2010年03月31日

熱帯雨林を破壊するチョコレート!?

 熱帯林を伐り拓いたプランテーションで作られたパームオイルが持つ様々な問題は、サスラボでも何度か取り上げて来ました。そうした問題に対する一つの回答として、RSPO(持続可能なパームオイルの円卓会議)という集まりも作られ、環境や地域社会に対する影響を最小限に留めようという努力も重ねられてきました。

 例えば、ユニリーバはRSPOを立ち上げ、リードしてきた組織の一つで、RSPOの認定パームオイル(CSPO)が2008年に登場すると、いち早くそれを採用し、2015年までにすべての原料をCSPOに切り替えることを宣言しています。そのことをむしろ競争力にしようとしているのです。

 しかし実際にはまだ市場にはCSPOは少なく、また使用されているものも少ないと言われています。実際、日本企業はおそらくまだ一社も商品化していません。
《参考リンク》
■「生物多様性を守るパームオイルの利用はわずか1% 〜WWF、企業に需要を喚起〜」(WWF)

 そんな中、ネスレグループの人気チョコレート、キットカットは原料にきわめて問題が多いとされるインドネシアのシナール・マス(Sinar Mas)社のパームオイルを使用していることがわかり、グリーンピースなどの環境保護団体から強い非難を受けています(ユニリーバやクラフトは、既にシナール・マス社との取引を停止しています)。

 グリーンピースでは以下のかなりショッキングな映像も使いながら、ネスレに対して原料の切り替えを訴えるアクションを行っています。(このビデオ、本当にかなりショッキングです。そういうのが苦手な方は決して見ないでください)

Have a break? from Greenpeace UK on Vimeo.

 私たちの生活が、あるいは世界的な「優良」(少なくとも業績的には)企業が、熱帯雨林や生物多様性にどのような影響を与えているのか。また、そうした問題に対して国際NGOがどのようなキャンペーンを行い、国際世論がどのように反応するのか。COP10を前に、日本企業はよく見ておいた方がいいのではないでしょうか。

 たとえ悪意がなく、単なる無知だったとしても(どうやらネスレはそうではなさそうですが)、こうした激しいせめぎ合いが、今年後半は日本企業との間で起きないとも限らないからです。

 国際会議の舞台になるということは、そういう意味もあるのです。

<2010/03/31追記>
 昨日の記事では、肝心のグリンピースのキャンペーンサイトのURLを掲載するのを忘れていました。ゴメンナサイ。ご興味のある方は、以下のリンクをご覧ください。
■「キット、熱帯雨林もブレイクしたい」(グリーンピース)
■「熱帯雨林にブレイクを! ネスレ本社にお願いしよう」(グリーンピース)

 昨日の記事に掲載した映像は、呼びかけ開始後3週間にして世界で90万回以上視聴され、また12万通以上のメッセージがネスレ本社に届いているそうです。ツイッターなどで世界中にまたたく広まったこの動きを、The Wall Street Journalも大きく取り上げています。
■"Nestlé Takes a Beating on Social-Media Sites"(WSJ、2010年3月29日)

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2010年03月30日

日本の森が危ない!

 NIKKEI NETに連載中の「経済を変える生物多様性」で、今月はPES(生態系サービスへの支払い)制度を日本に適用できるかというテーマを扱うのですが(今週中には公開予定です)、人手の足りない里山や山地の維持管理のためにPESの考え方を応用できるのではないかということを書いていたら... 本当に早く手をつけないと、日本の森が危ないというニュースが飛び込んで来ました。
《参考リンク》
■「経済を変える生物多様性 第3回『自然はタダではない〜PESとは何か?』

 正確に言えば、何か出来事が起きたということではなく、報告書が発表されたのです。東京財団が発行した「グローバル化する国土資源(土・緑・水)と土地制度の盲点」がそれです。

 過疎で人手不足のため、耕作放棄や植林放棄が各地で進んでいますが、それに乗じて、外国資本がその森林を購入するケースが増えているのです。その背景にあるのは、今後世界的に顕在化するであろう水不足。言うまでもなく、森林は水源涵養地として重要な機能を持つのですが、私たち日本人が生態系と生物多様性の真価に気付かないうちに、いつしかこの貴重な国土資源が私たちの手から奪われてしまう。このままではそんな事態に成りかねないという衝撃の報告書です。
 埼玉や山梨、長野、岡山県など全国各地の水源に近い山林について、中国な どの外国資本が買収の打診をしてきていることが、東京財団がまとめた「グローバル化する国土資源(土・緑・水)と土地制度の盲点」と題した調査報告書で明らかになった。類似した事例は昨年、三重県大台町、長野県天竜村でも確認され、林野庁が調査に乗り出す事態にもなった。
(略)
 報告書によると、ほとんどが森林で占められる5ヘクタール以上の土地取引は、平成20年の統計 で、10年前に比べ面積で倍以上、件数で1・5倍の増。また、具体的な事例を並べたうえで、山林買収は事実関係の把握が困難とも指摘した。
  背景として、世界の水需給の逼迫(ひつぱく)が予測され、日本の「水」が狙われている可能性に言及。特に中国の水需要が2004年までの7年間で4倍以上伸びており、日本から水を調達するために買収に触手を伸ばしている可能性を指摘している。
(略)
  報告書では、日本の土地制度が諸外国に比べて極めて強いとも指摘。いったん外国資本に所有されると、それを手放させることが難しいため、事前の実態把握と 事前届け出など諸規制を提言している。
出典:「日本の森と水、むさぼる外資 埼玉や山梨でも山林買収を打診」(MSN産経ニュース)

 報告書全文は、以下のリンクからダウンロードできます。
■「グローバル化する国土資源(土・緑・水)と土地制度の盲点〜日本の水源林の危機 II 〜」(東京財団)

 サブタイトルからもお分かりのように、この報告書はシリーズ第二弾なのですが、最初の報告書は以下のリンクからダウンロードできます。
■「日本の水源林の危機 〜グローバル資本の参入から『森と水の循環』を守るには〜」(東京財団)

 森は水を提供してくれるだけでなく、これからの社会を支える資源と機能の宝庫です。その再評価と保全を今すぐ始めないと大変なことになってしまいそうです。

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2010年03月24日

帰京しました

 先日ご紹介したバルジャック村以来、移動が続いていたのですが、ようやく東京に戻って来ました。

 バルジャック村を訪問した翌日には、モンペリエ→パリ→ロンドン→ケンブリッジと移動し、その後火・水・木はケンブリッジでBBOP(後述)のアドバイザリーグループの会合に出席。
 木曜日の夜にケンブリッジからヒースローに移動。金曜の朝にヒースローを発ち、チューリッヒ経由で成田に向かい、土曜日の朝に到着。一旦自宅に戻った後、夕方には名古屋へ。
 日曜日は成田でCOP10のプレ・コンファレンスに出て、夜遅く帰京。
 というわけで、月曜日にようやくほっと一息、でした。

 ケンブリッジで三日間会合をしたのは、BBOPという生物多様性オフセットについての国際的な基準を作っているグループです。既に「原則」は出来ており、COP10に向けて「基準」や「指標」を作り込む議論を行いました。今回はNGOやコンサルタントの方が多かったので、議論というか要求レベルが非常に高くて正直ちょっとビックリしました。自主的な取り組みのためなのに、そんな厳密な基準を作っちゃって(まだ決まったわけではないのですが)、本当に企業は付いてくるの? そんな疑問も頭を横切りましたが、議論はどんどんエスカレートしちゃいます(^^;)

 今回は事業会社からの参加者は少なかったのですが、マダガスカルでニッケル鉱山の開発をしているAmbatovy社の担当マネージャーなど数名が、同社のプレゼンテーションも兼ねて参加していました。彼らもBBOPの基準に準拠する形でオフセットを行っているのですが、こうした議論にも平然としているのが、こちらにとっては逆に驚きでした。やはり国際的な相場はかなり高くなっているのかもしれません。

 一方名古屋のCOP10プレ・コンファレンスは科学者の集まりで、これもまたBBOPとはまったく別の雰囲気です。21日は午前中は生物多様性版IPCCとも言うべきIPBESの設立に向けての「科学と政策の対話」、午後は2020年目標のCBD事務局案に対する科学者からの提言でした。
 午前中は田島環境副大臣が参加しての対話で、座長としてはやや緊張しましたが(笑)、副大臣が積極的にご発言くださったのでとても助かりました。今年中になんとかIPBESは動きそうかなという印象です。
 午後は研究者の方々らしいプレゼンテーションでしたが、聴衆に企業人や一般の方が少なかったのはちょっと残念です。せっかくの対話と交流の機会だったのですが...

 生物多様性の中にも、いろいろな「社会」があるのですねぇ。

 こんなわけで、この10日間ほどはちょっと「国際的」な仕事が続きましたが、これからしばらくはまた国内の地道な仕事に戻ります。

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2010年03月16日

バルジャック村訪問

 欧州出張の途上、南仏の小さな農村を訪ねました。モンペリエから北に向かって2時間近く車を走らせると、なだらかな丘の中腹に、中世からの町並みがそっくりそのまま残っているいるかのような村がありました。「未来の食卓」という映画の舞台になった、ガール県のバルジャック村です。人口1330人ほどの小さな村なのですが、 2006年9月から、学校給食をすべて地域産の有機食品、フランスで言うビオ(bio)に切り替えたところです。
《参考リンク》
■「未来の食卓は給食から」(サスラボ)

Barjak.jpg
村長さんの執務室から見た、村の風景

 ちょうど日曜日だったということもあり、これまた古いカソリックの教会をのぞけば出かけるところもほとんどなさそうですが、この日はちょうど全仏の統一地方選で、昔のお城(シャトー)を改築した村役場には、三々五々、村人たちが投票に訪れていました。

 昼過ぎの段階で投票率はおよそ3〜4割程度ではないかとのこと。案外低い数値に、最終的にはどのぐらいを予想しているのですかと係の方に尋ねてみると、毎回5割を目標にしているそうです。なんと、日本とたいして変わらないのですね(^^;)

 映画にも登場した村長さんからゆっくりとお話をすることが出来ましたが、一番驚いたのは、彼が村長になった25年前には農業に従事する方が村民の85%もいたのに、今ではなんと25世帯のみ。人口は少しずつ増えているというのに、農業は高度に集約化され、その結果、農業従事者は極端に減り、しかも今従者している方々はまるで農業機械のオペレーターのようで、生きものを育てる仕事ではなくなってしまったそうです。

 集約化された農業はエネルギー源として大量の石油を使うだけでなく、農薬も大量に使用します。村に来る道すがら、道端には梅のような白い可愛らしい花をつけている樹をたくさん見かけました。アーモンドです。しかし、このアーモンドにも、大量の農薬が噴霧されています。

 当然そのような仕事に喜びを感じる人は少なく、また何よりも、そんな風にして作った農作物場安全であるわけがありません。映画の中でもあったように、農家を含めて地元の人たちは集約農場で作られた野菜は食べません。これはすべて、都会や海外に送られるのです。村人たちが食べるのは、近郊の村で作られたビオです。

 え、近郊の村で作られた? そうなのです、給食でビオを宣言した村なのですが、村では集約的農業をするごく少数の農家だけとなってしまい、ビオな食材はすべて近郊の村から買っているのです! つまり、バルジャック村にはビオな農業で自給自足の理想郷があるわけではなく、反対にこの数十年で急速に近代化が進んでしまい、その弊害と危機感が、村長や村人たちをビオな給食に走らせたのです。

 もちろんだからと言って、現状を良しとしているわけではありません。村では組合が作られ、この組合が25haの新しい土地を買って農地にし、それを有機農業に取り組みたい人々に貸し出す計画が進行中です。

 子どもの頃から土いじりをして、給食ではおいしいビオを食べ、もう一生マクドナルドに行こうなんて思わない。そんな健康な子どもを育てることが、村長さんの目標なのだそうです。

 村役場となっているシャトーを含め、村の建物は400〜500年前のものばかり。お店の看板が新しくなり、細い道を自動車が走るようになったことを除けば、おそらく村の景色も400〜500年間、ほとんど変わっていないのだと思います。村長さんは1640年代の村の行政の記録が残っているという、立派な本を見せてくれました。一ページ、一ページが丁寧に補修され製本された記録には、細かい手書きの文字でびっしりと記録が書かれています。古い言葉なので、何が書かれているのかはわからないそうですが、それはたしかに400年近く前にこの村に人々の生活があったことを感じさせてくれます。

 「今の集約的農業がこの先ずっと続くとはとても思えない。」だからビオへを始めたという村長さんは続けます。「今私たちがやろうとしていることは、昔に戻ることではない。新しい発展への第一歩なのだ。」

 どのような社会を理想とするかについては、あまり具体的なイメージは語られませんでしたが、良いものは古くても守り、間違ったと思ったことは直し、未来を作っていく。たしかにこのまま放っておけば「私たちの子どもたちは、私たちを告発する(映画の原題)」かもしれませんが、だから今のやり方を変えるのではなく、誰にとってもより良い「未来の食卓(同じく邦題)」を作るために決断をした。そんな村長さんの思いを直接感じることが出来た、とても有意義な一日でした。

 組合を作り、村でビオを作れるようにするプロジェクトは、現在制作中の映画の第二弾の中で詳しく紹介されるそうです。バルジャック村の試みはまだ始まったばかりですが、映画などを通じて、こうした動きが各地に広がることに期待したいと思います。

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2010年03月12日

悲しき温対基本法

 12日、地球温暖化対策基本法案が閣議決定しました。ただ、とても手放しで喜べるような内容、状況ではありません。

 条件付きながら、温室効果ガスを1990年比で2020年までに25%削減はキープ、また2050年までには80%削減としています。「高過ぎる目標」とするメディアもあるようですが、既に国際公約している2050年に世界で半減するためには、80%削減でも不十分かもしれません。決して「突出して高い」などとは言えないでしょう。

 国内排出量取引制度を創設することは盛り込みましたが、民主党のマニフェストにあった総量規制であるキャップ・アンド・トレード方式からは後退し、原単位も検討するということになってしまいました。それでも経済界は猛反発しています。

 地球温暖化対策税(環境税)の実施に向けた検討や、太陽光以外の再生可能エネルギーの全量を電力会社が買い上げる固定価格買い取り制度も前進ですが、欧州等に比べれば、むしろ遅過ぎたぐらいです。

 そしてがっかりなのは、2020年までの再生可能エネルギーを1次エネルギー供給量の10%にという目標にしたことです。当初案の「消費量の20%」に比べるととこれはやはり後退なのではないでしょうか。また、ヒートポンプなど、本来の再生可能エネルギーでないものも含めることによる「水増し」も行われています。

 さらに、社民党の強い反対にも関わらず、温暖化対策として原子力発電の推進も盛り込まれてしまいました。温排水等の影響を考えれば、原子力は温暖化対策にはなっていませんし、生物多様性に対する悪影響も大です。さらに、人にも大きな危害を加える可能性を考えると、とても鳩山政権の「いのちを守る」精神にはとても合わないと思うのですが...

 この内容でも経済界は猛反発ということも悲しくなりますが、鳩山政権は頑張ったつもり(?)でも、欧州に比べるとどうしても見劣る内容です。若干の前進を評価するべきなのかもしれませんが、肩透かしを喰った印象は免れません。今までのやり方ではもうダメなのだということを、なんとか政治がきちんと示して欲しいと思いますし、その認識のもと、オールジャパンで頑張りたいと思うのですが...

《参考リンク》
■「温対基本法に暗雲――与党内不一致露呈、各界の激しい反発」(環境メディア、2010年3月11日)
■「第4回 危うし「温暖化対策基本法」」(nakata.net)

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posted by あだなお。 at 23:59| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 気候変動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月28日

至福のバスタオル

 以前にも書いたことがあると思いますが、コットン(綿)は自然素材のようではあるのですが、綿花栽培は世界の農薬使用量の25%を占めています。オーガニック・コットン情報室によれば、綿花栽培の盛んなインドにおいては、「コットンは全耕地面積の5%にすぎないが、国内年間全農薬使用量の54%を占める」ほどです。

 さらに同情報室には、こんな衝撃的なファクトがいくつも紹介されています。
・多くの国で、コットン生産者の50〜90%が合成化学物質による何らかの症状に苦しんでいる (Organic Exchange:2007)
・国連食糧農業機関(FAO)、国連環境計画(UNEP)、世界保健機関(WHO)の合同報告によると、世界の農業労働者の1〜3%が急性農薬中毒にかかり、入院を要する人数は毎年最低でも100万人におよぶ(PAN:2007)
・インドでは98年から03年の6年間で全国で約10万人の農民が自殺 (ヒンドゥスタン・タイムズ:2006)
 出典:同上

 あるいは以前も紹介しましたように、児童労働の問題もあります。
《参考リンク》
・「綿花畑で起きていること」(サステナ・ラボ、2007年11月28日)
・「国ぐるみの児童労働、強制労働」(サステナ・ラボ、2007年11月29日)

 こんなことを知ってしまうと、なるべく得体の知れないコットンは使いたくないなと思うのですが、日本ではまだオーガニック・コットンを使った製品というのは決して多くはありません。

 それでもタオルはわりと多く、環境系のネットショップなどでは定番となっているので、自分でバスタオルなどを買うときには、いつもオーガニック・コットンにしています。やや値段は高めですが、精神的にだけではなく、実際に使用すると明らかに風合いが良く、快適なのです。肌触りが柔らかいだけではなく、繊維の処理の仕方が違うのか、心なしか吸水性も良いような気がします(あくまで感覚ですが...)。

 ただエコ系のお店でしか見かけないので、バラエティが少なく、また最近は価格を少しでも安くして手軽に使ってもらおうということなのか、薄めの生地のものが多く、実は内心ちょっと不満に感じていました。

 ところがラッキーなことに、ちょっと前にプレゼントに分厚いバスタオルをいただいたのですが、これがオーガニック・コットンだったのです。MARKS&WEBというお店のもので、そう言えば以前何度かお店をのぞいたこともあった気がしますが、オーガニック・コットンを扱っているとは知りませんでした。

 オーガニック・コットンのタオルにありがちな生成りではなく、濃い色に染めてあるので珍しいなと思ったら、eko-Texという安全規格のクラス1(もっとも高いレベル)の染料で染めてあるのだそうです。ちなみに、オーガニック・コットンはスゥエーデンのKRAVが認証したもので、パイル地だけではなく、縦糸も100%オーガニックなのだそうです。
出典:「オーガニックコットンについて」(MARKS&WEB)

 なるほど、こういうおしゃれなお店(だと思うのですが)も、さりげにオーガニック・コットンを使うようになったのですね。欧州では、「エシカル・ファッション」という言葉も出来て、オーガニックであることがオシャレの前提になりつつあるようですが、日本もだんだん進化しているのかもしれませんね。嬉しいことです。

 あ、で肝心のこのMARKS&WEBのオーガニック・コットンのタオルの使い心地ですが、厚地なのでとてもいい感じです。何度か洗うとコットンに含まれているオイルが自然に抜けるので、吸水性が高まり、さらに良くなるそうで、楽しみです(笑)。

 オーガニック・コットンは高くてと思われる方もいらっしゃると思いますが、タオルはそんなにベラボウな値段ではありませんし、長持ちしますからね、大事に使えばいい買い物だと思います。なんといっても使い心地がいいので、毎回使うたびに幸せな気分になれますし、そこまで考えたら案外安い買い物かもしれません(笑)。僕は別に上記のお店の回し者ではありませんが(^^;)、良さそうなオーガニック・コットンのタオルを見かけたら、ぜひ一度試してみてくださいね。

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posted by あだなお。 at 22:39| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

偽りの楽園

 前回も書いたように、今週の前半はインドネシアのバリ島でした。生物多様性のGDM(Green Development Mechanism)に関する会合です。自然も文化も多様なバリは、まさにこうした会合の舞台にうってつけ...という気がするかもしれませんが、実際にはそう単純ではなくなっています。

 まず今回の会合が行われたのは、バリの中のヌサドゥアと呼ばれる地区にあるリゾートホテル。2007年末に気候変動枠組条約会議のCOP13が開催された場所として記憶されている方も多いかもしれませんが、インドネシア政府が外国人観光客用に開発した特別地域で、がっちりとした門と高い塀で外から隔離された場所なのです。住宅の場合にはこういうのを"gated community"と言いますが、さしずめこれは"gated resort community"でしょうか。

 トランクはもちろん、車の下側もビデオカメラでしっかりと監視する検問ゲートから先は、用のない人は入ることは出来ません。私たちのような外国人はまったく問題ありませんが、現地の方々は、リゾートで働いているとか、そういう理由がなければ入れないのです。安全と静寂を守るためではあるのですが、ちょっとなんだかな、です。(もちろん他の場所でも、高級リゾートは、たいてい自前のゲートを持ってはいますが、ここは地区全体がそうなのです)

 そして中に入れば、それまでの雑然としたインドネシアらしい景色とはうって変わり、手入れの行き届いた緑の植栽の中にきれいな車道だけが続きます。生活臭はまったくなく、ゴルフ場の中のような雰囲気です。

 さらに、各リゾートに入るには、またリゾートの検問。もちろんその中に入れば、24時間安全な空間!(笑) ホテルと無関係の人はまず入って来ないわけですから...

 で、リゾートの中ですが、こちらも南国らしく、ひたすら緑に溢れています。今回泊まったところは、部屋が広いのはいいのですが、建物はマンション風で、個人的にはあまり魅力は感じませんが、それでもまぁ快適です。広いベランダに出れば、緑の景色を長めながら、ソファで寛いだりできます。あ、そんな時間は残念ながらありませんでしたが...(^^;)

 レストランはプールサイドにあって、外からの光と気温が、熱帯にいることを実感させてくれます。Yシャツと長ズボンより、ポロシャツに短パンでいるのが、圧倒的に自然なシチュエーションです。ただ、会議室の中は例によって冷房がよーく効いているので、当然Yシャツと長ズボン、そして僕は上着も持ち込みです(^^;)

 で、この辺まではまぁいいのです。ジトッと蒸し暑い空気と、刺すような陽の光は、大好きですから。個人的には、寒いのより、暑い方が圧倒的に好きなのです。ところが今回あれっと思ったのは... これだけ緑が多いのに、花も咲いているのに、鳥の声や姿をまった見かけないのです。正確には、一度だけハトの仲間を見かけましたが、それ以外にはほとんど見ませんでした。これはかなり異常なことです。

 そういえば虫もまったく見かけませんでした。一度だけ、蚊がブーンと飛んで来ましたが、それも三泊の間に一度だけです。これって、変じゃないですか?

 とういことは、これはかなり徹底的にpest control、つまり「害虫駆除」をしているということです。滞在中、緑地の下草を植え替える作業をしているところを見かけましたが、もしかしたら植物もしょっちゅう入れ換えないと続かないのかもしれません。

 このホテルチェーンは環境や社会問題について結構熱心なところなのですが、「生物多様性」についてはあまり関心がないのか、お客様商売である以上、やはり害虫管理は徹底せざるを得ないんでしょうかねぇ...

 そんなことを考えていると、たしかに快適ではあるけれど、やはりこれは人工的に作り上げられた「偽りの楽園」なのだなぁと感ぜずにはいられませんでした。

 たしかにまったく管理をしなければ、熱帯では虫は大発生するし、それを追いかけて部屋の内外をヤモリはかけずり廻るし... 都会から来たお客さんからはクレーム続出しそうですらね。都会の常識を持つ人間と、生きものの共存は、なかなか難しそうです。

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posted by あだなお。 at 00:32| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 生物多様性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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