まず選挙結果にビックリです。たしかに鳩山政権はマニフェストの内容を実現できなかったばかりか、選挙前には党首交代。しかも菅首相は交代するなり、選挙前に消費税値上げなど言い出すものですから、ある程度議席を減らすことは予測できましたが、まさかここまでとは... そしてこのオウンゴールで民主が票を減らすのはしかたがないにしても、その結果、自民がここまで復活するのもビックリです。
もう一つビックリしたのは、普天間問題がほとんどまったくと言っていいほど、選挙の争点にならなかったことです。鳩山失脚の原因の一つは普天間問題の対応を誤ったことだと思いますし、これがきちんと決着したとは今だとても思えないのですが、それがまったく争点にならなかったのはビックリです。
争点という意味では、環境問題も見事なほどに争点にならなかったと言っていいのではないでしょうか。2020年に温室効果ガス排出量を1990年比25%削減とする地球温暖化対策基本法案の再提出がかかっています。基本法反対派(?)のメディアは「これが争点」「慎重に議論を」などと言っていましたが、実際には多くの候補者はほとんどこのことを口にはしなかったのではないでしょうか。もちろん、それ以外の環境問題などゼロと言ってもいいと思います。
選挙では様々な組織が自らの利害関係のため、組織的に票を投じることがあると言われます。今回の参院選のように投票率が低い(57.92%で前回よりマイナス0.71ポイント)と、この組織票の大きな政党や候補が有利と言われます。さて、それでは今回はその組織票はどうだったのか? もちろん正確な中身は誰にもわからないわけですが、組織力(=票?)の一覧がテレビで報道されたのだそうです。報道したのはテレビ東京、これはなかなか事件なのではないでしょうか。ちなみに投票率に関しては、沖縄県が7.88ポイント減と大幅減少していますが、この意味を政治家はもちろん、私たち全員が噛みしめる必要があるのではないでしょうか。
出典:「テレビ東京すげえ!ある意味タブーの組織票を一覧にまでして報道!」
そして一番ビックリしたのは... 僕は半人前どころか、1/4人前でしかなかったということです。どういうこととかと言うと... 「一人一票実現国民会議」のWebサイトで自分の一票の価値がどのぐらいあるのか、一票の力がもっとも大きい選挙区と自分の選挙区で比較するページがあります。そこで調べて見ると、なんと僕の一票はもっとも人口あたりの議員数が多い選挙区を一人一票とすれば、0.23票にしかならないのです!! つまり、昨日せっかく投じた一票も、人口が少ないその選挙区の有権者の1/4の発言権しかなかったということです。今の時代であれば、IT技術を使えば完全に公平な投票権も技術的には可能です。多少の誤差はしかたないと思いますが、4倍以上というのはあまりにヒドイ。技術的、制度的に解決できない問題というより、意図的に放置しているとしか思えません。
■「あなたの一票の価値は」(一人一票実現国民会議)
こうしてみると、結局はかなり卑近な問題というか自分たちにとっての短期的な利害で票を投じる層、あるいはタレントやスポーツ選手など有名人に投じる層、そうしたポピュリズムが蔓延していることを示す結果と言っていいのではないでしょうか。そして守旧派は、むしろそうした現状を都合が良いものとして肯定しているように思います。
こうした問題を解決するためには、選挙区の抜本的見直し、ネット選挙の導入などが効果的だと思いますが、今までの仕組みや既得権を変えたくない方々は、こういう制度変更には強硬に抵抗するのでしょうね。たくさんビックリして、最後はかなり呆れてしまった参院選でした。
衆参ねじれた政治がこれからどのようになるかは注意深く見守りたいと思いますが、考えようによっては、このような状態だからこそ、緊張感が生まれ、きちんと政策で争うという状況にもなるかもしれません。社会も、環境も、経済も、すべてがまったなしの状況です。まっとうな政治主導で3年後にはビックリするような進展があるようにしたいですね。
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