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■「アメリカに「SAFE China Free(中国産原材料ナシだから安全)」商品の展開広まる」
昨今の中国産の食品や製品の問題を考えれば気持ちはわかりますが、ちょっと過激ですね。普通だったら「アメリカ産」とか「純国産」と書けばいいようなものです。たしかに「中国産の原料は含みません」の方がずっとインパクトはあるのでしょうが...
このニュースをよく考えてみると、そこにはCSR上のさまざまな課題が含まれているように思います。
まず一つは、信用です。当然ですが、中国製の食品のすべてが危険なわけではありません。おそらく、問題があるのは数%、いやもっと少ない割合かもしれません。しかし、どれだけごくわずかでも、「中国製」の食品や製品に危険なものが見つかり、それが数回繰り返されると、もはや「中国製」全体の信用が失われてしまうのです。
そういう状況の中で自社のの製品を安心して買ってもらうためには、原料はどこから来ているのか、どうやって作られたものなのか、そうしたことを徹底的に説明し、透明性を高めることが必要です。そうした説明責任を果たさねば、消費者からの信頼は得られなくなったのです。CSR調達が必要とされる所以です。
こうしたことをわざわざ説明をしなければ信頼されないもう一つの理由は、製品が最終消費者に届くまでの過程があまりに長く、複雑になっていることもあるでしょう。地球の裏側で作られて、最終消費者の手に届くまで、一体何人の人の手を通ることでしょう。その経路が複雑になればなるほど、透明性やトレーサビリティなしには、とても信じられなくなってしまいます。たしかに価格は安くなったかもしれないけれど、不安要因は増えてしまったのです。
そしてたまたまこのメーカーの製品の場合にはChina-Freeという選択肢が取れたわけですが(というか、もともと米国産の原料を使っていたのでしょうが)、日本の場合にはどうでしょうか? 中国産のものはアブナイ、国産に切り替えようと思っても、食料自給率39%の日本では、中国産の原料を完全に排除することは至難の技です。
グローバリゼーションによって、私たちは海外から安い食品や製品を輸入し、季節に関わりなく楽しめるようになりました。経済的にも、選択の幅的にも、メリットはあるのだと思います。
しかし、逆の見方をすれば、そのことによって、誰がどのように作っているかは極端に見えにくくなり、複雑な経路の中では危険なことが起きるリスクは増大し、ひとたび何かが起きれば一気に顧客の信頼と売上を失う可能性もあります。
それを回避するためには、トレーサビリティを確保し、きちんと説明責任を果たす必要がありますが、それにはかなりコストがかかります。また、何か問題が起きたときのための保険となるルートも必要かもしれません。なかなかシンドイことです。
そう考えると、何でもかんでも、どんな遠い所からでも、単に安いものを調達しようというのはあまり賢いやり方とは言えないのかもしれません。それよりも、自分たちの目がしっかり届くところから調達しようというやり方のほうが、結局はシンプルで安心かもしれません。地産地消のもう一つの効果です。
たしかに中国産の食品はなるべく敬遠したいと思いますが、ただ中国産のものを選ばなければそれで問題が解決するわけではありません。重要なのは、なぜこんな問題が起きたかです。この問題を作り出した構造を考え、本質的な解決方法を考えてみると、それは持続可能な社会へのヒントにもなっているのではないでしょうか。
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