んでいるのに、そのことすら忘れてしまっているのです。一次産業がなくなった世の中で、人間が生きていけると思っているのでしょうか?

 一方のスウェーデンはというと...  脱原発を国民投票で決め、風力やバイオマスなど、様々な再生可能エネルギーへのシフトを着々と進めています。人々は自分が応援したい種類のエネルギーを自由に選択して買うことができるので、日本のように地域の電力会社が電力販売を「独占」している状況は信じられないのです。

 実は僕は、鎌仲さんがこの映画のためにスウェーデンに取材したちょうど同じときにスウェーデンを訪問し、いくつかの場所をご一緒しました。映画にはそのときに話をうかがった方々も登場して懐かしかったのですが(笑)、そこで見たスウェーデンの方々の生活は、持続可能な社会を目指すためにいろいろなことを切り詰めたものではなく、むしろ、とても豊かで穏やかなものに感じられました。

 風、バイオマス、廃棄物、今まで使われていなかったそうしたものをうまく利用すれば、石油や原子力に頼らなくても、十分に快適な生活が実現できることを彼らは実証しているのです。気候条件を考えれば、日本の方がもっと可能性があると言っていいかもしれません。なぜ、それが日本ではできないのか...

 いろいろと理由は考えられますが、最大の理由は、私たち自身がそれを自分の問題だと思っていないことにあるのではないかと思います。再生可能エネルギーにシフトすることも、どこでどういう生活をするかも、自分たちの子供や孫にどんな社会を残すかも、すべては自分たちの問題であり、自分たちで決めることができ、そして自分たちで実現できる。決して誰かから押し付けられるものではないのです。自分たちで決め、自分たちで解決することなのです。

 ですから、自分たちの希望を実現するために、人に無理を押しつけるのは「解答」になり得ません。たとえば上関原発を作ろうするのは、祝島や田ノ浦周辺の地域の方のためではありません。他の地域のエネルギー需要を賄うためです。祝島だけであれば、原発なんてなくてもやっていけるのですから。

 この映画の中で、印象に残った言葉が二つありました。一つは、スウェーデンの持続可能性へのコンサルタントの方の「成功させるコツは簡単なことだよ。一つひとつの課題を、自分がやると引き取る人が現れるまで絶対会議を終わらせないんだ。」という言葉、なるほどです。

 もう一つは、この映画の主人公と言える祝島の若き村民、"孝くん"の「やろうと思えばたいていのことは出来るんですよ」という言葉。彼はその言葉どおり、自立する祝島を目指して、一つひとついろいろなことを積み重ねています。そして、祝島をエネルギーが自給できる島にしたいと考えています。素晴らしい心意気ですね。きっと出来ると思いますし、そのために僕も応援したいと思います。

 正直に言えば、映画を見終えたときにはせつない気持ちになりました。僕たちのような都会で生活する人間たちのために、これまでの生活とその場所を暴力的に奪われようとしている人々。かと言って、僕たち一人ひとりの力では、あるいは祝島の皆さんの力だけでは、どうにも出来ないように思えてしまう今の日本の状況。

 現状ではかなり分は悪いかもしれません。でも、これは自分の問題だと認めるところから始めるしかないのでしょうね。これは自分の問題であり、自分が望む方向に変えるんだ、そういう意志をもって一人ひとりが行動を始めたとき、初めはまったく動かないように思えた大きな岩が、少しずつ動き始めるのだと思います。

 だから僕も、自分でこのことに何が出来るかを考え、実行することにしました。詳しいことはまた後日、このブログでご紹介したいと思います。

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 今回映画は「完成」して公開となりましたが、おそらくこれはまだ本当の「完成」ではないはずです。きっと、途中の経過地点でしかないはずです。

 「ミツバチの羽音と地球の回転」という不思議なタイトルは、ミツバチの小さな羽音が、地球の回転にも影響を与えるのだという鎌仲さんの思いが込められたものだそうです。ハチがブンブンと羽音を立てることを英語ではbuzzと言います。そしてこの言葉にはもう一つ、口コミで伝えるという意味もあります。私たちがこの映画のことを話し、伝えていくことが、日本の、いえ地球のエネルギーのあり方を変えることにつながっていくはずです。

《サスラボ関連記事》
■「宝物を探そう
■「カッコ イイ言葉

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2010年06月05日

宮崎で起きていること

 ふだん肉を食べるときには、それが生きている牛だったり、豚だったり、鶏だったりしたことを私たちはあまり想像することはありませんよね。もちろん、毎回そんなことを想像していたら、とても食べられなくなってしまうかもしれませんし...

 それでも、やはり私たちは命ある生きものを食べて生き長らえていますし、そのために、その生きものを大切に育ててくださる方々もいるのです。

 なにせ生きものですから、育てる際には様々な苦労がつきものだと思います。元気かなと毎日心配しながら、休みもなく世話をして、そしていかに丹精込めて育てても、最後は出荷する。本当に大変なお仕事だと思います。

 その手塩にかけた存在を、目の前で殺さなければいけないとしたら... 

 正直に告白すれば、口蹄疫の被害が広がったニュースを聞いたとき、僕は「これは大変だな」と思うだけでした。被害額の大きさや、殺処分された家畜の数に、むしろ圧倒されていたのかもしれません。本当の意味、そこで起きていることまでは想像が及びませんでした。

 しかし、その現場で実際に何が起きているのか。それを読んで、言葉を失いました。文字で読むだけでも辛くなって、涙が出てきます。ましてやその現場に居合わせたら、自分で育ててきたものにそのようなことが起きたとしたら... 自分だったら、とても正気では居られないのではないかと思います。

 以下、川南町のひじりさんという方がmixiに書かれた日記を、ご本人の承諾をいただいて全文転載します。目を背けたくなるかもしれませんが、ぜひお読みください。
「殺処分」と簡単に言うけど・・・

 5月9日、とある養豚農場で働く友人に会うことができ話を伺うことが出来た。
(もちろん、お互いに防疫対策を施したうえでだ)

口蹄疫感染の疑いが出て全頭処分が決定した農場である


彼は本当に豚さん達と真剣に向き合って肥育していて、口蹄疫問題が発生するまでは、いつも面白おかしく豚舎での話を聞かせてくれていた。


「ちょっと巻き毛の母豚がいてな…俺には懐いてくれちょっちゃけどよ。

一度マジ切れしてさ、思いっきり拳で殴ったら、自分の手は怪我したのに母豚は平然としやがってよ「ちくしょーー!(笑)」

ただ、こいつがさ、なかなか上手に水を飲めないやつでな、いっつも俺が飲ましてやっててさ、時々、俺のひざに頭をのっけて休むんよ (笑)200kgもある母豚やかい、頭だけでも重いっつどぉ(笑)。


ただなぁ、こいつになかなか子供が授からんでなぁ、何度も仕込ませてみたんやけど…
なんでかこいつだけ子供ができんかったっちゃわぁ。


「お前どうしたっかぁ。ごめんなぁ俺が悪いんかもなぁ。女の幸せをあじあわせてやれんなぁ。子供産んでみたいやろう。次こそ頑張ろうなぁ。」言っ て、首に抱きついてあげたりしてたんだわ


でもよ!

先月ついに受胎したことが分かってな。「やったーやったー!よう頑張った!!!やっとお前も赤ちゃんが産めるな(^^)」って喜んでその母豚カー ドにでっかく「成功」!って書いたばっかりやったのによ




・・・・もう殺さにゃいかんとよ。


自分の赤ちゃんを産ませてあげられんやないかい!!


どうすっとかい! (泣)



・・・・ごめんなぁ。言うしかなかった



せめて今だけは、腹いっぱいエサ食えよ。って大量に準備してあげてるっちゃが。






感染した子豚たちの蹄からは出血が始まり、上手に歩けなくなってビービー泣いている
母豚は乳首のところがただれ始めて真っ赤になって血を流しているのもいる。それでもむしゃむしゃエサ食うやつは食うんよ。

また、明日そいつらの所に行って、声かけてあげにゃいかんちゃろうけどよ。どんな顔して、なんて声かければいいっかえ!」(泣)




数千頭の豚を養っているこの農場では、この時はまだ埋め立て地が決まらず殺処分はされていなかった。


防疫のための消毒活動を徹底的にやっていた彼。
自分の車の中まで消毒液を振りまいていた彼。
毎日毎日石灰を道路に撒いていた彼。。。

必死に目に見えない敵と戦い、守ろうとしてきた家族を失う彼。


「やれるだけやって出てしまったもんは仕方ない。はっきりしたことは、来月から俺は職を失うってことだ。ただ、急いで処分をしないと、他の農場に 迷惑かけちゃうな。」


お腹に赤ちゃんを宿した母豚にすがり泣く彼のことを思うといたたまれないのですが、その感染を確認した豚舎では日に日に症状を示す豚が増えてき て、エサが食べられなくなったり、亡くなったりしてきて、豚舎内が消石灰をかけられた死体置き場へと変わっていき、腐敗していく。


5月6日に口蹄疫感染の疑いが出た養豚場です。その時点で全頭処分が決定していたわけですが、埋設処理が始まったのは・・・5月14日です。すで に9日が過ぎています。ここまでの数日間、彼はどんな光景を見てきたのだろうか。どんな思いで、豚舎を見て回っていたのだろう。。。


殺処分の様子は、本当に地獄絵図のようでした。



「 何十人と獣医師が来たけどよ。かき集められた経験の浅い獣医師たちは母豚を怖がってまともに注射も打てんちゃが

首筋の静脈に注射を打たにゃいかんのによ、柵の外から身を乗り出してお尻に打とうとするわ、バカじゃねーか!豚だって生きちょっし痛いから、ひょ いとお尻を動かして逃げるわな。

しょうがねーかいよ、俺が柵に入って豚の首をガシって押さえつけてやる始末。
危険やっちゃけど仕方ないわ


ただ、集められた獣医師は豚専門の獣医師ばかりじゃないし静脈の場所はわかりにくいからしょうがないっちゃけどよ、ダメじゃわ・・・

もう、豚の首は突き刺した注射のあとだらけ、痛々しいわ。豚はギャーギャー暴れるわ


ちくしょーーちくしょーーー!もっと安らかに死なせてやってくれよ。


(注※集められた獣医師さんは頑張ってます。しかし、家畜専門ではない方々も集められているから戸惑われたことと思われます。実際、母豚はデカ イ!から怖いでしょう。でも、獣医師免許を持っていないと殺処分が出来ないから、とにかく集められています。いろんな意味で彼らもつらいと思います。)


獣医師の免許をもっちょる奴しか殺したらいかんかいよ。手がだせん・・・

かわいそうでよ


もちろんベテランの奴はさすがに上手いし早くてよ関心するんよ。


みんな目に涙を浮かべながらも作業してくれてるし手を合わせてくれる人もいる。


命を救うための獣医師がよ。
今まで、命を助けるために動物に声をかけ、一生懸命働いてきた獣医師がよ・・・

この注射を打ったら、こいつが死ぬって分かりながら注射を打ちこむんよ。
そりゃあ人としてつらいし、心が痛いわなぁ。歯を食いしばるしかないのかよ!



俺はさ、もともと出荷のための豚ならなんとかあきらめがつくんよ。出荷だと思えばいいちゃかい。

でも、母豚はよ。ずっと面倒見てきたっと、性格もよく分かる。顔見りゃ名前も、出産した回数も、病気した時、喜んだ時。悪ん坊や、甘えん坊、気性 の荒い奴、優しい奴、み〜んな分かる。共に生活してきた家族やっちゃかい。


口蹄疫に感染してしまって痛々しい症状が出てる奴は、鼻や口の水疱が破けて痛いもんやからエサが食えんなっちょる。それでも腹はへるかい、えさを 探すわな。豚は鼻が命じゃ。人間で言う手のようなもんで物を探るのは鼻で探るんよ。

痛いやろうに・・・

まともにエサが食えんかい。俺が手で食べさせてやってた。

鼻も口元も蹄も乳首も痛々しいのに、俺を見つめる目はやさしくてよ。なんだか、向こうがごめんよ〜言ってるみたいや。ありがとう言ってるのか なぁ(T-T)


注射打たれる姿に耐えられんで離れたところから見てたら、獣医師の腕をふりほどいてこっちに走ってくっとよ。

蹄が炎症起こして血を流してるもんは痛いから立ち上がれんでずっと横になってギャーギャー言ってる。でも、立ち上がらせて殺処分するところまで連 れて行かんと重いかいよ。まず鎮痛剤打つっちゃわ。


そしたら痛みが取れるもんじゃかい、ひょいっと立ち上がる。でも蹄からも血が出て腐りよっかい


蹄が取れていくとど・・・赤くなった蹄だけが地面に転がってるんやど・・・

それでも、蹄が無くなった足で、俺の所に駆け寄ってくる


はやくなんとかしちゃれよーーーー!(T-T)




ある程度の大きさの奴は電気で殺すっちゃわぁ

でっかい火ばさみみたいな物でまず頭を挟んでな、スイッチを入れると高圧電流が流れ失神する。
そしてそのあとに胸の所を挟んで心臓に電流を流すとガタガタガタとしびれて心臓を止めて殺すとど・・・かわいそうやんけ。

さっきまで震えて泣きよったやつが。突然静かに死体となるんよ。


たださ、時々その動かなくなった豚を運んでたり、穴の中に落とした時に生き返って動き出すやつがおるんよ。気絶してただけなんやろうな。哀れで なぁ、また殺さにゃいかん・・・。




まだまだ元気な奴らはさ、どんどん穴ん中に落としていく。みんなで板を使って追いやって穴に落としていく。

一番下に落とされた豚たちは熱と重さで圧死ししていくけどよ。後から後から落とされた豚は、どんどんジャンプして穴から必死に飛び出ようとするん よ。

その生きようとする動物の必死さにまた泣けてくるっちゃわぁ・・・・たまらんよ(TへT)


その上からブルーシートをかぶせてよ、コンパネの板を上において、飛び出してこんように俺たち人間が上に乗るっちゃわぁ・・・

それでん、下から・・ドンっ!ドンっ!て必死にぶつかってくっとよ。


ブルーシートの隙間からホースを入れて中にガスを流し込むんよ・・・

すると、だんだん静かになってきてよ…しばらくするとシーンとなるんよ(T-T)


ちくしょーーーーーーー!



作業員達があちこちで殺処分をしていってる。
地獄を描いてる絵があるわぁ。鬼が人間をいたぶっている絵よ。あのまんまって感じ(*_*)


豚舎の中がギャーギャーって今まで聞いた事もないような泣き声があちこちから聞こえるかいよ。

赤ちゃん子豚が不安な様子でジッとしちょっちゃわ。


病気に感染した奴は蹄から血を流して痛いしおっぱいが飲めんかい
コロっコロっ死んでいく。


それでも豚舎が違ってたりで感染していない元気な奴もいっぱいおる。


敷地が一緒やかいて、経営者が一緒だってだけで


殺さにゃいかんとか・・・





本当に、この子達も殺さにゃいかんとか!



・・・


周りの異常な雰囲気を感じちょっちゃろうね

ひょいっと両手で掴み上げるわ

すると身体をグッと堅くして不安げに身体をブルブル震えてるのが手のひらから伝わってくるとよ。


ごめんなぁ、ごめんなぁ。俺が泣き出してよぉ



その幼い身体に注射針が刺されて、静かにぐったりと手の中で重みだけを感じる物体になる
さっきまで硬かった子豚の力が抜けて何の力も入らない柔らかい物になるんよ。




もうどんだけの涙が流れ出たかわからん


あと残ってた豚舎はウィンドレスの豚舎じゃかい・・・


せめて安らかにと思うてかいよ




帰ってくる時・・・空気を送り込むファンのスイッチを切ってきた。




家に帰ってよ。風呂に入ってよ。飯はよう食わんかい。焼酎飲みながらテレビをみてるとよ


俺・・・いつのまにかボロボロボロボロ泣いてるっちゃわ




今頃、眠るように死んでってるんだろうなぁ・・・・。



お前よ。豚は言葉がしゃべれんけんどよ。もしもよ、お前の子供をよ、「なんで?」って言われながらよ。国からの指示やかい言うて・・・大好きなの に・・・手の中で殺せるか。」



地獄絵図と書いたが、中にいたのは鬼なんかじゃなく愛情に溢れた人でした。



・・・あの赤ちゃんを宿した巻き毛の母豚は、いつまで彼に甘えることができ、またどんな瞳で彼を見続けていられたのだろうか。。。


本当にいたたまれない・・・






全国にはたくさんの農家がある。

あまり消費者の目に届くことはないところで、私たちが安心して安全なものを食べていけるよう精魂込めて接してきている人達がいる。私たちは彼らな しには美味しいものを食べることが出来ないのです。


農家の方々の愛情をいただいて生かされているようなもんなんです。


こんな時だからこそ、いつもより町内で買い物をします。
こんな時だからこそ、宮崎産という文字を探します。
是非、みなさんも自分の地元で地産地消を心がけていただきたいものです。



発生から1ヶ月が過ぎ、5月20日、159軒で13万258頭の殺処分が言い渡されました。


絶対、このウィルスを、全国に広めるわけにはいかない。せめて、せめて、今この範囲で終わらせようと必死に頑張ってます。



それでもまだ、この目に見えないウィルスとの戦いは終わらない

しかし、これ以上の被害農家を出さないために、今、元気で生きている牛や豚の為にも


どうか、自分自身の意識を高くして、「徹底消毒」をお願いします!!!



*********

私が伝えたい事は、現場の悲惨さはありますが、今まで家畜と共に生活してきた農家の方々の愛情を知って欲しいと思い、彼の言葉で書く事にしまし た。

決して、政府批判でもなく、対応の悪さについて言及するものではありません
転載されるのは構いませんが、間違った方向にもっていかず

私たちと同じく何気ない生活を楽しんできた農家の方々の愛情をお伝えくださいませm(_ _)m

出典:「殺処分」(ひじり @mixi)

 最初にも書いたように、私たちは他の生きものの命をいただいて、自分の命を維持しています。本来であればそのために引き受けなければいけない様々な苦労を、今は農家など、一部の方々にお願いしてしまっています。そのこと自体、本当に感謝しなければいけませんがが、そうした方々がさらにこのような苦痛も一身に背負わざるをえない状況に、なんとも申し訳ない気持ちでいっぱいになります。

 今回、口蹄疫の被害にあわれた方々には心からお見舞を申し上げます。対処にあたられた方々には深く敬意を表します。そして、二度とこのようなことが起きないように、私たち全員の問題として考えたいと思います。

 ユナイテッドピープルさんは、宮崎県の畜産農家の方々に応援のメッセージを届ける呼びかけをしています。義援金の呼びかけも行われています。少しでも、農家の方々と思いを共有できればと思います。


宮崎県「口蹄疫」被害を受けた畜産農家の皆様に応援メッセージを!


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2010年05月31日

NGOを舐めてはいけません

 サスラボでも取り上げた、ネスレに対するグリンピースのネガティブ・キャンペーンですが、グリンピースの勝利に終わりました。もしかしたら、「また過激なNGOが、過激なキャンペーンをしている」と眉をひそめた方もいらっしゃったかもしれませんが、ネスレはグリンピースの要求を完全に受け入れたのです。

 グリンピースのサイトでは、以下のようにその成果が発表されています。
2ヵ月で、
34 カ国から、
30万通以上のメッセージ。
150万回視聴されたビデオ。
↓↓ その結果 ↓↓
5月17日、 世界最大の食品・飲料会社ネスレ本社は、熱帯雨林を破壊してつくられた製品の使用中止を発表しました!

しかも、消費者と向き合う企業としてはもっとも包括的なパーム油などの調達指針を掲げ、熱帯雨林とオランウータンたちの保護をすすめる画期的な方針を打ち出しました。
出典:「ネスレ本社は、熱帯雨林を破壊してつくられた製品の使用中止を発表しました!」(グリンピース・ジャパン)

 今回のキャンペーンのためにグリンピースが作った映像は非常に効果的なものでした。文字で表現しただけであれば、これほどの大きな反響はなかったかもしれません。わかりやすく、そして誰しもこれはマズイ!と思うような映像にすることで、多くの消費者から賛同を得、その声がネスレに届いたのだと思います。映像が150万回視聴されたというのもさることながら、映像を見た5人に1人がネスレにメッセージを送ったという驚異的な割合が、映像のインパクトの大きさを物語っています。

 さすがにこれだけの反応があると、ネスレとしても対応せざるを得ないでしょう。メッセージを送って来た50万人の消費者の背景には、その何倍もの同じ思いの消費者がいるはずです。シナール・マス社からのパームオイルの購入を止めただけではなく、さらにそれを回避するような調達も止めました。ネスレのサプライヤーであるカーギル社も、同様のコミットメントをしたのです。

 そして、TFT(The Forest Trust)などのNGOと協力しながら、責任ある調達を進めていくことを発表しています。現在は使用するパーム油の18%がCSPO(認証された持続可能なパーム油)ですが、2011年にはこれを50%にし、2015年には100%にするとしています。

 さらにはパーム油だけではなく、包装に使用する紙についても、同じシナール・マス グループのAPP社の製品は購入しないことを宣言しています。APP社もやはり、熱帯林を破壊してパルプを生産していると非難されているからです。

 以上のことについては、ネスレ本社からは以下のような詳しい声明が発表されています。ただ残念なのは、日本のネスレのサイトには、一切そうした説明がないことです。日本ではあまり問題にならなかったということなのかもしれませんが...
■"Statement on deforestation and palm oil"(Nestle)

 今回のネスレの一連の対応は非常に素早いもので、ネスレを動かしたグリンピースのキャンペーンは大成功だったと言えます。しかし、さらに注目したいのは、グリンピースのキャンペーンが非常に用意周到であったということです。

 というのは、ネスレはパーム油の問題について、これまでまったく何もしてこなかったわけではありません。既にある程度CSPOの利用も始めていました。また、パーム油はネスレにとって主要な原材料ではなく、さらには、シナール・マス社からの購入量も全体の中で大きいものではありませんでした。つまり、ネスレが本気で変えようと思えればすぐにでも変えられる部分を、グリンピースは突いたのです。

 そして4月15日のネスレの株主総会をも意識していたのではないかと思えます。ネスレの経営層が、株主総会できちんと回答しなければいけないことを見越して、グズグズとしている時間を与えないようにキャンペーンのタイミングを設定したいのではないでしょうか。

 つまり、どういう時に、どういう行動を促せば企業が反応せざるを得ないか、そのことをきちんと計算した上で戦略的にキャンペーンをしかけたであろうということです。もちろん、どのようにアピールすれば消費者が反応するかも、きちんと計算しているはずです。

 さらにはこのように成功しやすいキャンペーンを行い、見事にそれを成功させることで、グリンピースは自分たちの存在感や影響力をアピールすることにも成功したと言えます。世界中の注目を集めて、手堅い勝負を仕掛けたのです。

 今回のキャンペーンではグリンピースの手腕の鮮やかさが目立ちましたが、実はこれはWWFの成功でもあるのです。ネスレが2015年までに100%の切り替えることを約束したCSPOは、WWFがユニリーバなどと始めたRSPO(持続可能なパームオイルの円卓会議)が作った規格です。

 既にユニリーバなど世界の19社が2015年までにCSPOに完全に切り替えることを宣言していますが、今回ネスレが20番目の企業となったわけです。RSPOというフレームワークを作ることにより、WWFは世界の先進的企業を次々に変えることに成功しているのです。

 このように、海外のNGOは非常に戦略的です。そして、企業にも、社会にも、大きな影響力を持っています。この点は日本とは随分と事情が異なります。日本の企業はそのことを見落としてはいけないでしょう。

 これまでのところ、日本の消費者は欧州の消費者のように熱帯林の破壊や生物多様性の問題には反応して来ませんでした。消費者を動かすような、戦略的なNGOもあまり存在していないのかもしれません。しかし、今年は生物多様性条約のCOP10があります。世界の目が日本に注目するのです。そこで、海外のNGOが日本の企業に注目し、働きかける可能性は十分にあるでしょう。日本企業を動かす絶好のチャンスだからです。

 日本ではNGOというと、企業や行政などに比べて、まだまだ発言権がないように思います。中には、「NGOの言うことなんて」まったく取り合おうとしない企業の方や、「NGOは何を言うかわからない」と変に避ける方も見かけます。しかし、企業とは少し視点は違うかもしれませんが、専門性を持ちながら、現実的なソリューションを考え、提言し、実行できるNGOも、たくさん存在します。そういうNGOを見下すのはとんでもないことですし、第一、企業にとってももったいないことです。むしろ、同じ課題に取り組むにあたって、自分たちとは異なる視点を提供してくれる存在としてNGOを活用することこそ、これからの企業にとって必要なことだと思います。

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posted by あだなお。 at 12:18| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | 生物多様性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月30日

寅年だから!?

 GRIグローバル会議の続きです。

 サステナビリティ社のジョン・エルキントンなどが設立した、社会変革ビジネスのための組織、Volansをご存じでしょうか。未来の社会が飛び立てるように("Help the Future Take Flight")、社会起業家、投資家、政府などにアドバイスをすることをミッションにしています。

 そこがGRIと「未来のレポートはどうなるか?」という共同調査をして、そのセッションもありました。その中で、これからの課題としてTIGERSが挙げられました。虎を守りましょうというわけでは、ありません。以下の6つの項目の頭文字なのです。
Transparency (透明性)
Integrated Reporting (統合化レポート)
Governmental Leadership (政府のリーダーシップ)
Environmental Boundaries (環境の限界)
Rating & Ranking (格付、順位付け)
Shadow Economies (闇の経済)
です。

 詳しい内容は"The Transparent Economy: Six tigers stalk the global economy - and how to tame team"(GRI, Volans)という報告書をご覧ください。

 寅年だからTIGERSなんだと笑いを取っていましたが、そういう発想が出て来るのは、Volansがロンドンに加えて、シンガポールにオフィスがあるからかもしれませんね。アジアの知恵が活かされたのです(笑)。

 そう言えば、相変らずこういう国際会議では日本人の姿は少ないのですが、アジア系で目立つのは圧倒的に中国人でした。アジアなどの中国系だけではなく、中国本土の方も増えているようです。GRIも間もなく中国オフィスを開くそうですし、アジアの中心は、シンガポール、上海、北京と、いずれも中国系のところになりそうです。つくづく日本は辺縁だなと... 

 ちなみに、今回は日本のCSR業界(?)からの出席者は、気付いたところ、僕を入れて4人。あとは海外で活躍している日本人2人とお話をしました。日本からの4人はいずれも男性、海外の日本人2人は女性というのも、なんとなくいかにもなパターンです(^^;)

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posted by あだなお。 at 17:56| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月27日

環境報告書は統合化へ!?

 GRIのGlobal Conferenceに参加するために、昨日からアムステルダムに来ています。今日はオープニングの本会議がありましたら、その中でちょっとすごい提案がありました。まずはそれだけご紹介します。
提案1. 2015年までにすべての大企業と中規模の企業は、ESG(環境、社会、ガバナンス)に関する重要な事項を報告することを義務化すべきである。

提案2. (会計報告と)統合された持続可能性報告標準化された方法を開発し、検証し、採用することを2020年までに行うべきである。

提案3. ESG報告のベストプラクティスのガイダンスとなるように、また、国際的な統合された報告の基準を準備するために統合された報告の経験が得られるように、G4を開発すべきである。
※太字はあだなお。

 1番の義務化もさることながら、統合された報告書の基準を作って国際的に採用させるというのは、かなり野心的な目標ですね。日本では環境報告書は最近ちょっとマンネリ気味ですが、もしこのような基準を作る動きが始まれば、俄然また騒がしくなるかもしれませんね。

 というわけで、今回のGRIは「統合された報告(integretated reporting)」というのがキーワードになりそうです。他にも興味深い話もありましたが、もう眠いので今日はこの辺で....(^^;)

 なお、GRI事務局のこの提案について、現在会議のWebで意見募集をしています。現地時間で5月28日の正午までとなっていますので、意見を述べたい方はお早めに!

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posted by あだなお。 at 05:41| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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